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新専門医制度、整備指針に地域医療への配慮がなされないなら、さらなる実施延期も―全自病・邉見会長

2016.12.8.(木)

 専門医制度の整備指針案は、今のところ、地域医療への配慮などが十分でない。こうした状態のまま進めようとするのであれば、新専門医制度の全面開始はさらなる延期を求めていく必要があるかもしれない―。

 全国自治体病院協議会の邉見公雄会長は、8日の記者会見でこのような考えを明らかにしました。

12月8日の定例記者会見に臨んだ、全国自治体病院協議会の邉見公雄会長

12月8日の定例記者会見に臨んだ、全国自治体病院協議会の邉見公雄会長

整備指針には地域医療への配慮が足らない、機構のガバナンスにも問題あり

 新たな専門医制度は、専門医の認定と養成プログラムの評価・認証を中立公正な第三者機関(日本専門医機構)で統一して行うもので、来年(2017年)4月から養成(研修)がスタートする予定でした。

 しかし、養成プログラムに参加する機関病院・連携施設のハードルが高いため、地域の医療現場などから「専門医を目指す若手医師が都市部や大学病院に集中するなどし、医師の地域偏在・診療科偏在が助長されてしまう」「専門医機構の運営などが不透明である」との強い批判が出されました(関連記事はこちら。そこで日本専門医機構は執行部を刷新。新執行部は、新たな制度に基づく専門医養成の全面スタートを1年延期し、その間にさまざまな課題を解決することとしていました(関連記事はこちらこちらこちら)。

 課題の1つとして、専門医制度の骨格とも言える「整備指針」の見直しがあげられますが、日本医師会の横倉横倉義武会長や全自病は、「地域医療への配慮を十分に行うべきである」とし、▼従来の学会認定制度の下で専門医を養成していた医療機関が専攻医の受け入れを希望する場合は、連携施設となれるようにする▼専攻医採用は、連携施設でも行えるようにする―といった7項目の改善要望を行っています(全自病では、声明と同内容の要望を機構に提出)。

 この点について、邉見会長は「専門医機構では、我々の要望を『全く受け入れられない』としているわけではないが、厳しいと感じている」とコメント。

 また、11月18日に開かれた機構の理事会に代理出席した中島豊爾副会長(岡山精神科医療センター理事長兼名誉院長)は、「理事会では整備指針案について了承手続きなどは得られていないにも関わらず、終了後の記者会見で吉村博邦理事から『概ね了承された』との発表があった。機構のガバナンスには依然として問題があるのではないか」と苦言を呈しています(関連記事はこちら)。

 

 さらに邉見会長は、「重要な制度改正であり、このまま(全自病らの要望が受け入れられず)進むのであれば、さらなる全面スタートの延期(中島副会長は6年程度かけ、徹底的に議論すべきと提案)を求めていくことも必要になるかもしれない」との考えも明らかにしています。

  
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