電子処方箋、1月15日時点での対応は「全国で6病院・10クリニック・162薬局」にとどまる
2023.1.24.(火)
電子処方箋の全国展開が本年(2023年)1月26日からスタートする—。
ただし、1月15日時点で対応可能であるのは、全国で178の医療機関・薬局(16医療機関(うち病院6、クリニック10)、162薬局)に限られる—。
こうした状況が、厚生労働省が1月20日に公表した「電子処方箋対応施設リスト」から明らかになりました(厚労省サイトはこちら)。
電子処方箋は、オンライン資格確認等システムのインフラを活用し、これまで「紙」で運用されていた、医療機関から薬局への処方指示(処方箋発行)を「オンライン」で行うものです。
大まかな流れは以下のようになります(関連記事はこちら)。
(a)患者が医療機関を受診し、「電子処方箋の発行」を希望する(オンライン資格確認等システムでの資格認証や診察時などに確認、マイナンバーカード以外で受診する場合には口頭で確認する)
↓
(b)医療機関において医師が、オンライン資格確認等システムの中に設けられる【電子処方箋管理サービス】に「処方箋内容を登録」する
↓
(c)医療機関は患者に「電子処方箋の控え」(紙、アプリ)を交付する
↓
(d)患者が薬局を受診し、「電子処方箋の控え」を提示する
↓
(e)薬局において、薬剤師が【電子処方箋管理サービス】から「処方箋内容」を取得し、調剤を行う
↓
(d)患者に薬剤を交付する
このうち(b)および(e)において、患者同意の下で「過去に処方・調剤された薬剤情報」の閲覧が可能になるため、重複投薬や多剤投与、禁忌薬剤の投与などを「リアルタイム」でチェックし是正を図ることが可能になります。
厚労省は運用開始日を「本年(2023年)1月26日(木)とする」考えを明らかにしており(関連記事はこちら)、全国の医療機関・薬局で対応に向けた準備が進められています。
ただし、今般発表された「1月15日時点における対応医療機関・薬局」リストを見ると、全国で178の医療機関・薬局にとどまっていることが明らかになりました。
【全国】16医療機関(6病院・10クリニック) ・ 162薬局
【北海道】1医療機関(1クリニック) ・ 3薬局
【青森県】—
【岩手県】—
【宮城県】3薬局
【秋田県】2薬局
【山形県】1医療機関(1病院) ・ 4薬局
【福島県】2医療機関(1病院、1クリニック) ・ 4薬局
【茨城県】1薬局
【栃木県】1薬局
【群馬県】—
【埼玉県】5薬局
【千葉県】1医療機関(1病院) ・ 4薬局
【東京都】23薬局
【神奈川県】3薬局
【新潟県】1医療機関(1クリニック) ・ 3薬局
【富山県】1薬局
【石川県】—
【福井県】—
【山梨県】—
【長野県】2薬局
【岐阜県】1薬局
【静岡県】2薬局
【愛知県】2薬局
【三重県】—
【滋賀県】1薬局
【京都府】5薬局
【大阪府】5薬局
【兵庫県】1医療機関(1病院) ・ 1薬局
【奈良県】1医療機関(1クリニック) ・ 64薬局
【和歌山県】—
【鳥取県】—
【島根県】—
【岡山県】—
【広島県】3医療機関(2病院・1クリニック) ・ 9薬局
【山口県】1薬局
【徳島県】—
【香川県】—
【愛媛県】1薬局
【高知県】—
【福岡県】4医療機関(4クリニック) ・ 2薬局
【佐賀県】1薬局
【長崎県】1医療機関(1クリニック) ・ 1薬局
【熊本県】—
【大分県】—
【宮崎県】—
【鹿児島県】1薬局
【沖縄県】6薬局
もちろん開始前(開始は1月26日で、調査は1月15日)時点のものであり、今後、準備完了・運用開始する施設が増加していくと考えられます。今後の状況に注目が集まります。
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