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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

2017年度、市町村国保は450億円の赤字、赤字保険者は全体の2割に減少―厚労省

2019.4.15.(月)

 2017年度に赤字となった市町村国保は355(前年度よりも117減少)で、全体(1716保険者)の20.7%にとどまった(同6.8ポイント減少)。赤字保険者の赤字総額も前年度から85億円減少し、173億円となった―。

 厚生労働省が4月12日に公表した2017年度の「国民健康保険(市町村)の財政状況について―速報―」から、こういった状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)(関連記事はこちらこちらこちら)。

被保険者数の減少等で収入、支出ともに減少し、財政状況は好転

 2017年度の市町村国保全体の収入(単年度収入)は15兆3559億円で、前年度に比べて3467億円・2.2%の減少。一方、支出は15兆1253億円で、前年度から4289億円・2.8%減少しました。

 収入が減少した背景には、▼被保険者数の減少(前年度から112万人減)による保険料(税)収入の減少(同3.9%・1120億円減)▼退職被保険者等の減少(同30万人減)による退職者医療制度における療養給付費交付金の減少(同42.3%・1350億円減)▼共同事業交付金(高額な医療費が発生した場合に市町村等が支援を行う)の減少(同4.3%・1703億円減)▼一般会計繰入金の減少(法定分:1.5%・73億円減、法定外分:23.0%・759億円減)—などがあります。

また支出減少の背景には、▼被保険者数の減少による保険給付費の減少(同2.8%・2856億円減)▼共同事業拠出金(高額な医療費が発生した場合に、当該市町村国保へ支援を行う)の減少(同4.8%・1711億円減)▼後期高齢者支援金の減少(同2.6%・445億円減)▼介護納付金の減少(同1.5%・99億円減)—などがあります。
2017年度市町村国保財政1 190412
 
 単年度収入(15兆3559億円)から単年度支出(15兆1253億円)を差し引いた単年度収支差引額は、2306億円の黒字。ここに国庫支出金精算額等(▲1004億円)を考慮した精算後単年度収支差引額は1302億円の黒字となりました。

 また、一般会計繰入金(法定外)のうち決算補填等を目的とする1751億円を除くと、精算後単年度収支差引額は450億円の赤字となりました。前年度(1468億円)に比べて、赤字額は1000億円強減少しています。

赤字保険者割合は約2割に減少、赤字総額も減少

 次に、赤字保険者の状況を見ると、単年度収支差で見た場合、全1716保険者のうち20.7%にあたる355保険者が赤字となりました。前年度に比べて117保険者・6.8ポイント改善しています。

 赤字保険者の赤字額を合計すると173億円で、前年度から85億円減少しました。
2017年度市町村国保財政2 190412
 
 市町村国保には、他の医療保険(健康保険組合など)と比較して、▼年齢構成が高い▼1人当たり医療費水準が高い▼所得水準が低い▼保険料(税)負担率も著しく高い―という特徴があり、かねてより「財政の安定化」が重要課題として認識されています。このため2018年度から財政責任主体が都道府県に移管され、その効果のほどに注目が集まります(関連記事はこちらこちら)。

 
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