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介護休暇の「時間単位」取得、介護休暇・休業制度の周知、ケアマネへの支援など提言―規制改革推進会議

2019.5.13.(月)

 介護離職ゼロを実現するために、育児・介護休業法に定める「介護休暇」「介護休業」制度の周知を一層進めるとともに、介護休暇制度について「時間単位」での取得を可能とするよう早急に法令改正を行うべきである―。

 規制改革推進会議は5月10日、このような内容を盛り込んだ提言「介護離職ゼロに向けた一段の両立支援策を」を取りまとめました(内閣府のサイトはこちら)。

介護休暇の「時間単位」取得で、要介護者のモニタリングへの介護者同席を充実せよ

 安倍晋三内閣の掲げる、新たなアベノミクスの3本の矢の1つとして「介護離職ゼロ」があげられます。いわゆる団塊ジュニアをはじめとする現役世代が「両親等の介護のために仕事を離れざるを得ない」(介護離職)状況を打破するために、例えば▼特別養護老人ホームの増設▼介護職員のさらなる処遇改善―など、政府はさまざまな施策を打ち出しています(関連記事はこちらこちらこちら)。

 しかし2025年には、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となることから、今後、介護ニーズがさらに増加していくと見込まれ、その一方で支え手となる現役世代は減少を続けていきます(2025年から2040年にかけて、急速に減少していく)。このため、「介護離職ゼロ」を実現するためには、施策の思い切った拡充が必須となるでしょう(関連記事はこちらこちら)。

 この点、「思い切った施策の拡充」をするには予算の確保などが必要となりますが、規制改革推進会議では、「現行施策の改善」によって、老親等を抱える現役世代の仕事継続にあたってのハードルを下げられると指摘します。

 1点目は、「介護休暇」制度の柔軟化です。現在(2017年1月より)、介護休暇は「半日」単位で取得することが認められています(改正育児・介護休業法)。

 ところで、例えば、ケアマネジャー(介護支援専門員)によるケアプラン見直しのための利用者モニタリング(ケアマネが利用者宅を訪問しケアプランの実施状況や利用者の状態をチェックする)は、比較的短時間で済みます。認知症高齢者の増加に鑑みれば、このモニタリングには家族(とくに介護者である現役世代)が同席し、ケアマネと膝を突き合わせて相談することが重要になってきますが、「半日」単位の介護休暇では、このモニタリングへの同席やケアマネとの相談の回数が限定されてしまいます。通常は「1年度間で5日」(要介護者が2人以上の場合には10日まで)に介護休暇は制限されているので、年間に最大「10回」(要介護者が2人以上であれば20回)までしかモニタリングへの同席ができません。

 これを例えば「時間」単位で取得できれば、認知症の進行に合わせて、より多数回のモニタリングに、介護者である現役世代が同席することができ、必要な相談等を行うことが可能になるでしょう。こうした点を踏まえて、規制改革会議では「時間単位の介護休暇取得に向けた法令改正」を早急に行うよう要望しています。

40歳到達時に介護休暇・介護休業制度を詳しく周知し、利用を促進せよ

 
 また2点目は、介護休業制度の周知徹底です。

 家族介護と仕事を両立するための仕組みとして、前述した「介護休暇」制度とともに、「介護休業」制度があります。いずれも「育児・介護休業法」に規定されるもので、大枠は次のように整理できます。

【介護休暇】(育児・介護休業法第16条の5から第16条の7)
▽要介護状態にある家族の世話等のために、1年度の間に5労働日(要介護者が2人以上の場合は10労働日)を限度として休暇(有給休暇とは別に)を取得できる

【介護休業】(育児・介護休業法第11条から第16条)
▽要介護状態にある家族の介護等のために、1年度の間に通算で93日まで休業できる(3回までに分けて取得可能)

 前者の「介護休暇」は、いわばスポットで取得する短期間の休暇、後者の「介護休業は、比較的長期間の休暇というイメージです。
介護休暇・休業制度のあらまし(1)

介護休暇・休業制度のあらまし(2)
 
 この点、総務省の調査では、▼家族介護者の9割以上が介護休暇・介護休業のいずれも取得したことがない▼両制度を知っている人は42.2%にとどまる―など、制度が十分に国民に浸透していないことが伺えます(育児休業の浸透に比べて、介護休暇・介護休業の浸透度合いは薄い)。

 規制改革推進会議では「勤務先に介護休業制度があることを認識していた労働者の介護離職率は、認識がなかった者の約半分である」との研究結果(労働政策研究・研修機構)を踏まえ、両制度の認知度が100%になれば、介護離職率は現状の15.0%から「4割程度低下する」(つまり9%程度に抑えられる)のではないかと試算。

労働者が「介護保険の第2号被保険者」(つまり40歳到達)となった際に、「仕事と介護との両立支援制度」(上述の介護休暇・介護休業)に関する情報提供を行うよう関係機関に働きかけることが必要と提言しています。具体的には、▼介護休暇、介護休業を申請できる対象家族の範囲(事実婚を含む配偶者、父母、子供、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母)▼対象家族は必ずしも要介護認定を受けていなくともよいなどの要件▼IoTやセンサーを用いて介護負担を軽減する事例の紹介―などを行い、さらに「地域包括支援センター」が介護に関する相談窓口となっていること、などを広く、かつ分かりやすく労働者に周知することが必要でしょう。

 
 さらに、規制改革推進会議では、ケアマネへの情報提供や支援(セミナー開催や受講評価など)を行い、「就労している家族の勤務実態も踏まえたケアプラン」を作成できる環境も整備するよう提言しています。

 
 

 

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