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全医療機関で「今から」勤務環境改善に取り組む必要がある、取り組みの優先順位を―厚労省

2019.8.19.(月)

 2024年4月から医師(勤務医)について罰則付きの時間外労働上限が適用されるが、医師以外の医療スタッフや事務職員については、すでに罰則付き時間外労働上限が適用されている(大規模医療機関では2020年4月から)。すべての医療機関で、今から「勤務環境改善」に取り組む必要があり、「自院の状況を把握した上での優先順位付け」や「医療勤務環境改善支援センターへの相談」などから進めてはどうか―。

 厚生労働省は8月16日に、こうした内容を盛り込んだ「医療勤務環境改善普及促進リーフレット」を公表しました(厚労省のサイトはこちら
医療勤務環境改善リーフ2 190816

医療勤務環境改善リーフ1 190816
 

勤務環境の改善は、医療の質向上や経営安定に直結する

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が今年3月末(2019年3月末)に報告書をとりまとめ、次のような方針を明確にしました(関連記事はこちらこちら)。

▽2024年4月から「医師の時間外労働上限」を適用し、原則として年間960時間以下とする(すべての医療機関で960時間以下を目指す)(いわゆるA水準)

▽ただし、「3次救急病院」や「年間に救急車1000台以上を受け入れる2次救急病院」など地域医療確保に欠かせない機能を持つ医療機関で、労働時間短縮等に限界がある場合には、期限付きで医師の時間外労働を年間1860時間以下までとする(いわゆるB水準)

▽また研修医など短期間で集中的に症例経験を積む必要がある場合には、時間外労働を年間1860時間以下までとする(いわゆるC水準)
医師働き方改革検討会1 190328

医師働き方改革検討会2 190328

 
 また、医師以外の医療スタッフや事務職員については、大規模医療機関(常勤職員100名以上など)では今年(2019年)4月から、中小規模医療機関では来年(2020年)4月から、労働時間規制(時間外労働上限を超過した場合、当該医療機関に罰則が科せられる)がスタートしています。

 さらに、今年(2019年)4月から、すべての医療機関において、すべての従業員(医師を含む医療従事者、事務スタッフなど)を対象に▼年次有給休暇の時季指定義務▼産業医等との連携強化▼労働時間の把握義務―が課せられています。

 
 このように医療機関では、「直ちに」労務管理の徹底(いわゆる36協定の適切な締結など)や労働時間の短縮(タスク・シフティングなど)などに取り組むことが求められているのです。

 一方で、労務管理が不十分な医療機関も少なくないことから、厚労省は今般のリーフレットで、上述のような働き方改革に関する基礎情報を提供するとともに、「働きやすい職場づくり」に向けたアドバイスを行っています。

 「働きやすい環境」の構築は、優秀なスタッフの勤務継続につながり、これは▼雇用の質の向上▼医療の質の向上▼患者満足度の向上▼経営の安定化―をもたらしますが、「何から手をつければよいのか分からない医療機関も少なくないでしょう。

そこでリーフレットでは、各医療機関で次の4領域に優先順位をつけて取り組みを進めることを提案。

(1)働き方・休み方の改善:▼時間外労働の削減▼休暇の取得促進▼夜勤負担の軽減策▼多様な勤務形態の活用―など
(2)職員の健康支援:▼スタッフの健診受診率向上▼メンタルヘルス対策▼感染症対策▼腰痛対策―など
(3)働きやすさ確保のための環境改善:▼男性職員の育児休業取得▼子育て・介護中の職員に対する夜勤時間外労働の免除▼院内保育所や提携保育所の整備等▼複数主治医制の採用―など
(4)働きがいの向上:▼キャリアアップ支援の充実▼専門職としてのキャリア形成▼育休中の職員の復職・産休支援―など

 あわせて厚労省は、「勤務環境改善の取り組み状況」が自院と他院でどの程度異なるのかを診断するwebサイト「いきサポ」も開設。医療機関が、あるいは医師や看護師個人が、「自院は他院と比べて、果たして働きやすい環境になっているのか」を診断することが可能です。

 
 さらに、「何をすればよいか」が明らかになったとしても、「どのように取り組めばよいのか」は別問題とも言えます。この点、各都道府県に設置された「医療勤務環境改善支援センター」(勤改センター)に無料で相談することが可能です。

医療勤務環境改善支援センターは、2014年10月施行の改正医療法に基づき各都道府県に設置されている「医療従事者の勤務環境を改善し、離職防止等に向けた専門的・総合的支援」を行う組織です。その取り組みには「不十分である」との指摘もありますが、機能強化に向けた人員拡充(地域医療介護総合確保基金や地方交付税措置など)などが行われており、厚労省は「さらなる機能強化」に向けて動いています。まず、自院の問題点や何から取り組めばよいかなどを勤改センターに相談することが、働き方改革の第一歩と言えるかもしれません。
 
 

 

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