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2020 診療報酬改定セミナー 2020 診療報酬改定セミナー 運営会社 GLOBAL HEALTH CONSULTING

5月から夏にかけ一般病棟や退院支援を、秋から短期滞在手術やアウトカム評価などを議論—入院医療分科会

2017.4.27.(木)

 2018年度の診療報酬改定に向けて、▼5月から今夏にかけて一般病棟や地域包括ケア病棟、療養病棟、有床診療所、退院支援などについて▼今秋から一般病棟やICU、短期滞在手術、総合入院体制加算、救急医療管理加算、アウトカム評価などについて—検討していく—。

 27日に開催された診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」(入院医療分科会)では、このような大枠のスケジュールが確認されました。また、2017年度に行う入院医療等に関する調査の大枠も固めています。

4月27日に開催された、「平成29年度 第1回 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」

4月27日に開催された、「平成29年度 第1回 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」

入院医療の専門的な分析や技術的課題の検討などを、分科会で集中的に議論

 診療報酬改定に関する論議は、主に中央社会保険医療協議会の総会で議論しますが、入院医療については14年度の前々回改定から入院医療分科会で専門的な議論が行われています。もっとも、14年度改定では「実質的な改定の方針」まで固めましたが、16年度の前回改定から「専門的な調査・分析」と「技術的な課題に関する検討」を行うにとどめています。

 入院分科会では、2016年度改定後の入院医療の状況を2016年度・17年度の2回に分けて詳細な調査を行い、「入院医療の課題」「2016年度改定の影響・効果」などを分析し、中医協総会における議論の素材を固めます。

 厚労省は、中医協総会のスケジュールを睨み、入院分科会では次のように議論していく考えを示しました。

【5月から】2016年度調査結果速報をもとに、▼一般病棟入院基本料▼特定集中治療室管理料など▼地域包括ケア病棟入院料▼療養病棟入院基本料▼有床診療所入院基本料▼退院支援に係る評価—などを検討。中間まとめを親組織である中医協の診療報酬基本問題小委員会に報告する(中医協の第2ラウンド議論に間に合うように)

【今秋から】2017年度調査結果速報をもとに、▼一般病棟入院基本料▼特定集中治療室管理料など▼短期滞在手術等基本料▼総合入院体制加算▼救急医療管理加算▼食事療養費▼アウトカムに係る評価▼看取り—などを検討。最終まとめを診療報酬基本問題小委員会に報告する(中医協の第3ラウンド議論に間に合うように)

2018年度診療報酬改定に向けた、入院医療分科会の検討スケジュール

2018年度診療報酬改定に向けた、入院医療分科会の検討スケジュール

2016年度に実施した入院医療等調査、前回並みかやや低い3割程度の回収率

 前述のように、入院分科会では5月にも2016年度調査結果の速報値が報告されます。2016年度には、▼7対1・10対1病棟の状況▼13対1・15対1病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリ病棟の状況▼療養病棟の状況▼障害者施設などの状況▼有床診療所の状況—を調査しており、厚労省は3割程度の回収率であることを明らかにしました(関連記事はこちらこちら)。

2016年度の入院医療等調査の回収率は概ね3割程度にとどまる見込み

2016年度の入院医療等調査の回収率は概ね3割程度にとどまる見込み

 

 2014年度改定に向けた2012年度調査では概ね8.5-28.2%、2016年度改定に向けた2014年度調査では29.7-52.2%という回収率でしたので、「前回と同程度あるいはやや低い」と言えるのではないでしょうか。この点に関連して島弘志委員(社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院病院長)は、「回収率は調査の信頼性にもかかわる。日本病院会と全日本病院協会とで協力して回収率向上に取り組むことになった。回収率向上に向け厚労省も一緒にやっていければよい」とコメントしています。

 今後、厚労省内で調査結果の詳細な分析を行い、順次、入医療分科会で議論に供されます。

短期滞在手術や総合入院体制加算の状況を調べるが、DPCやNDBデータも活用

 27日の入院医療分科会では、2017年度調査の大枠も固めました。17年度には「改定の影響・効果が出るまでに比較的時間のかかる」次の4項目について調査が行われます。

