仙骨神経刺激装置植込術・交換術、「過活動膀胱のコントロール」目的でも算定可能―厚労省
2017.9.5.(火)
K190-6【仙骨神経刺激装置植込術】とK190-7【仙骨神経刺激装置交換術】について、これまでの「便失禁」コントロール目的だけでなく、「過活動膀胱」のコントロール目的のために実施する場合にも算定可能とする—。
厚生労働省は8月31日に、通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を発出し、こういった点を明らかにしました。9月1日から適用されています。
過活動膀胱コントロール目的に実施するには、別の施設基準を満たす必要あり
K190-6【仙骨神経刺激装置植込術】(4万280点)とK190-7【仙骨神経刺激装置交換術】(1万3610点)は、これまで「医師の指示に従い、自ら送信機を使用することで『便失禁』に対するコントロールを行う意思のある者であって、保存的療法が無効または適用できない患者に対して実施する場合に限り算定できる」こととされていました。
厚労省は両手術について、新たに「医師の指示に従い、自ら送信機を使用することで『過活動膀胱』に対するコントロールを行う意思のある者であって、保存的療法が無効または適用できない患者」に実施する場合にも算定することを可能にしました。
ただし、過活動膀胱のコントロール目的で両手術を実施する場合には、次の要件をいずれも満たすことが必要となります(便失禁コントロール目的の場合には、従前同様「大腸肛門疾患の診療経験5年以上の常勤医師配置」などが要件となる)。
(1)下部尿路機能障害の診療経験を5年以上有する常勤医師が2名以上配置され、うち1名以上は所定の研修を修了していること
(2)下部尿路機能障害の診療経験を5年以上有する常勤医師で、所定の研修を修了している者が実施すること
(3)緊急事態に対応するための体制が整備されていること
なお、この3要件は両手術に関する施設基準となり、地方厚生(支)局への届け出が必要となります。厚労省は、「届出があった場合には速やかに審査し、届け出受理が行われた場合には受理日から両手術の点数を算定できる」ことを9月1日付の事務連絡「新たに設定された仙骨神経刺激装置植込術及び交換術の施設基準に係る届出の取扱いについて」の中で明らかにしています。
また、過活動膀胱に対するコントロールのため植込型仙骨神経刺激装置を植え込んだ後に、「患者の同意を得て、在宅で自己による過活動膀胱管理を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅過活動膀胱管理に関する指導管理を行った場合」には、C110-4【在宅仙骨神経刺激療法指導管理料】(810点)も算定できることとされました。
このほか8月31日の通知では、診療報酬の算定に関して次のような見直しも行っています。
▼フラッシュグルコース測定機能を持つ血糖自己測定器を使用して血糖自己測定を行った場合でも、C150【血糖自己測定器加算】はフラッシュグルコース測定以外の血糖自己測定をした回数を基準に算定する(月20回以上測定400点―月120回以上測定1500点)
▼植込み型リードレス心臓ペースメーカーを経カテーテルによって植え込んだ場合にはK597【ペースメーカー移植術】の2「経静脈電極の場合」の所定点数(9520点)に準じて算定する
▼『補助循環用ポンプカテーテルによる経皮的補助循環』を、▽K600【大動脈バルーンパンピング法(IABP法)】▽K601【人工心肺】▽K602【経皮的心肺補助法】▽K603【補助人工心臓】―を併せて実施した場合には、1日ごとに主たるもののみで算定する。また、補助循環用ポンプカテーテルによる経皮的補助循環を行った場合は、初日(1日につき)はK602【経皮的心配補助法】の1「初日」の所定点数(1万1110点)により、2日目以降はK600【大動脈バルーンパンピング法(IABP法)】の2「2日目以降」の所定点数(3680点)に準じて算定する
▼K689【経皮経肝胆管ステント挿入術】について、経皮的胆道拡張用バルーンカテーテルにより胆道拡張を行った場合は、本区分の所定点数を算定できることとする
また新たな医療材料の保険収載に伴い、▼経皮的胆道拡張用バルーンカテーテル▼補助循環用ポンプカテーテル―に関する留意事項が設けられるなどしています。
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