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2019年の出生数は90万人を切る、本邦人口は50万人を超えて減少する見込み―厚労省

2019.12.25.(水)

今年(2019年)における出生数は86万4000人で、初めての90万人割れ。死亡数は137万3000人で、我が国の人口は前年から51万2000人の自然減となる見込みである―

こういった状況が、厚生労働省が12月24日に公表した2019年の「人口動態統計の年間推計」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。自然減のペースが速まっている状況を再確認できます。

我が国の人口減が加速している状況を一目で確認できる(2019年人口動態推計2 191224)

人口規模50万人程度の栃木県宇都宮市や東京都江東区が消滅している計算

厚労省は、12月下旬(従前は翌年の1月1日)に、その年の「人口動態統計の年間推計」を公表しています。推計項目は、その年の▼出生数▼死亡数▼婚姻件数▼離婚件数▼死産数—の5項目。また翌秋には確定版(人口動態統計(確定数)の概況)も示されます。

人口構成の変化は「疾病構造の変化」にもつながり、また少子化は「将来の医療・介護提供体制の脆弱化」ももたらすため、年金制度はもとより、医療・介護制度の在り方を考える上でも重要な統計資料となります。

まず今年(2019年)の出生数を見ると86万4000人と推計され、昨年(2018年)の確定数91万8400人にから5万4000人ほど減少する見込みです。出生数が90万人を切ったのは統計開始以来、はじめてのことです。2015年には出生数が一時的に増加しましたが、その後、4年連続で100万人を切り、想定よりもはるかに早いペースで少子化が進んでいる状況です。また、人口千対(1000人当たり)の出生数である出生率は7.0で、前年から0.4ポイント低下しています。

次に死亡数は137万6000人と推計され、昨年(2018年)の確定数136万2470人から1万4000人ほど増加する見込みです。人口千対の死亡数である死亡率は11.1で、前年から0.1ポイント上昇しました。

高齢者の増加に伴って死亡数・死亡率は当然、増加・上昇していきますが、これを補うように出生数・出生率が増加・上昇しなければ人口は減少していきます。出生数と死亡数の差である「自然増減」を見ると、今年(2019年)はマイナス51万2000人となり、前年(確定数マイナス44万4070人)から6万8000人の減少となりました。つまり、移住などを除外してみると、我が国の人口が前年に比べて50万人を超えて減少することになります。

2017年の都市別人口を見ると、栃木県宇都宮市や東京都江東区、大阪府東大阪市、兵庫県姫路市、愛媛県松山市などが人口規模50万人程度です。2019年の1年間で、これらの1つが消滅した格好です。

これを人口千対の自然増減数として見てみると、マイナス4.1で前年よりも0.5ポイントの低下となりました。人口が1000人と考えると、「1年間で4人強のペースで減少している」格好で、少子化が進めば、さらに人口減少のスピードは減少していきます。

我が国の人口自然増減の推移を見ると、10年前の2007年から確実な減少モードに入り、そのペースが年を追うごとに加速している状況を再確認できます。



出生数・出生率と関連の深い、婚姻の状況をみると、今年(2019年)の婚姻件数は58万3000組で、前年(確定数58万6481組)から3000組ほど減少する見込みで、婚姻率(人口千対)は4.7(前年から増減なし)となりました。

なお、死産数は1万9000胎と推計され、前年(確定数1万9614胎)から600胎ほど減少しています。

出生数が減少し、死亡数が増加している状況が伺える(2019年人口動態推計1 191224)

 
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