(1)一般病棟入院基本料・特定集中治療室管理料における「重症度、医療・看護必要度」などの施設基準見直しの影響(その2)【2016年度調査でも詳しく調べている】

(2)短期滞在手術等基本料・総合入院体制加算の評価の在り方

(3)救急患者の状態を踏まえた救急医療管理加算などの評価の在り方

(4)療養病棟入院基本料などの慢性期入院医療における評価の見直しの影響(その2)【2016年度調査でも詳しく調べている】

2017年度の入院医療等調査の概要(その1)

2017年度の入院医療等調査の概要(その1)

 

 (1)(2)(3)の調査は、約2500の急性期病院(一般病棟入院基本料や特定集中治療室管理料などを届け出ている病院)を、(4)の調査は約1800の慢性期病院(療養病棟入院基本料を届け出ている病院)を対象に行います。

2017年度の入院医療等調査の概要(その2)

2017年度の入院医療等調査の概要(その2)

 

 具体的な調査内容を眺めてみると、▼病棟群による届け出状況▼病棟群による届け出をした、あるいはしない理由▼改定前後の入院基本料別病床数の変化▼総合入院加算の届け出状況と、満たすことが困難な要件▼救急搬送された患者数▼救急搬送されたが入院しなかった患者数▼外来患者に対する相談窓口の状況▼地域連携資料計画の使用状況▼ICU入室直前・入室中に手術をした患者へのリハビリ実施状況▼療養病棟から他の病棟や介護保険施設への転換意向やその理由—などを聞くことになります。

 2018年度改定の素材となる調査ですが、例えば短期滞在手術については「1・2・3それぞれの算定状況」などを聞くにとどめています。この点について石川広己委員(千葉県均等者医療協会理事長)は「患者の状態像などが見えない。詳しく調べるべきではないか」と質問。これに対し、厚労省保険局医療課の担当者は「DPCデータのEFファイルなどから、どのような診療行為を行ったかを把握できる」と述べ、他の調査を活用して明らかにできる部分を省き、調査協力者の負担をできるだけ軽くして、回収率向上を目指していることを説明しています。

 2016年度改定の附帯意見(いわば2018年度改定への申し送り事項)で、「広範な調査を行うが、同時にNDBデータなどを活用して効率化も図る」ことが確認されており、これに沿ったものと言え、短期滞在手術に限らず、他のデータを活用可能な調査項目はそぎ落とされています。

 

 また療養病棟((4)の調査)については看取りの状況なども調べますが、池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長)は、「特別養護老人ホームなどと異なり、療養病棟は看取りを前提に入院せず、結果として死亡退院、つまり看取りをする患者が少なくない。この場合、入院当初からの『看取りに関する承諾書』などは準備されておらず、単純に看取りの状況だけを調べ、数値化すると誤解を招く可能性もある。調査結果の分析方法などではこうした点の考慮も必要だ」と指摘。調査内容というよりも、調査結果の公表方法にも十分な配慮が必要との注文です。

病院の給食部門の収支、2004年以来の詳細な調査

 ところで2017年度には、入院医療等に関する調査と並行して▼病院の給食部門における収支の状況▼2016年度改定に伴う経腸栄養製品の使用および食材費などの状況—に関する調査も行われます。

 前者の「給食部門の収支」調査については、2004年にも行われた調査との比較も可能なように設計されます。介護保険事業収入のない約800施設を対象に、▽委託の状況▽入院時食事療養費や加算の状況▽費用の詳細—などを調べます。さらに、1%にあたる8施設程度において、「病院全体の光熱水費のうち、給食部門がどれだけの使用をしているか」という割合を見るための詳細調査も行われます。この点について筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)らは「急性期病院と慢性期病院では、給食部門における光熱水費使用に大きな違いがあると思う。ミスリードにならないよう配慮すべき」と指摘しており、今後、具体的な調査対象選定などで考慮される模様です。

 また後者の「経腸栄養製品」については、2016年度の前回改定で「流動食のみを経管栄養法で提供する場合」として、通常の入院時食事療養費よりも10%程度低く設定された(医薬品である経腸栄養製品との給付のバランスをとるため)ことの影響が調べられます(関連記事はこちら)。

2016年度の前回診療報酬改定で、経腸栄養製品については入院時食事療養費を1割程度引き下げた

2016年度の前回診療報酬改定で、経腸栄養製品については入院時食事療養費を1割程度引き下げた

 

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