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市区町村別の平均寿命、男性では9.8年、女性では4.6年と大きな格差—厚労省

2018.4.19.(木)

 市区町村別に平均寿命を見ると、最も長命なのは、男性では神奈川県横浜市青葉区(83.3歳)、女性では沖縄県中頭郡北中城村(89.0歳)となり、最も短命なのは男女ともに大阪府大阪市西成区(男性73.5歳、女性84.4歳)である―。

 厚生労働省が4月17日に公表した2015年版の「市区町村別生命表の概況」から、こういった状況がわかりました(厚労省のサイトはこちら(2015年の市区町村別生命表))(関連記事はこちら(2015年の都道府県生命表)こちら(2015年の完全生命表))。

 高齢、とくに75歳以上の後期高齢者になると医療・介護ニーズが飛躍的に高まるため、今後の医療・介護提供体制をより精緻に検討・整備する際などに、極めて重要な基礎資料となります。

男性では神奈川県、女性では沖縄県で長命な自治体が目立つ

 生命表には、毎年の▼人口推計(10月1日時点)▼人口動態統計月報年計(概数)—に基づく【簡易生命表】と、5年に1度の▼国政調査結果▼人口動態統計(確定数)―に基づく【完全生命表】があります。2015年の完全生命表(第22回完全生命表)は昨年(2017年)3月に公表され、今般、これをベースにした市区町村別の生命表がまとめられました(2000年、2005年、2010年に続く4回目)。

 オールジャパンの平均寿命(0歳の平均余命)は、2015年には男性80.75年(2010年から1.20年延伸)、女性86.99年(同0.69年延伸)となりました(関連記事はこちら)。

 都道府県別に見ると、最も長命なのは、男性では滋賀県の81.78年、女性では長野県の87.675年、最も短命なのは男女とも青森県で、男性78.67年、女性85.93年と、バラつきがあります。最長と最短を比較すると、男性では3.11年、女性では1.745年の開きがあります(関連記事はこちら)。

市区町村別に見ると、さらに大きなバラつきがあることが分かりました。最も長命なのは、男性では神奈川県横浜市青葉区(83.3歳)、女性では沖縄県中頭郡北中城村(89.0歳)で、最も短命なのは男女ともに大阪府大阪市西成区(男性73.5歳、女性84.4歳)となっています。最長と最短を比較すると、男性では9.8年、女性では4.6年もの大きな開きとなります。

分布を見ると、男性では「80.5-81.0年」、女性では「86.5-87.0年」が多く、オールジャパンの平均寿命に近い状況です。また、男性のほうが幅広く分布しており、格差が大きなことが再確認できます。
2015市区町村別生命表1 180417

 
長命な市区町村の上位5位を見ると、男性では(1)神奈川県横浜市青葉区(83.3歳)(2)神奈川県川崎市麻生区(83.1歳)(3)東京都世田谷区(82.8歳)(4)神奈川県横浜市都筑区(82.7歳)(5)滋賀県草津市(82.6歳)―、女性では(1)沖縄県中頭郡北中城村(89.0歳)(2)沖縄県中頭郡中城村(88.8歳)(3)沖縄県名護市(88.8歳)(4)神奈川県川崎市麻生区(88.6歳)(5)石川県野々市市(88.6歳)―となっています。男性では神奈川県、女性では沖縄県で長命な自治体が目立ちます。

逆に短命な市区町村としては、男性では▼大阪府大阪市西成区(73.5歳)▼大阪府大阪市浪速区(77.5歳)▼青森県東津軽郡平内町(77.6歳)▼青森県むつ市(78.1歳)▼青森県北津軽郡中泊町(78.1歳)―、女性では▼大阪府大阪市西成区(84.4歳)▼北海道稚内市(85.1歳)▼福島県西白河郡西郷村(85.2歳)▼青森県東津軽郡蓬田村(85.2歳)▼岩手県釜石市(85.3歳)―が目立ちます。
2015市区町村別生命表2 180417
 
また、平均寿命の男女差(オールジャパンでは6.2年)が大きな市区町村は▼大阪府大阪市西成区(10.9年)▼鹿児島県大島郡天城町(8.7年)▼沖縄県名護市(8.5年)―、小さな市区町村は▼奈良県生駒郡平群町(4.8年)▼千葉県千葉市美浜区(4.8年)▼長野県大町市(5.0年)―などです。
2015市区町村別生命表3 180417
 
今後、市区町村別に「平均寿命と医療・介護体制との関係」などを分析することで、新たな知見が得られるかもしれません。
 
 
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