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C型肝炎患者の救済措置延長受け、医療機関を確認―厚労省

2018.1.9.(火)

 C型肝炎ウイルスの不活化処理が不十分なフィブリノゲン製剤などを投与されたために慢性C型肝炎などを発症した患者を早期に発見し、治療や給付金支給につなげるために、医療機関での使用実績などを1月以降に改めて確認する―。

 厚生労働省は昨年(2017年)12月28日に、通知「特定フィブリノゲン製剤又は特定血液凝固第IX因子製剤納入先医療機関に対する診療録等の確認作業等の実施のお願いについて(協力依頼)」などを発出し、この確認への協力を医療機関側に依頼しました。各医療機関で、ウイルス不活化処理が不十分な製剤を投与した患者への連絡が適切に行われているか電話で確認し、必要なら厚労省職員が医療機関を訪問して、患者に連絡するまでの作業の効率的な進め方を説明するとしています。

C型肝炎救済措置の給付金請求期限が5年間延長

 手術での大量出血時などに、C型肝炎ウイルスの不活性化処理が不十分なフィブリノゲン製剤・血液凝固第IX因子製剤を投与され、C型肝炎に罹患した患者には、C型肝炎救済特別措置法に基づく給付金が支払われます。ただし、患者本人や相続人が給付金を支給されるまでには、(1)国を被告とする訴訟を提起し、裁判手続きの中で「製剤投与の事実」や「製剤投与と感染との因果関係」「C型肝炎の症状」を確認する(2)(1)で確認された因果関係などを証明する書類(和解調書など)をそろえて、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に給付金を請求する―ことが必要です。

C型肝炎ウイルスに感染した患者が給付金の支給を受けるためには、国を被告とした訴訟の提起などを、2023年1月16日までに行う必要がある

C型肝炎ウイルスに感染した患者が給付金の支給を受けるためには、国を被告とした訴訟の提起などを、2023年1月16日までに行う必要がある

 しかし、C型肝炎ウイルスの不活性化処理が不十分な製剤を投与されたことを患者側が知らなければ、給付金を請求できません。そこで厚労省は、▼1994年まで流通していたとされる、処理が不十分な製剤の納入先医療機関を公表し、C型肝炎ウイルス検査を受診するよう患者側に呼び掛ける▼医療機関に「診療録などの確認」「投与が確認された患者らへの連絡」を求め、その実施状況を調査する—などの対応をとっています。

 給付金には請求期限があり、今年(2018年)1月15日までと規定されていましたが、昨年(2017年)12月にC型肝炎救済特別措置法が改正され、2023年1月16日まで5年間延長されました。

製剤の使用実績などを電話で確認し、必要なら厚労省職員が医療機関を訪問

 給付金の請求期限が延長されたことを踏まえて、厚労省は、診療録の確認などが進んでいないと考えられる医療機関約600施設について、▼フィブリノゲン製剤などの納入がいつごろ何本あり、そのうち何本をどのような患者に使用したか▼1994年以前の入院診療録や手術台帳、分娩記録、入院サマリーなどから、製剤の投与事実を確認できるか▼製剤の投与事実を確認できる場合、患者や遺族から問い合わせがなくても診療録などを調べたか、それとも時期や診療科などを絞って一部のみを調べたか―などを電話で確認することにしました。

 電話で確認した結果、「1994年以前にフィブリノゲン製剤などを使用しているが、診療録などを確認して患者側に連絡するような取り組みが不十分である」と考えられる医療機関には、厚労省職員が訪問し、▼1994年以前にフィブリノゲン製剤などを投与した患者側に連絡するよう、改めて依頼する▼診療録などの効率的な確認方法を説明する―ことで、給付金の支給につなげるとしています。

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