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新型コロナ対策 症例Scope

電話・オンライン診療、不適切事例は一部あるが減少傾向、臨時特例措置を当面「継続」―オンライン診療指針見直し検討会

2021.3.30.(火)

新型コロナウイルス感染症に係る「電話・情報通信機器を用いた診療」の臨時特例措置を、当面「継続」する―。

厚生労働省は先ごろ「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を持ち回りで開催し、こういった方針を固めました(3月3日開催、3月26日に公表)。

昨年(2020年)10-12月の電話診療・オンライン診療の状況を見ると「一部に不適切事例が依然存在するが、徐々に減少している」ことなどが確認されています。構成員からは「大きな問題が生じる前に電話初診は廃止すべき」との指摘も出ており、今後、改めて検討することとなります。

発熱や胸痛を訴える患者に対し「対面診療の受診勧奨」は依然、一部にとどまる

新型コロナウイルス感染症対策の一環として、臨時特例的に「電話や情報通信機器(ビデオ通話システムなど)を用いた診療」が大幅に拡大されています。

新型コロナウイルスへの感染リスクを恐れ、医療機関を受診する人が大きく減少していることを踏まえ、「医療へのアクセスを最低限確保する」ことが狙いです。政府の規制改革推進会議の強い意向を踏まえ、「初診患者」、しかも「過去に一度も自院の受診歴がなく、他院からの診療情報提供もない患者」(以下、本稿では「完全初診」とする)に対する「電話・情報通信機器を用いた診療」まで認められています。

ただし初診患者へのオンライン診療では、「誤診や重症化の見落としなどのリスク」が高いことから、初診患者への「電話・情報通信機器を用いた診療」については、次のような留意点が厚労省から示されています。

▼初診から電話や情報通信機器を用いて診療を行うことが適していない症状や疾病等、生ずるおそれのある不利益、急病急変時の対応方針等について、医師から患者に対して十分な情報を提供し、説明した上で、その説明内容について診療録に記載すること

▼医師が地域における医療機関の連携の下で実効あるフォローアップを可能とするため、対面による診療が必要と判断される場合は、「電話や情報通信機器を用いた診療を実施した医療機関において速やかに対面による診療に移行」する、それが困難な場合は、「あらかじめ承諾を得た他の医療機関に速やかに紹介」する



さらに、完全初診患者では「誤診や重症化の見落としなどのリスク」が極めて強くなることから、次のような制限がかけられています。

(1)「麻薬」「向精神薬」の処方はできない
(2)「特に安全管理が必要な医薬品」(【薬剤管理指導料】の「1」の対象となる抗悪性腫瘍剤や免疫抑制剤等のハイリスク医薬品)の処方はできない
(3)処方日数は7日間を上限とする
(4)「完全初診患者に対する電話・情報通信機器を用いた診療」は、過去の受診歴とならない(「完全初診患者に対する電話・情報通信機器を用いた診療」を終えた後に、当該患者が再度、電話・情報通信機器を用いた診療を受けたとしても、(1)-(3)の縛りが継続する)



あわせて厚労省は、こうした電話・情報通信機器等を用いた臨時特例的な診療について、全症例を報告することを義務付け。その報告内容を集計・分析し、「原則として3か月ごとに検証する」こととしています(7-9月の状況に関する記事はこちら、4-6月の状況に関する記事はこちら)。

今般、10-12月分の診療状況が検討会に報告されました。実施件数は2020年6月以降、▼全体では月間1万6000-1万7000件▼初診は月間7000件前後―で推移し、大きな変化はありません。

▽全医療機関に占める「電話・オンライン診療の実施体制がある医療機関」の割合は15.1%(2021年1月末時点)、「初診から電話・オンライン診療を実施できる医療機関」の割合は6.39%(同)で、6月末から大きな増減はない

オンライン診療・電話診療の件数について、大きな変化はない(オンライン診療指針見直し検討会1 210303)



▽全医療機関に占める「初診から電話・オンライン診療を実施した医療機関」の割合は0.57%(2021年12月)、「完全初診患者に電話・オンライン診療を実施した医療機関」の割合は0.29%(同)で、2020年8月・9月から大きな変化はない

完全初診へのオンライン診療・電話診療割合に大きな変化はない(オンライン診療指針見直し検討会2 210303)



▽「電話・オンライン診療」に占める電話診療の割合は、▼4月:56.9%▼5月:56.0%▼6月:61.4%▼7月:73.3%▼8月:64.6%▼9月:72.9%▼10月:77.6%▼11月:73.1%▼12月:75.7%―で緩やかな増加傾向にある

電話診療のシェアは緩やかに増加している(オンライン診療指針見直し検討会3 210303)



▽年齢階級別の患者構成を見ると、電話診療・オンライン診療ともに「0-10歳」が約4割を占め、50歳以下が9割弱を占める(高齢者は少ない)

電話診療・オンライン診療ともに若年患者の利用が多い(オンライン診療指針見直し検討会4 210303)



▽主な疾患は、0-14歳では「上気道炎」と「気管支炎」で約半数を占める。15歳を過ぎるとバラエティに富でんくるが、「発熱」が2割程度で最多となる

小児では上気道炎等のオンライン・電話診療が多いが、成人では「発熱」が最も多い(オンライン診療指針見直し検討会5 210303)



▽完全初診の割合は、0-14歳では16%、65歳以上では29%にとどまるが、15-64歳では41%となる(前3か月に比べて完全初診割合は減少している)



▽特例措置の要件(上述の「初診からの麻薬・向精神薬処方の禁止」など)を守らないケースは徐々に減少しているが、依然として一部にある

不適切なオンライン診療・電話診療は徐々に減っているが、一部には存在する(オンライン診療指針見直し検討会6 210303)



また、「発熱」や「咳」など新型コロナウイルス感染症の兆候とも考えられる症状のある患者に対し、「対面診療の受診」勧奨を行うケースは、依然として「ごく一部」にとどまっており、大多数は「自宅待機」で済ませている状況も再確認されました。

あわせて「胸痛」や「頭痛」「血便」など、背後に重篤な疾患が隠れている可能性のある場合でも、電話・オンライン診療だけで済ませ、「対面診療の受診勧奨」を行うケースは限定的です。

発熱を訴える患者でも対面診療の受診勧奨は一部にとどまっている(オンライン診療指針見直し検討会7 210303)



また、「基礎疾患」を把握せずに多くの医療用医薬品が処方されている状況も再確認できます。

基礎疾患を把握せずに医薬品処方を行うケースが少なからずある(オンライン診療指針見直し検討会8 210303)



検討会では、不適切な電話診療・オンライン診療は一部あるものの、これらは減少しており、また「引き続き厳正に対処していく」点を確認。それを踏まえて、「電話診療・オンライン診療の特例措置について当面継続する」方針を決定しました。ただし、山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML)らは「情報量の少ない『電話での初診』については問題が生じるまえに廃止すべき」とのコメントを寄せています。今後の検討会で改めて議論される予定です。



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