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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

有床診療所、前月に比べて施設数は25、ベッド数は287減少―医療施設動態調査(2016年12月)

2017.2.23.(木)

 昨年(2016年)11月末から12月末にかけて、病院の一般病床数は168床減少した一方で、療養病床は48床とわずかながら増加。また有床診療所数は25施設減少し、7550施設となった―。

 このような状況が、厚生労働省が22日に公表した医療施設動態調査(2016年12月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

有床診、昨年(2016年)は月間26施設程度のペースで減少

 厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています(関連記事はこちらこちらこちら)。昨年(2016年)12月末の医療施設総数は、全国で17万8946施設となり、前月に比べて77施設減少しました。これまで「無床の一般診療所」が増加を続けていましたが、11月末時点に比べて12施設減少、また歯科診療所は11月末から37施設も減少しています。

 病院の施設数は、前月に比べて3施設減少し8440施設となりました。種類別に見ると、一般病院が7379施設(前月に比べて3施設減少)、精神科病院は1061施設(前月から増減なし)という状況です。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3821施設で前月から変化なし、地域医療支援病院は538施設で、前月から1施設減少しています。

 診療所のうち有床診は7550施設で、前月から25施設減少しました。2年前の2014年12月末には8327施設、1年前の2015年12月末には7864施設でしたので、2014年12月末から15年12月末までの1年間で483施設減、さらに16年12月末までの1年間で314施設減少した計算です。

病院の一般病床は168床の減少、療養病床は48床の増加となった。有床診については、施設数・ベッド数ともに減少が続いている

病院の一般病床は168床の減少、療養病床は48床の増加となった。有床診については、施設数・ベッド数ともに減少が続いている

 

 また2016年に入ってからの有床診施設数の推移を見ると、次のようになっています。

▼2016年1月末:7834施設

 ↓(23施設減)

▼2016年2月末:7811施設

 ↓(45施設減)

▼2016年3月末:7766施設

 ↓(26施設減)

▼2016年4月末:7740施設

 ↓(24施設減)

▼2016年5月末:7716施設

 ↓(18施設減)

▼2016年6月末:7698施設

 ↓(27施設減)

▼2016年7月末:7671施設

 ↓(15施設減)

▼2016年8月末:7656施設

 ↓(27施設減)

▼2016年9月末:7629施設

 ↓(24施設減)

▼2016年10月末:7605施設

 ↓(30施設減)

▼2016年11月末:7575施設

 ↓(25施設減)

▼2016年12月末:7550施設

 暦月の減少数に多少のバラつきがありますが、昨年(2016年)は「1か月当たり26施設弱のペースで減少」していることが分かります。

有床診の減少踏まえ、中医協で「診療報酬上の対策」が診療側から要望される

 病床数に目を移すと、2016年12月末の全病床数は166万2567床で、前月から367床減少しました。このうち病院の病床数は156万48床で、前月に比べて80床の減少となっています。種類別に見ると、一般病床は前月から168床減少して89万1061床に、療養病床は逆に48床増加して32万7881床となりました。精神病床も前月に比べて36床増加しています。

 有床診療所の病床数は、前月から287床減少して10万2450床となりました。2014年12月末には11万1909床、2015年12月末には10万6294床でしたので、2014年12月末から15年12月末までの1年間で5615床、続く16年12月末までの1年間で3844床減少した計算です。

 

 このような状況を踏まえて、2月8日に開催された中央社会保険医療協議会では、診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)から「有床診療所の減少が続いており、地域医療の崩壊につながりかねない。診療報酬による手当てを行うべきではないか」との指摘がありました。これに対し厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、「有床診療所には、▽分娩を担当する施設▽単科の専門クリニック▽地域包括ケアシステムの拠点の役割を担う施設―などさまざまな機能がある。機能ごとに分析していく必要がある。2018年度の同時改定に向けて議論してほしい」と答弁しており(関連記事はこちら)、今後、有床診療所をテーマにした報酬論議に注目する必要があります。

病院の病床数は、大きなスパンで見て減少が続いていることが分かる

病院の病床数は、大きなスパンで見て減少が続いていることが分かる

療養病床のベッド数も緩やかな減少傾向が続いている

療養病床のベッド数も緩やかな減少傾向が続いている

  
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