薬価制度抜本改革、民間議員は「全品目の毎年改定」を要望―経済財政諮問会議
2016.12.8.(木)
薬価制度抜本改革の基本方針策定に向けて、7日に開催された経済財政諮問会議では、民間議員から「全品を対象として使用量または実勢価格の変化幅に応じ年1回以上の薬価改定を行うべき」との提言が行われました(関連記事はこちらとこちら)。
また塩崎恭久厚生労働大臣からは、次のような見直しの方向性案が提示されています。
(1)市場規模拡大による影響を迅速に薬価に反映する(効能追加が審議・承認された医薬品、当初の予想販売額を上回る医薬品について、NDBも活用し、年4回の新薬収載の機会に薬価を見直す)
(2)市場実勢価格を迅速に把握し、少なくとも年1回薬価を見直す(調査方法に応じて、適切な引下げ幅を設定)
(3)▼外国価格を含めた、正確・透明な薬価算定方式の確立▼後発医薬品を含めた、競争により薬価が引き下がる仕組みの導入▼「単品単価契約」の推進など、医薬品流通の改善を推進する―といった現行制度の改善を行う
このうち(2)が最大の争点となりますが、塩崎厚労相は「毎年改定の対象品目」には言及していません。今後、毎年薬価改定の対象品目を「医療用医薬品すべて」とするのか「一部」に限定するのか、ギリギリの調整が行われる見込みです。
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