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GemMed塾 看護モニタリング

ワルファリンとミコナゾールは併用禁忌、オプジーボに心筋炎などの副作用―厚労省

2016.10.21.(金)

 厚生労働省は18日、脳卒中治療などに用いる「ワルファリン」と、真菌症治療に用いる「ミコナゾール」について併用禁忌となりました。どちらか一方を投与する場合でも、患者が他方の医薬品を使用していないか十分に確認することが必要です。

 また、非小細胞肺がんやメラノーマ治療などに用いる画期的な抗がん剤のニボルマブ(オプジーボ)に、免疫性血小板減少性紫斑病、心筋炎、横紋筋融解症の副作用があることが分かったとして、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うよう、医療機関に注意を呼び掛けています。

ワルファリン投与中の患者、他の抗真菌薬についても慎重投与が必要

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは9の医薬品で、厚労省は製薬メーカーに対して「使用上の注意」を速やかに改訂するよう指示しています。9医薬品と、新たな「重大な副作用」などは次の通りです。臨床現場ではご留意ください。

(1)高脂血症用剤の「アトルバスタチンカルシウム水和物」(販売名:リピトール錠5mgほか)、「シンバスタチン」(販売名:リポバス錠5ほか)、「ピタバスタチンカルシウム水和物」(販売名:ピタバスタチンCa錠ほか)、「プラバスタチンナトリウム」(販売名:メバロチン錠5ほか)、「フルバスタチンナトリウム」(販売名:ローコール錠10mgほか)、「ロスバスタチンカルシウム」(販売名:クレストール錠5mgほか)

  ▽【重要な基本的注意】の項に、「近位筋脱力、CK(CPK)高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーが現れ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある」ことを追記する

  ▽新たな【重大な副作用】:免疫性壊死性ミオパチー

 

(2)高血圧治療薬と高コレステロール血症治療薬の配合剤である「アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物」(販売名:カデュエット配合錠4番ほか)

  ▽【重要な基本的注意】の項の(アトルバスタチン)に、「近位筋脱力、CK(CPK)高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーが現れ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある」ことを追記する

  ▽新たな【重大な副作用】(アトルバスタチン):免疫性壊死性ミオパチー

 

(3)脳卒中や心筋梗塞の治療において血管凝固阻止剤として用いる「ワルファリンカリウム」(販売名:ワーファリン錠1mg)

  ▽新たな【禁忌】:ミコナゾール(ゲル剤・注射剤)を投与中の患者

  ▽新たな【併用禁忌】:ミコナゾール(ゲル剤、注射剤)

 

(4)既存治療で効果不十分な尋常性乾癬と関節症性乾癬の治療に用いる「ウステキヌマブ(遺伝子組換え)」(販売名:ステラーラ皮下注45mgシリンジ)

  ▽新たな【重大な副作用】:間質性肺炎(咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカーなどの検査を実施する。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う)

 

(5)非小細胞肺がんやメラノーマに効果がある「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(販売名:オプジーボ)

  ▽【重要な基本的注意】の項に、「本剤投与終了後に重篤な副作用が現れることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行う」旨を追記する

  ▽新たな【重大な副作用】:免疫性血小板減少性紫斑病、心筋炎、横紋筋融解症(心電図異常、血中および尿中ミオグロビン上昇などの観察を十分に行うことが必要)

 

(6)MRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)感染症治療に用いる「ダプトマイシン」(販売名:キュビシン)

  ▽新たな【重大な副作用】:急性汎発性発疹性膿疱症

 

(7)抗真菌(カビ)薬である「ボリコナゾール」(販売名:ブイフェンド錠50mgほか)、「イトラコナゾール」(販売名:イトリゾール内用液1%ほか)、「フルコナゾール」(販売名:ジフルカンカプセル50mgほか)、「ホスフルコナゾール」(販売名:プロジフ静注液100ほか)

  ▽新たな【慎重投与】:ワルファリンを投与中の患者

  ▽【重要な基本的注意】の項に、「本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されている。あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は『プロトロンビン時間測定』および『トロンボテスト』の回数を増やすなど慎重に投与する」ことを追記

 

(8)A型、B型インフルエンザの治療に用いる「ペラミビル水和物」(販売名:ラピアクタ点滴静注液バイアル150mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:急性腎不全

 

(9)真菌症である白癬(水虫)やカンジダ症の治療に用いる「ミコナゾール」(販売名:フロリードゲル経口用)

  ▽新たな【禁忌】:ワルファリンカリウムを投与中の患者

  ▽新たな【併用禁忌】:ワルファリンカリウム

 
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