一般病床数、療養病床数ともに3桁の減少―医療施設動態調査(2016年9月)
2016.11.30.(水)
今年(2016年)8月末から9月末にかけて、病院の一般病床数は162床、療養病床は197床減少。有床診療所数は27施設減少し、7629施設となった―。
このような状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。
有床診の施設数、徐々に減少ペースが鈍化しているように見えるが
厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています。今年(2016年)9月末の医療施設総数は、全国で17万8920施設となり、前月に比べて92施設増加しました。施設数増加の最大の要因は「無床の一般診療所」の増加で、8月末時点に比べて93施設増えています。また歯科診療所も33施設の増加となりました。
病院の施設数は、前月に比べて7施設減少し8442施設となりました。種類別に見ると、一般病院が7380施設(前月に比べて7施設減少)、精神科病院は1062施設(同増減なし)という状況です。
一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3827施設で、前月から4施設減少、地域医療支援病院は536施設で、前月から1施設増加しました。
診療所に目を移すと、有床診は7629施設で、前月から27施設減少しました。2年前の2014年9月末には8532施設、1年前の2015年9月末には7961施設であったことから、2014年9月末から2015年9月末の1年間で571施設減、2015年9月末から2016年9月末の1年間で332施設減少した計算です。
また2016年に入ってからの有床診施設数の推移を見てみると、次のようになっています。
▼2016年1月末:7834施設
↓(23施設減)
▼2016年2月末:7811施設
↓(45施設減)
▼2016年3月末:7766施設
↓(26施設減)
▼2016年4月末:7740施設
↓(24施設減)
▼2016年5月末:7716施設
↓(18施設減)
▼2016年6月末:7698施設
↓(27施設減)
▼2016年7月末:7671施設
↓(15施設減)
▼2016年8月末:7656施設
↓(27施設減)
▼2016年9月末:7629施設
徐々に有床診の減少ペースが鈍化しているようにも見えます。暦月の減少数にはやや幅があるため、前述のように「1年間の推移」など、比較的長いスパンで動向を見ていく必要があるでしょう。2018年度からスタートする第7次医療計画では、病床過剰地域において有床診が一般病床を届け出られる特例を拡大することになっています。こうした取り組みや、2016年度の診療報酬改定で減少スピードがどこまで鈍化するのか、今後の推移を見守る必要があります。
病院の一般病床は162床減、療養病床は197床減
病床数に目を向けると、2016年9月末の全病床数は166万4525床で、前月から840床減少しました。
このうち病院の病床数は156万1005床で、前月に比べて505床の減少です。種類別に見ると、一般病床は前月から162床減少して89万1398床に、療養病床は197床減少して32万8161床となりました。精神病床も前月に比べて128床減少しています。
有床診療所の病床数は前月から335床減少し、10万3451床となりました。2014年9月末には11万3919床、2015年9月末には10万7626床となり、2014年9月末から2015年9月末の1年間で6293床減、2015年9月末から2016年9月末の1年間で4175床減少したことになります。施設数と同様に減少ペースが落ちてきており、今後の動向に注目が集まります。
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