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新専門医制度のサブスペ領域や総合診療専門医、きちんと議論尽くすべき―四病協

2016.9.28.(水)

 新専門医制度におけるサブスペシャリティ領域について、内科の13領域、外科の4領域以外の領域についてきちんと検討していく必要がある。総合診療専門医については、養成プログラムなどのハードルを上げすぎず、1年間議論をして良い制度にしていく必要がある―。

 28日に開かれた四病院団体協議会の総合部会で、こういった議論が行われたことが、部会修了後の記者会見で、日本病院会の堺常雄会長から明らかにされました。

9月28日の四病院団体協議会・総合部会終了後に、記者会見に臨んだ日本病院会の堺常雄会長

9月28日の四病院団体協議会・総合部会終了後に、記者会見に臨んだ日本病院会の堺常雄会長

総合診療専門医、「家庭医」と「病院で総合診療を提供する医師」の2タイプ

 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、新専門医制度については「来年(2017年)度からの一斉スタート」が1年見送られ、日本専門医機構の新執行部が新たに立ち上げた基本問題検討委員会で、例えば▼サブスペシャリティ領域▼総合診療専門医―などについて、改めて検討が行われることになりました(関連記事はこちらこちら)。

 サブスペシャリティ領域については、旧執行部で29領域とする方針が固められましたが、新執行部体制になってから「一度、立ち止まって考え直す」こととなり、現在、内科系の13領域【(1)消化器(2)循環器(3)呼吸器(4)神経(5)血液(6)内分泌・代謝(7)糖尿病(8)腎臓(9)肝臓(10)アレルギー(11)感染症(12)老年病(13)リウマチ】と、外科系の4領域【(1)消化器(2)呼吸器(3)小児(4)心臓】については、「基本領域に近いため、基本領域とサブスペシャリティ領域で連動した養成プログラムを学会で構築する(後に専門医機構の定めた方針に則っているのかを確認)」ことになっています(関連記事はこちら)。

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で構成される四病院団体協議会(四病協)でも、この問題について検討。細部領域まで含めると130程度の学会があるため、改めて専門医機構で「どの領域をサブスペシャリティ領域とするか」という議論がなされます。

 また新専門医制度の目玉の1つとも言える「総合診療専門医」については、従前から日病の堺会長が提唱しているように、「地域の家庭医」と「病院で総合診療に携わる医師」の2タイプがあることを四病協でも確認(関連記事はこちら)。すると、後者の「病院で総合診療に携わる医師」にとって、現在、検討されている総合診療専門医のハードルはやや厳しいのではないかという指摘も出ているようです。

 これまで、専門医機構では「総合診療専門医の到達目標」として、▼人間中心の医療・ケア(家族志向型医療・ケア、患者・家族との協働を促すコミュニケーションなど)▼包括的統合アプローチ(健康増進と疾病予防、継続的な医療・ケアなど)▼連携重視のマネジメント(医療機関連携および医療・介護連携、組織運営マネジメントなど)▼地域志向アプローチ(保健・医療・介護・福祉事業への参画、地域ニーズの把握とアプローチなど)▼公益に資する職業規範▼診療の場の多様性(外来、救急、病棟、在宅)―といったコアコンピテンシーを示していますが、「病院で総合診療に携わる医師」に、これらすべてを求めることは難しく、「少しハードルが厳しい」と考えられているようです(関連記事はこちら)。

 もっとも堺日病会長は、「時間をかければよい制度になる」と述べており、専門医機構でのこれからの議論に期待を寄せています。

医療資源投入量、絶対的な基準ではなく「ある程度の物差し」と理解すべき

 ところで現在、厚生労働省では2018年度からの新たな医療計画に向けて、基本方針策定論議を進めています。その中で「基準病床数にも、医療資源投入量の考え方を一部導入する」ことが検討テーマにあがっています(関連記事はこちら)。

 この点について堺日病会長は、「そもそも『患者像などを医療資源投入量だけで判断してよいのか』という問題があるが、基本方針策定までに時間がない。医療資源投入量は絶対的な基準ではなく、『ある程度の物差し』であるという理解をすべき」との見解を示しました。

 
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