2017年2月、有床診は7500施設を切り7485施設に、ベッド数は10万1697床に―医療施設動態調査(2017年2月)
2017.4.25.(火)
今年(2017年)1月末から2月末にかけて、病院の一般病床数は169床、療養病床は88床増加。有床診療所数は38施設減少し、7485施設となった―。
このような状況が、厚生労働省が24日に公表した医療施設動態調査(2017年2月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。
有床診、昨年(2016年)から月間27施設程度のペースで減少
厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています(前月の状況はこちら、前々月の状況はこちら、その前月の状況はこちら)。今年(2017年)2月末の医療施設総数は、全国で17万8814施設。前月に比べて2施設減少しました。「無床の一般診療所」はここしばらく減少していましたが、今回は33施設増加しました。
病院の施設数は、前月に比べて1施設減少し8440施設となりました。種類別に見ると、一般病院が7379施設(前月に比べて1施設増加)、精神科病院は1061施設(前月から増減なし)という状況です。一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3817施設で前月から2施設増加、地域医療支援病院は539施設で、前月から変化していません。
診療所のうち有床診は7485施設で、前月から38施設減少しました。2年前の2015年2月末には8248施設、1年前の2016年2月末には7811施設でしたので、2015年1月末から16年1月末までの1年間で617施設減、さらに17年1月末までの1年間で326施設減少しています。
また2016年以降の有床診施設数の推移を見ると、次のようになっています。
▼2016年1月末:7834施設
↓(23施設減)
▼2016年2月末:7811施設
↓(45施設減)
▼2016年3月末:7766施設
↓(26施設減)
▼2016年4月末:7740施設
↓(24施設減)
▼2016年5月末:7716施設
↓(18施設減)
▼2016年6月末:7698施設
↓(27施設減)
▼2016年7月末:7671施設
↓(15施設減)
▼2016年8月末:7656施設
↓(27施設減)
▼2016年9月末:7629施設
↓(24施設減)
▼2016年10月末:7605施設
↓(30施設減)
▼2016年11月末:7575施設
↓(25施設減)
▼2016年12月末:7550施設
↓(27施設減)
▼2017年1月末:7523施設
↓(38施設減)
▼2017年2月末:7485施設
暦月の減少数に多少のバラつきがありますが、昨年(2016年)以降、1か月当たり27施設弱のペースで減少しています。
地域包括ケアシステムで重要となる有床診だが、月330床弱のペースで減少
病床数に目を移すと、2017年2月末の全病床数は166万1934床で、前月から225床減少しました。このうち病院の病床数は156万171床で、前月に比べてちょうど223床増加しています。種類別に見ると、一般病床は前月から169床増加して89万1757床に、療養病床は85床増加して32万7522床となりました。一方、精神病床は前月に比べて13床の減少となっています。療養病床のベッド数の減少はひとまず、落ち着いた模様です。
有床診療所の病床数は、前月から448床減少して10万1697床となりました。2015年2月末には11万1076床、2016年2月末には10万5649床でしたので、2015年2月末から16年2月末までの1年間で5427床、続く17年2月末までの1年間で3952床減少しています。
また2016年以降の有床診のベッド数の推移を見ると、次のようになっています。
▼2016年1月末:10万5940床
↓(291床減)
▼2016年2月末:10万5649床
↓(422床減)
▼2016年3月末:10万5229床
↓(253床減)
▼2016年4月末:10万4974床
↓(322床減)
▼2016年5月末:104万652床
↓(254床減)
▼2016年6月末:10万4398床
↓(383床減)
▼2016年7月末:10万4015床
↓(229床減)
▼2016年8月末:10万3786床
↓(335床減)
▼2016年9月末:10万3451床
↓(347床減)
▼2016年10月末:103104床
↓(367床減)
▼2016年11月末:10万2737床
↓(287床減)
▼2016年12月末:10万2450床
↓(305床減)
▼2017年1月末:10万2145床
↓(448床減)
▼2017年2月末:10万1697床
昨年(2016年)以降、1か月当たり330床弱のペースで減少しています。
有床診療所は、地域包括ケアシステムの中で「かかりつけ医」機能と「後方病床」機能、さらに「在宅医療提供」機能を持つ、重要な医療施設です。厚労省は減少を止めるべく、2016年度の前回診療報酬改定での対応(関連記事はこちらとこちらや、2018年度からの次期医療計画に向けて設置要件の緩和などを行いますが(関連記事はこちら)、その効果が表れているとは言い難く、2018年度の次期診療報酬改定でどのような対応がとられるのか、今後の動きに注目する必要があります。
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