都民の死因、2018年はがん(28.6%)、心疾患(15.3%)、老衰(7.9%)の順で高い―東京都
2020.1.28.(火)
2018年における都民の死因は、がん(28.6%)・心疾患(15.3%)・老衰(7.9%)・脳血管疾患・肺炎(6.6%)の順で高く、老衰が脳血管疾患を抜いて死因第3位に浮上した―。
こういった状況が、東京都が1月16日に公表した2018年の「人口動態統計年報(確定数)」から明らかになりました(都のサイトはこちら)。自然減のペースが速まっている状況を再確認できます。
他地域からの人口流入除けば、都の人口は2018年にはマイナス1万2103人
厚労省は、毎年、▼出生数▼死亡数▼婚姻件数▼離婚件数▼死産数—の状況を調査し、翌年の秋に確定版(人口動態統計(確定数)を示しています。今般、東京都は「東京都分の人口動態統計(確定数)」を示したものです。
都では、戦後の復興期に、地方から集団就職した団塊の世代人口が多いため、今後、医療・介護ニーズが急速に増加していく(2022年度から75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となる)ことから、医療・介護サービス基盤の整備にとっても重要な統計資料となります。
まず2018年の出生数は10万7150人で、前年(10万8990人)よりも1840人・1.7%減少しました。母の年齢階級別にみると、15-44歳・50歳以上の各階級で前年より減少しましたが、▼15歳未満▼45-49歳―では前年より増加しています。人口千対の出生数である出生率は8.0(前年から0.2ポイント低下)で、国全体の7.4よりも高くなっています。
また「1人の女性が一生の間に生む子供の数」に相当する合計特殊出生率は1.20(前年から0.01ポイント低下)で、国全体の1.42よりも非常に低い水準であることが分かります。
次に死亡数は11万9253人で、前年(11万6453人)から2800人・2.4%増加しました。人口千対の死亡数である死亡率は8.9(前年から0.1ポイント上昇)で、国全体の11.0よりも低い水準であることが分かります。
また死因については、▼第1位:悪性新生物<腫瘍>(28.6%)▼第2位:心疾患(15.3%)▼第3位:老衰(7.9%)▼第4位:脳血管疾患(7.3%)▼第5位:肺炎(6.6%)―となりました。老衰が第4位から第3位に浮上し、脳血管疾患が第3位から第4位に順位を落としており、国全体と同じ動きをしています。
出生数と死亡数の差である「自然増減」を見ると、マイナス1万2103人で、前年(マイナス7463人)から4640人減少し、自然増減率(人口千対)はマイナス0.9で、前年(マイナス0.6)から0.3ポイント減少しています。ただし、これを上回る数の他道府県からの人口流入があり、都の人口そのものは増加を続けています。
【関連記事】
2018年、日本人口は44万超の減少、「老衰」が死因第3位に浮上―厚労省
2019年の出生数は90万人を切る、本邦人口は50万人を超えて減少する見込み―厚労省
我が国の平均寿命は男性81.25年、女性87.32年、死因では「老衰」が増加傾向―2018年簡易生命表
我が国の平均寿命、女性87.26年で世界2位、男性81.09年で世界3位―2017年簡易生命表
男女ともに長野県で死亡率低く、がんや心疾患などの疾病対策が寿命延伸に効果大―2015年都道府県生命表
我が国の平均寿命、女性87.14年・男性80.98年でいずれも世界2位―2016年簡易生命表
日本の平均寿命は世界トップクラス、男性80.75年、女性86.99年―2015年完全生命表
我が国の平均寿命、女性87.05年で世界2位に転落、男性80.79年で世界4位―2015年簡易生命表
わが国の平均寿命が過去最高更新、女性86.83年で世界1、男性80.50年で世界3位―14年簡易生命表
日本の人口27万人減で1億2589万人に、65歳以上が26.6%―総務省2016年調査
65歳以上の高齢者、ついに総人口の4分の1を超える―総務省
人口の自然増減、過去最大マイナス28万人、女性の出産率は改善1.46へ―2015年人口動態統計月報年報
2015年の1年間で日本の人口は29万4000人の自然減、人口減のペース加速―厚労省
80歳以上の高齢者数がついに1000万人を突破―総務省
団塊ジュニアが65歳となる35年を見据え、「医療の価値」を高める―厚労省、保健医療2035
75歳以上の世帯主が25年間で大幅増、東京近郊-日本の世帯数の将来推計、社人研
生涯の医療費は2566万円、70歳までに50%、70歳以降に50%を消費―厚労省が2013年度の状況を推計
2017年に日本人口は39万超の減少、近く「老衰」が死因第3位となる可能性―厚労省
人生の最終段階の医療・ケア方針、決定後も「繰り返し話し合う」ことが重要―厚労省