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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

DPCの激変緩和措置や重症度係数などに代わる措置を早急に検討すべき—日病協

2017.5.26.(金)

 DPC制度は極めて複雑であるが、2018年度の次期診療報酬に向けて簡素化の方向が見えてきたことは評価できる。ただし、激変緩和措置や重症度係数などの見直しが必要な項目について代案がまだ示されておらず、早急に代案を検討する必要がある—。

 26日に開かれた日本病院団体協議会の代表者会議で、このような議論が行われたことが、同日に記者会見した原澤茂議長(全国公私病院連盟常務理事、埼玉県済生会支部長、埼玉県済生会川口医療福祉センター総長)と山本修一副議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長)から明らかにされました(関連記事はこちらこちら)。

5月26日の日本病院団体協議会代表者会議後に、記者会見に臨んだ原澤茂議長(全国公私病院連盟常務理事、埼玉県済生会支部長、埼玉県済生会川口医療福祉センター総長)

5月26日の日本病院団体協議会代表者会議後に、記者会見に臨んだ原澤茂議長(全国公私病院連盟常務理事、埼玉県済生会支部長、埼玉県済生会川口医療福祉センター総長)

5月26日の日本病院団体協議会代表者会議後に、記者会見に臨んだ山本修一副議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長

5月26日の日本病院団体協議会代表者会議後に、記者会見に臨んだ山本修一副議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長

機能評価係数IIを6項目に絞るなど「DPC簡素化」の方向は評価できる

 2018年度の次期診療報酬改定に向けた議論が、中央社会保険医療協議会総会や下部組織で鋭意進められています。そうした中、DPC制度については診療報酬調査専門組織のDPC評価分科会が24日に「医療機関別係数の見直し方向」の大枠を固めています。

 現在のDPC制度(対象病院を3つの医療機関群に分けて基礎係数を設定し、調整係数を段階的に基礎係数と機能評価係数IIに置き換えていく)は、2010・12年度の診療報酬改定で形づくられました。しかし、「その後の改定で、複雑になりすぎてしまった」と医療現場は感じているようです。

今般の見直し方向では、機能評価係数IIを当初の6項目に絞ることや、(暫定)調整係数の置き換えを完了することなどが固められ(関連記事はこちらこちら)、全国公私病院連盟や国立大学附属病院長会議、日本病院会、全日本病院協会など13の病院団体で構成される日本病院団体協議会(日病協)の代表者会議では「簡素化の方向に動いている」と高く評価していることが26日の記者会見で明らかにされました。

しかしDPC評価分科会委員でもある山本副議長は、「激変緩和措置や重症度係数などの見直しが必要な項目について代案がまだ示されておらず、早急に代案を検討する必要がある。とくに重症度係数では、効率化を進めた病院の評価が低いなど、他の係数と逆の方向を向いており、早急な代案検討が必要だ」と強調しました。

DPC評価分科会の見直し方向では、激変緩和措置に代わる「推計診療報酬変動率が大きくなる要因を分析した上での新たな対応」を、重症度係数に代わる「別の評価方法」を検討することになっており、今後の議論がさらに熱を帯びそうです。

外来透析患者への特別食費用など新たな選定療養11項目を要望

 また26日の記者会見で原澤議長は、日病協の診療報酬実務者協議で「新たな選定療養」などを固め、19日までに厚生労働省に提出したことも明らかにされました(関連記事はこちら)。日病協が要望する新たな選定療養は次の11項目です。あわせて、現行の「差額ベッド」の基準(各医療機関の病床数の5割まで設置可能)の緩和についても要望しています。

(1)抗インフルエンザ薬の予防投与

(2)外来透析患者に対し「療養の一環」として提供された腎臓食などの特別食の費用

(3)下痢・嘔吐などノロウィルス感染が疑われる場合の抗原検査費用

(4)外来受診予約や受診・検査へのアテンドなどを行うコンシェルジュサービス

(5)独居高齢者の突然の入院時などにおける各種申請手続きを病院が代行する際の費用

(6)遺伝学的検査で現在対象となっていない遺伝子疾患についての検査料

(7)【在宅自己注射指導料】を算定していない患者に血糖測定検査を行う際の「血糖測定紙」や「針」などを院内処方する際の費用

(8)保険診療と同一日に行う▼自治体の検診▼がん検診▼特定健康診査―などの費用

(9)1か月当たり入院中2回・外来1回との算定制限回数を超える栄養指導

(10)医療機関が運用する送迎バスの費用(100円程度)

(11)救急車・ドクターヘリなどに医師・看護師が同乗して転院搬送をした場合、搬送先病院から自院へ戻る際の費用

新たな中医協委員として島弘志・日病検討委員会委員長を推薦

 また、同日の代表者会議では、▼新たな病院代表の中医協委員(万代恭嗣:日本病院会常任理事の後任)として島弘志:日本病院会診療報酬・病院経営検討委員会委員長(社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院病院長)を推薦する▼日本リハビリテーション病院・施設協会を新規会員として認める—ことが了承されています。
  
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