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能登半島地震の被災者、一定要件を満たせば医療機関等の窓口負担(一部負担金)を減免・猶予、「支払った後の還付」も可能—厚労省

2024.1.26.(金)

能登半島地震の被災者については、一定要件を満たせば医療機関等の窓口負担(一部負担金)の減免・猶予が行われるが、支払った一部負担金について「事後の還付」も可能である—。

厚生労働省は1月23日に事務連絡「令和6年能登半島地震に伴う災害の被災者に係る一部負担金等の取扱いに関するQ&Aについて」を示し、こうした考えを明らかにしました(厚労省サイトはこちら)。

被災状況など勘案し、保険者で減免・猶予対象者など個別判断を

1月1日に能登半島を中心に大きな地震が発生し、大きな被害が出ています。被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

そうした中で厚労省は、「保険証やマイナンバーカードを持たずに避難した場合などに、特例的に保険証などを提示せずとも保険診療を受けられる」特例や、「被災者を多く受け入れ、またスタッフが被災するなどして、一時的に施設基準を満たせなくなった場合でも、従前の診療報酬取得を認める」特例、「医療機関等が被災し、レセプトを汚損等した場合には、過去の診療実績に基づく概算請求を可能とする」特例などを設けています(関連記事はこちらこちらこちら)。

ところで、被災者が医療機関を受診した際の一部負担金(窓口負担)については、一定の要件を満たす場合には「免除」「減額」「猶予」することが可能です(厚労省サイトはこちらこちらこちら)。



さらに今般、「免除」「減額」「猶予」に関する詳細をQ&A方式で、例えば次のように明らかにしています。

【一部負担金の還付について】
▽住家の全半壊等により「一部負担金の免除」に該当する被災者が、医療機関等の窓口で免除の申し立てをせず一部負担金を支払った場合、後日、被保険者が市町村(後期高齢者医療の場合は市町村を通じて後期高齢者医療広域連合)に申請を行うことにより「支払った額の還付」を受けることができる

→その場合には、以下の書類を提出する必要がある(具体的な運用の詳細は各保険者で判断する)
▼住家が全半壊、全半焼、床上浸水、これに準ずる被災をした方の場合:罹災証明書(保険者が不要と判断するときは必要としない)
▼主たる生計維持者が死亡した場合:死亡診断書、警察の発行する死体検案書
▼主たる生計維持者が重篤な傷病(1か月以上の治療を要すると認められるもの)を負った方の場合:医師の診断書
▼主たる生計維持者の行方が不明である方の場合:警察に提出した行方不明届け出の写しなど
▼主たる生計維持者が業務を廃止・休止した方の場合:公的に交付される書類で事実の確認が可能なもの(税務署に提出する廃業届、異動届の控えなど)
▼主たる生計維持者が失職し、現在収入がない方の場合:雇用保険の受給資格証、事業主等による証明

▽還付額は「医療機関から発行される領収証」により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する

▽「領収証を紛失した」場合にも、領収証再発行等により「支払った一部負担金の額が確認できる書類」提出を求める

▽「医療機関等の全壊等により、対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取れない」ような場合にも、レセプト情報や医療機関等に電話することなどにより一部負担金の額を確認した上で還付する。

▽還付対象は「能登半島地震にかかる災害救助法が適用された日以後の受診に係る一部負担金」である

▽「高額療養費の自己負担限度額以上の窓口負担」をした者から還付申請が行われた場合、一部負担金の免除が優先され、既に高額療養費が支給されている場合は一部負担金免除として振り替えれば、財政支援の対象となる



【一部負担金免除に係る免除基準】
▽住家の一部損壊の場合には、被災状況に鑑み保険者で個別に判断する

▽被災者生活再建支援法に基づく長期避難世帯は、免除要件である「住家の 全半壊、全半焼、床上浸水、これに準ずる被災をされた方」の「これに準ずる被災をされた方」に該当するため、一部負担金免除の対象として差し支えない

▽長期避難世帯と認定されていない場合でも、長期にわたり自らの住居に居住できない事実その他の事情を勘案したうえで、保険者において免除が必要と判断する場合は一部負担金免除の対象として差し支えない

▽「主たる生計維持者が失職し、現在収入がない旨」の申し立てをした者については猶予・免除の対象となる。「現在収入がない」とは、失職前の給与収入が失われ、従前所得を保障するための失業給付や傷病手当金等も受給していないことを意味する。義援金や子ども手当、児童扶養手当、家賃収入、年金収入等は「収入」には含まれないが、失業給付は「収入」に含まれる。収入金額や扶養家族の人数等を勘案し、十分な収入がないと保険者が判断する場合は、上記基準に準ずるものとして柔軟に対応しても差し支えない

▽被災による直接の被害はないが被災した取引先が倒産したことにより、結果的に業務を廃止せざるを得なくなった場合、「被災と廃業等との間に個別具体的な因果関係がある」と判断できる場合は免除として差し支えない

▽主たる生計維持者が兼業農家で、「被災により農業収入は無くなったが、雇用は継続しているため給与収入がある場合」「失職して給与収入は無くなったが、農業は継続しており事業収入がある場合」のいずれも免除の対象となる。

▽主たる生計維持者が国民健康保険・後期高齢者医療の被保険者でなくとも、主たる生計維持者が被災していることが確認できれば、当該生計維持者が被保険者でなくとも免除対象とする



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