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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

2017年度のDPC機能評価係数II、I群トップは東海大病院、II群は帯広厚生病院、III群は日立総合病院―厚労省

2017.4.3.(月)

2017年度からDPCのI群病院(大学病院本院群)が1病院増えて82病院となった。機能評価係数IIの最高は、I群では東海大学医学部付属病院(神奈川県)の0.0832、II群(大学病院本院に次ぐ病院群)ではJA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道)の0.0997、III群(その他病院群)では株式会社日立製作所日立総合病院(茨城県)の0.1032―。

厚生労働省が3月30日に告示した「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する件」から、こうした状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)(前年度の状況はこちら)。

機能評価係数IIのトップは、各群とも2016年度と同じ病院です。

I群の機能評価係数II、トップは東海大病院の0.0832、2位は岩手医大の0.0831

DPC制度では、全病院に共通のDPC点数表に基づく点数(日当点)に、医療機関ごとの係数(医療機関別係数)と入院日数を乗じて、包括範囲の収入を計算します。医療機関別係数は、(1)基礎係数(2)機能評価係数I(3)機能評価係数II(4)暫定調整係数—の和で計算されます。(1)の基礎係数と(4)の暫定調整係数は、2年に一度の診療報酬改定に合わせて設定され(2年間同一)、(2)の機能評価係数Iは、出来高の入院基本料等加算を係数化したものゆえ、極論すれば毎月変わります。一方、(3)の機能評価係数IIは、前々年10月から前年9月までの診療実績などをもとに、毎年度、見直されます。

2017年度について見てみると、まず大学病院本院で構成されるI群については、国際医療福祉大学病院(栃木県)が新たに加わり82病院となりました。

機能評価係数II(2017年度、以下同じ)は、2016年度の診療報酬改定で暫定調整係数からの置き換えが進んでいるため(現在、75%置き換え)、全体的に高い水準が保たれています。もっとも高いのは東海大学医学部付属病院(神奈川県)の0.0832(前年度から0.0014ポイント低下)、逆にもっとも低いのは大阪大学医学部付属病院(大阪府)の0.0041(同0.0003ポイント低下)です。

I群の機能評価係数IIのトップ3は、(1)東海大学医学部付属病院(神奈川県)の0.0832(2)岩手医科大学附属病院(岩手県)の0.0831(同0.0023ポイント増)(3)和歌山県立医科大学附属病院の0.0738(同0.0030ポイント低下)―となりました。トップ3病院は前年度と同じ顔ぶれです。

II群の機能評価係数II、トップは帯広厚生病院0.0997、2位は倉敷中央病院0.0924

次に、I群病院並みの高度な医療を提供していると評価されるII群については、前年度と同じく140病院が該当しています。

機能評価係数IIがもっとも高いのは、JA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道)での0.0997(同0.0012ポイント低下)、逆にもっとも低いのは兵庫県立西宮病院(兵庫県)の0.0453(同0.0047ポイント低下)です。

II群の機能評価係数IIのトップ3は、(1)JA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道)の0.0997(2)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県)の0.0924(同0.0008ポイント低下)(3)高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県)の0.0914(同0.0024ポイント上昇)―となりました。こちらもトップ3の顔ぶれは前年度と同じです。

III群の機能評価係数II、トップは日立総合病院0.1032、2位は太田記念病院0.0989

I群・II群以外の病院で構成されるIII群には、1442病院が該当しています。前年度より4病院減っており、国際医療福祉大学病院のI群への移行のほか、▼公益財団法人小千谷総合病院(新潟県、JA新潟厚生連魚沼病院と合併)▼伊藤病院(石川県)▼加古川東市民病院(兵庫県、加古川西市民病院と統合し加古川中央市民病院となった)―が削除されています。

機能評価係数IIがもっとも高いのは日立製作所日立総合病院(茨城県)の0.1032(同0.0013ポイント増)、逆にもっとも低いのは医療法人健康会くにもと病院(北海道)の0.0242(0.0011ポイント低下)です。

III群の機能評価係数IIのトップ3は、(1)日立製作所日立総合病院(茨城県)の0.1032(2)富士重工業健康保険組合太田記念病院(群馬県)の0.0989(同0.0048ポイント増)(3)総合病院土浦協同病院(茨城県)の0.0967(同0.0046ポイント低下)―となりました。

なおI群・II群とIII群では機能評価係数IIの計算方法が異なるため、また、医療機関別係数のベースとなる基礎係数が各群で異なるため、群分けせずに機能評価係数IIのみを並べて比較することに大きな意味はありません。
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