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2017年度、出来高病院経営支援ツール「JHAstis」の拡充を重点事業に―日病・堺会長

2017.3.27.(月)

 日本病院会は、来年度(2017年度)において、出来高病院経営支援ツール「JHAstis」の拡充や、次世代の病院管理者育成などを重点項目に位置付けた事業運営を行う。また総合診療医の育成を2018年度からスタートする方向で検討を進める―。

 日本病院会の堺常雄会長は、27日の定例記者会見でこうした事業計画案を明らかにしました。25日の予算理事会・社員総会で了承された内容です。

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次世代の「病院管理者」養成にも日病として力を注ぐ

 堺会長が明らかにした、日病の2017年度重点事業は次の8項目です。

(1)見える化の推進

(2)一般社団法人としての機能強化

(3)持続的な医療・介護の推進

(4)病院職員の人材育成

(5)医療の質と安全の推進

(6)国際活動

(7)医療関連団体との連携推進

(8)国際モダンホスピタルショウ、病院イノベーション展などへの取り組み

 

 このうち(1)の「見える化」は、堺会長が日病会長職に就任した7年前から鋭意進めている事業です。ニュース・雑誌・ホームページなどを充実させ会員との情報共有を進めるほか、2017年度には出来高病院経営支援ツール「JHAstis」の充実を重要事項の1つとして堺会長は強調しました。

 JHAstisは、日病の重点事業として2016年度からスタートしました。参加病院(現在は146施設)は、日病に「患者の個人情報などを匿名化したレセプトデータ」を提出。これをベンチマーク分析し、個々の参加病院の経営上の課題がどこにあるかのか、改善するためのポイントはどこにあるのかなどが、定期的にレポート形式で配信するサービスです。堺会長はJHAstisのポイントを(1)主要経営指標の分析と加算取得など経営指南書を毎月配信する「月次レポート」(2)他院とのベンチマーク分析など有益な分析情報を提供する「定期レポート」(3)回復期病棟ならではの切り口でデータ分析する「回復期レポート」(4)同時改定の重要論点と自病院の影響に絞って徹底解説する「臨時レポート」―の4つのレポートにあると説明。データ分析はグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)が担当しており、GHCの専門コンサルタントによる講演と、成功事例の共有など無料勉強会も開催します(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

 2017年度からは有料化(月額4万円予定)となりますが、レポートを活用し、たとえば2016年度診療報酬改定で大きく見直された退院支援加算1(一般病棟など)の算定回数を7回増やせば、十分にペイできる金額設定となっています。

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 また(3)の持続的な医療・介護推進では、▼医療計画策定に向けた取り組み▼税制の在り方についての検討▼2018年度同時改定に向けた取り組み―について、(7)にあるように他団体(日本医師会や他の病院団体)と協議・連携した提言を行っていくほか、さまざまな機会を活用した会員病院への支援なども行う構えです。医療計画や診療報酬改定では「病院・病床の機能分化・連携」が最重要項目にあげられますが、堺会長は「地域によっては病棟単位の機能分化があってもよいと思う」と述べ、日医などと議論を重ねていく考えを示しています。また機能分化・連携の1ツールとなる「地域医療連携推進法人」について、不適切なM&Aが進むという懸念はもちろんあるとした上で、「地域でゆるやかな統合を進め、人材育成などを進めることができる」と期待を寄せています。

 

 さらに(4)の人材育成では、▼総合診療医の育成▼専門医制度の推進▼次期病院管理者の育成―などに力を注ぐ方針です。このうち「総合診療医」は、これまでにも堺会長が提言している仕組みで、新専門医制度の下で進められている「総合診療専門医」とは異なり、例えば、すでに臨床現場で活躍している病院の勤務医が「より総合的な診療能力を持ちたい」と希望した場合などに、日病が他団体とも連携して研修を行う仕組みです。堺会長は「今年(2017年)6月にはプログラムを策定し、来年(2018年)4月から養成をスタートしたい」との意気込みを語っています(関連記事はこちら)。

 また堺会長は「日病では中堅職員の育成にはこれまでも力を入れてきたが、来年度(2017年度)には管理者養成にも力を入れる」とし、既に実施している「院長・副院長セミナー」とは別の養成プログラムをスタートさせたい考えです。

 

 なお(7)の他団体との連携について堺会長は、「現在は時期尚早」としながらも、「将来的には病院団体の統合に向けた議論をしていく必要があろう」との見解を示しています。

新専門医制度、抜本的な見直しになる可能性も

 ところで、新専門医制度については17日の日本専門医機構理事会で、制度の詳細を規定する「運用細則」が了承されましたが(機構のサイトはこちら)(関連記事はこちらこちら)、23日に予定されていた「社員総会での説明」はなされず、ストップがかかっています。

 新専門医制度は、運用細則を決めた後に、各基本領域で整備基準を定め、大学病院や地域基幹病院が専門医研修プラグラムを策定し、了承されれば、専攻医募集を開始。2018年度から研修がスタートする―といった流れになります。しかし、運用細則にストップがかかっているため、学会・病院関係者はもちろん、初期臨床研修を終え専門医資格取得を目指す若手医師には大きな戸惑いがあります。

 この点について堺会長は「個人的見解である」という前提を強調した上で、「各関係者が新専門医制度に対し、さまざまな考えをもっている。日本専門医機構も説明を行っているが、ピンポイントでの説明が必ずしも十分でなく、関係者が不安を覚え、それが積もって今回のストップにつながったのではないか」と分析。医師の教育・研修は生涯続きますが、堺会長は「文部科学省が所管する医学部教育、厚生労働省が所管する初期臨床研修、学会と機構が研修内容に責任を持つ新専門医制度(後期臨床研修)のそれぞれが連動しているかという疑問もあるのかもしれない。厚生労働省や塩崎恭久厚生労働大臣は抜本改革の必要性を感じているようだ。例えば検討会が厚労省に設置され、そこでの議論を待つことになるのかもしれない。そうなれば日病からも委員を参画させ、積極的に意見具申していくことになろう。現状は、2018年度スタートが遅れるかどうかというよりも、より大きな『抜本的な見直し』が行われるのかどうかの瀬戸際にあるのではないか」と見通しています。

  

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