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腎機能が低下し「血中GDF15」の濃度が上昇すると、高齢者の死亡リスクが2倍に高まる—都健康長寿医療センター研究所

2023.5.17.(水)

血中GDF15タンパク質濃度が高い高齢者は死亡リスクが高くなり、ここには「腎臓の機能低下」が一部関与している可能性がある—。

東京都健康長寿医療センター研究所が5月16日に公表した研究成果から、こうした点が明らかになりました(研究所のサイトはこちら)。

ミトコンドリアの機能障害→腎機能低下→GDF15の血中濃度上昇という流れの可能性

▼細胞内小器官の1つであるミトコンドリアに機能障害が起こると、細胞からGDF15タンパク質(growth differentiation factor 15)が多量に分泌されるや → ▼血液中のGDF15タンパク質が加齢に伴って増加する → ▼血中GDF15濃度が高い高齢者では死亡をはじめとする健康リスクが高まる—ことが海外研究で報告されています。

今般、都健康長寿医療センター研究所の藤田泰典研究員、新開省二研究員、大澤郁朗研究副部長らの研究グループは「日本人にもこの点が当てはまるのか」を研究しました。具体的には、群馬県草津町・埼玉県鳩山町に居住する65歳以上高齢者(1801人)を血中GDF15濃度に基づいて▼最低値群▼低値群▼高値群▼最高値群—の4つのグループに分け、5.7年間(中央値)の総死亡リスクなどを調査・分析。そこから、次のような状況が明らかになりました。

▽GDF15最高値群の死亡リスクは、最低値群よりも5.03倍高い

▽社会人口学的変数(年齢、性別、地域、学歴)・臨床的に重要な変数(既往歴、血液検査数値、老齢期うつ病評価度、認知機能評価スコア)で調整した場合でも、GDF15最高値群の死亡リスクは、最低値群よりも1.98 倍高い

▽腎臓機能の指標である「シスタチンC」または「β2-ミクログロブリン」の追加調整により、死亡リスクの統計的な有意水準が消失する



研究グループでは、これらの結果から▼血中GDF15濃度が高い高齢者は死亡リスクが高くなる▼ここには「腎臓の機能低下」が一部関与している可能性がある—と分析。「血中GDF15濃度」が健康リスクを評価できる新指標となる可能性があります。

また、腎機能低下には「ミトコンドリアの機能障害が関与している」とも予想し、この仮説に基づく研究を継続することえ「老化」「老化関連疾患」のメカニズム解明につなげられると期待しています。



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