小児鎮静下MRI撮影加算と乳幼児加算等は、いずれもMRI撮影の所定点数に加算―支払基金
2018.6.11.(月)
レセプト電算処理システムにおいて、【小児鎮静下MRI撮影加算】(E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)】(一連につき)の加算)を算定するレセプトにおいて、画像診断の【新生児加算】【乳幼児加算】【幼児加算】を同時に算定している場合、点数計算が正しく行われてないケースがある―。
社会保険診療報酬支払基金(支払基金)は6月5日に、こういった情報提供を行いました。レセプト電算処理システムを開発するベンダーはもちろん、医療機関においてもご留意ください(支払基金のサイトはこちら)。
レセプト電算処置システム等のロジックに誤り、支払基金で順次システム改修
支払基金では、レセプト電算処理システムの開発メーカーを主な対象として、請求システムの開発にとって重要な情報を、不定期に「レセ電通信」として伝達し、かつその内容を公表しています。
今般、同じレセプトの中で次の点数を併算定する場合、点数計算に誤りが生じるケースのあることが発見されました。
(1)【小児鎮静下MRI撮影加算】(E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)】の加算)
(2)画像診断の【新生児加算】、【乳幼児加算】、【幼児加算】(E002【撮影】、E100【シンチグラム(画像を伴うもの)】、E101【シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影(同一のラジオアイソトープを用いた一連の検査につき)】、E200【コンピューター断層撮影(CT撮影)(一連につき)】、E201【非放射性キセノン脳血流動態検査】、E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)】の加算)
(1)の【小児鎮静下MRI撮影加算】は、「1.5テスラ以上のMRI保有」「画像診断管理加算2・3取得」「小児救急医療体制の整備」といった要件を満たす医療機関において、15歳未満の小児に対して、麻酔を用いて鎮静を行い、1回に複数領域を一連でMRI撮影した場合に、E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)】の所定点数に80%を上乗せできるものです。
一方、(2)は、E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)】などを行うに際し、新生児、3歳未満の乳幼児、3歳以上6歳未満の幼児が対象の場合、それぞれ所定点数に80%(新生児加算)・50%(乳幼児加算)・30%(幼児加算)を上乗せできるものです。
例えば、2テスラのMRI装置を用いて、乳幼児に対して麻酔を用いて鎮静を行い、1回で複数領域の一連のMRI撮影を行った場合、(1)と(2)の加算をあわせて算定することができます。具体的には、次のような点数計算を行います。
▼E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)】:1600点
▼【小児鎮静下MRI撮影加算】:1280点(1600点×80%、上記(1))
▼【乳幼児加算】:800点(1600点×50%、上記(2))
→合計:3680点
これに対し、次のような誤った計算が行われてしまうケースがあります。また正しい計算が行われるものの「エラー」が表示されるケースもあるようです。
▼E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)】:1600点
▼【小児鎮静下MRI撮影加算】:1280点(1600点×80%、上記(1))
▼【乳幼児加算】:1440点({1600点+〔1600点×80%〕}×50%)
→合計:4320点
ここでは、【乳幼児加算】について、「MRI撮影の所定点数」に加算しなければならないところ、「MRIの所定点数+小児鎮静化MRI撮影加算」に加算してしまっています。
支払基金では、「オンライン請求システム・レセプト電算処理システムのプログラムを順次改修する」としていますが、改修の時期によってオンライン請求システムで不要なエラー表示が出る場合には「エラー分含む」の状態で請求確定をするよう要請しています。
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