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「医療の危機的状況」を明らかにし、患者・家族の「不安」を解消して、適切な医療機関受診を促せ―厚労省・上手な医療のかかり方広める懇談会

2018.12.18.(火)

 我々自身の命を守り、同時に医療を守るために、(1)患者・家族の不安を解消する取り組みを最優先で実施する(2)医療現場が危機である現状を国民に広く共有する(3)緊急時の相談電話やサイトを導入し、周知・活用する(4)信頼できる医療情報を見やすくまとめ、提供する(5)チーム医療を徹底し、患者・家族の相談体制を確立する―。

 12月17日に開催された「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」(以下、懇談会)では、こうした5項目を柱とする「『いのちをまもり、医療をまもる』国民プロジェクト宣言!」がまとめられました(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

 懇談会という会議体自体は終了しますが、構成員は上記の取り組みがどのように進んでいるか継続してチェックしていく考えを強調しています。
上手な医療のかかり方懇談会1 181217
 

民間企業には「従業員が体調不良の場合には、休める」環境の整備を求める

 「医師の働き方改革」に向けた議論を進める中で、▼医師から他職種へのタスク・シフティングを進める▼時間外労働の上限を設定する―だけでは、長時間労働をはじめとした医師の苛酷な勤務環境が改善されないことが認識されました。医師の時間外労働規制を制度的に手当てしたとしても、患者・国民側が「医療機関が空いている夜間や休日に受診しよう」「良く分からないが、とりあえず医療機関にかかろう」などと考えていたのでは、医師は過重労働から永遠に解放されないからです。

そこで、「患者・国民側にも医療のかかり方について、しっかり考えてもらう」ことの重要性が確認され、懇談会で「患者・国民に、上手に、適切に医療にかかってもらうために、何をすべきか」が検討。今般、「『いのちをまもり、医療をまもる』国民プロジェクト宣言!」が採択されたものです。

行政(国や自治体)、医療提供者、民間企業、国民のすべてが「自身が何をなすべきか」を考えて行動しなければ、「我々国民自身の生命(いのち)を守り」、さらに「医療を守る」ことはできないという認識の下、次の5方策を迅速かつ協力に推し進めることを求めています。

(1)患者・家族の不安を解消する取り組みを最優先で実施する
(2)医療現場が危機である現状を国民に広く共有する
(3)緊急時の相談電話やサイトを導入し、周知・活用する
(4)信頼できる医療情報を見やすくまとめ、提供する
(5)チーム医療を徹底し、患者・家族の相談体制を確立する

前述のように、「医療機関が空いている夜間や休日に受診しよう」といった考えはもってのほかですが、一般の患者・家族は疾病や傷病の状況悪化で「不安」になり、夜間に医療機関にかかることもままあります。そこで、こうした「不安を解消する」ことを最優先課題とし(上記(1))、例えば#8000(子ども医療電話相談事業)や#7119(救急相談センター、未整備の自治体もある)などの整備、周知を行う(上記(3))ほか、正しい医療情報の提供(上記(4))などを進めます。もっとも、国民に広く認識してもらうためには、単に「webサイトを構築する」だけでは全く足らず、ターゲットごとに「適切な情報伝達の方法」を考えていく必要があります(例えば、口コミなど)。

一方で、医療現場は極めて多忙であるため、なぜ「医療機関が空いている夜間や休日に受診しよう」との考えが好ましくないのか、十分に強調することが必要です。この点について、懇談会では、我が国の医師の▼3.6%が自殺や死を毎週・毎日考える▼6.5%が抑うつちゅう程度以上である▼半数で睡眠時間が足りていない▼76.9%が「ヒヤリ・ハット」(事故には至っていないが、危うく事故に結びつくような、ヒヤリとした、ハッとした事例)を体験している―現実を示し、「これを放置すれば、確実に医療の現場は崩壊する」と訴えます(上記(2))。

さらに、患者・家族は、相談・説明の多くを医師に求めがちであり、これが「医師の多忙さ」に拍車をかけていることも事実です。このため、「医療はチームで行われている」ことを国民に十分に認識してもらうことも重要です(上記(5))。

 
懇談会では、この5方策を進めるために、▼行政▼医療提供者▼民間企業▼国民―のそれぞれが何をなすべきかも具体的に事例しています。

例えば、医師・医療提供者には、「あらゆる機会を通じて、医療のかかり方を啓発していく」ことや、「どの医療従事者に相談すればよいか」のサポート体制を整えることなどが求められます。

また、民間企業には、「体調が悪いときは、休みを取り、自宅休養できる」ような環境・体制を整備することが特に求められています。

会議終了後に、記者会見に臨んだ渋谷健司座長(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)とデーモン閣下構成員(アーティスト)は、「懇談会という会議体そのものは終了するが、今後、継続的に取り組み状況をチェックしていく」「宣言はゴールではなく、あくまでもスタートである」ことを強調しました。
上手な医療のかかり方懇談会2 181217

近く「医師の働き方改革に関する検討会」にも宣言の内容が報告されます。

 
 
 
 

 

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