Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

新型コロナ、疫学的関連性が把握できない程度の感染拡大から「概ね3か月後」に患者数ピーク―厚労省

2020.3.10.(火)

各都道府県等で「疫学的関連性が把握できない程度に新型コロナウイルス感染が拡大した時点から、概ね3か月後」にピークが到来すると考えて、医療提供体制等を整備してほしい。

ピーク時の患者数については、外来では▼0-14歳人口の0.18%▼15-64歳人口の0.29%▼65歳以上人口の0.51%―の合計、入院では▼0-14歳人口の0.05%▼15-64歳人口の0.02%▼65歳以上人口の0.56%―の合計、集中治療等が必要な重症患者数は▼0-14歳人口の0.002%▼15-64歳人口の0.001%▼65歳以上人口の0.018%―の合計―として推計する―。

厚生労働省は3月6日に事務連絡「新型コロナウイルスの患者数が大幅に増えたときに備えた医療提供体制等の検討について」を示し、こうした点を都道府県や医療現場に依頼しました(厚労省のサイトはこちら)。

外来のピーク時患者数は「0-14歳の0.18%+15-64歳の0.29%+65歳以上の0.51%」

中華人民共和国武漢市で発生したとみられる新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るい、各地で患者クラスター(集団感染)が生じ、残念なことに死亡例も発生しています。安倍晋三内閣総理大臣が全国の小学校・中学校・高等学校に休校を要請したり、イベント等の開催自粛要請を行うなど、国民生活にも大きな影響が出ており、政府は2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定。医療体制に関し、▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や 基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考えを明確化しています。

また基本方針では、現時点を「国内で患者数が大幅に増えた時に備え、重症者対策を中心とした医療提供体制等の必要な体制を整える準備期間にも当たる」と捉えており、厚労省は3月1日に「地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策(サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制)の移行について」の中で、患者数が大幅に増加した場合には。例えば▼外来では、一般医療機関でも、感染予防措置をとったうえで診療を行う▼入院では、一般医療機関においても、一般病床も含め、一定の感染予防策を講じた上で必要な病床を確保する―などの方向を示しています。

ここで、どの段階になれば「患者数が大幅に増加した」のかが気になります。この点、今般の事務連絡では次の計算式を示し、これを目安として「患者数等についてピーク時の医療需要を推計し、必要な医療提供体制を整えてほしい」と求めています。

▼【ピーク時に「1日当たり新たに新型コロナウイルス感染症を疑って外来を受診する患者数」】=「0-14歳人口の0.18%」+「15-64歳人口の0.29%」+「65歳以上人口の0.51%」

▼【ピーク時に「1日あたり新型コロナウイルス感染症で入院治療が必要な患者数」】=「0-14歳人口の0.05%」+「15-64歳人口の0.02%」+「65歳以上人口の0.56%」

▼【ピーク時に「1日あたり新型コロナウイルス感染症で重症者(集中治療や人工呼吸器を要する管理が必要な患者)として治療が必要な患者数」】=「0-14歳人口の0.002%」+「15-64歳人口の0.001%」+「65歳以上人口の0.018%」



また感染者数等のピーク時は「各都道府県等で疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大した時点から、概ね3か月後に到来する」と推計されますが、種々の対策により「ピークが下がる」「後ろ倒しされる」ことに留意が必要です。

一方、▼全国人口を用いて計算することは不適切(都道府県でピーク時が異なる)▼単純に各自治体が算出するピークの数値を足し合わせることは不適切(同)▼現実の患者の発生動向も踏まえて適切に体制を確保することが必要▼今後新たな知見等により計算式が変更される可能性がある―という点にも留意が必要です。



さらに、こうしたピーク時患者数の予測を踏まえて、次のような医療提供体制の確保に努めることが重要となります。

▽帰国者・接触者外来の増設

▽一般医療機関のうち「必要な感染予防策を講じた上で、新型コロナウイルス感染症が疑われる方の外来診療を担当する医療機関」の設定

▽新型コロナウイルス感染症患者の入院医療を提供するための医療機関と病床の設定

▽集中治療や人工呼吸器を要する管理が必要な重症患者を受け入れる医療機関と病床の設定

▽感染防御に必要な資材、人工呼吸器等医療機器の確保

▽新型コロナウイルス感染症が疑われる方の外来診療を原則として行わず、その他の医療を集中的に提供することとする医療機関(例えば、▼重症化しやすい方が来院するがんセンター、透析医療機関および産科医療機関等▼重症者を多数受け入れる見込みのある感染症指定医療機関等▼地域の実状に鑑みて医療機能を維持する必要のある医療機関等)の設定

【更新履歴】ピーク時の患者数推計におけるパーセンテージを誤り100倍表記としておりました。お詫びして訂正いたします。記事は訂正済です。



診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

 

【関連記事】

新型コロナ感染疑い患者、院内で移動型エックス線装置を用いたエックス線撮影を認める―厚労省
新型コロナウイルス検出のためのPCR検査、3月6日から保険適用―厚労省
新型ウイルス対策、WAMの資金貸付の強化や診療報酬等の柔軟対応の周知徹底を―日病・相澤会長
新型コロナ対応、緊急開設医療機関で「届け出月からの基本診療料算定」、大病院で「電話での外来診療料算定」可能―厚労省
新型コロナ患者増加状況踏まえ、一般医療機関での外来診療、一般病院の一般病床での入院医療を段階的に進める―厚労省
新型コロナ感染対策のための電話等による診療や薬剤処方、【電話等再診料】や【処方箋料】を算定―厚労省
基礎疾患持つ患者の新型コロナ感染避けるため、電話等による診療・処方、処方箋のFAX送信ルール明確化―厚労省
公立病院における新型コロナ感染症への医療提供体制の充実を要請―高市総務相
「互いに手を伸ばせば届く距離で、多くの人が会話等で一定時間以上続く」環境が新型コロナ感染リスクを高める―厚労省専門家会議
新型ウイルス感染拡大防止に向け、イベント開催の必要性検討、「社員等が休みやすい環境」整備を―加藤厚労相
新型コロナウイルス感染に関する相談者・受診者増に対応するため、相談センターや特別外来の体制等充実を
新型コロナウイルス患者等の受け入れ等で診療報酬の施設基準等満たさずとも、当面は変更届け出等は不要―厚労省
37.5度以上の発熱があり入院が必要な肺炎が疑われる患者、新型コロナウイルス検査の実施を―厚労省
37.5度以上発熱が4日以上続く、倦怠感や呼吸困難がある場合は「帰国者・接触者相談センター」に相談を―厚労省
新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省
SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省



新型コロナ対策、まずPCR検査の拡充を進めるべきではないか―日病・相澤会長



新型コロナにより事業縮小や閉鎖を余儀なくされる病院や老健施設に資金融資―福祉医療機構