2016年以降、有床診は月間26施設・320床のペースで減少―医療施設動態調査(2017年1月)
2017.3.27.(月)
昨年(2016年)末から今年(2017年)1月末にかけて、病院の一般病床数は527床減少した一方で、療養病床は444床増加。有床診療所数は27施設減少し、7523施設となった―。
このような状況が、厚生労働省が24日に公表した医療施設動態調査(2017年1月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。
有床診、昨年(2016年)から月間26施設程度のペースで減少
厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています(前月の状況はこちら、前々月の状況はこちら)。今年(2017年)1月末の医療施設総数は、全国で17万8816施設。前月に比べて130施設減少しました。「無床の一般診療所」は従前、増加を続けていましたが、昨年末に比べて39施設減少、歯科診療所も昨年末から63施設減少しています。
病院の施設数は、前月に比べて1施設減少し8439施設となりました。種類別に見ると、一般病院が7378施設(前月に比べて1施設減少)、精神科病院は1061施設(前月から増減なし)という状況です。一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3815施設で前月から6施設減少、地域医療支援病院は539施設で、前月から1施設増加となりました。
診療所のうち有床診は7523施設で、前月から27施設減少しました。2年前の2015年1月末には8274施設、1年前の2016年1月末には7834施設でしたので、2015年1月末から16年1月末までの1年間で440施設減、さらに17年1月末までの1年間で311施設減少した格好です。
また2016年以降の有床診施設数の推移を見ると、次のようになっています。
▼2016年1月末:7834施設
↓(23施設減)
▼2016年2月末:7811施設
↓(45施設減)
▼2016年3月末:7766施設
↓(26施設減)
▼2016年4月末:7740施設
↓(24施設減)
▼2016年5月末:7716施設
↓(18施設減)
▼2016年6月末:7698施設
↓(27施設減)
▼2016年7月末:7671施設
↓(15施設減)
▼2016年8月末:7656施設
↓(27施設減)
▼2016年9月末:7629施設
↓(24施設減)
▼2016年10月末:7605施設
↓(30施設減)
▼2016年11月末:7575施設
↓(25施設減)
▼2016年12月末:7550施設
↓(27施設減)
▼2017年1月末:7523施設
暦月の減少数に多少のバラつきがありますが、昨年(2016年)以降、1か月当たり26施設弱のペースで減少しています。
地域包括ケアシステムで重要となる有床診病床、月320床弱のペースで減少
病床数に目を移すと、2017年1月末の全病床数は166万2159床で、前月から408床の減少となりました。このうち病院の病床数は155万9948床で、前月に比べてちょうど100床減少しています。種類別に見ると、一般病床は前月から527床増加して89万1588床に、療養病床は逆に444床減少して32万7437床となりました。精神病床も前月に比べて161床減少しています。継時的に見ると、療養病床のベッド数の減少ペースが速まっているように見えます。
有床診療所の病床数は、前月から305床減少して10万2145床となりました。2015年1月末には11万1363床、2016年1月末には10万5940床でしたので、2015年1月末から16年1月末までの1年間で5423床、続く17年1月末までの1年間で3795床減少しています。
また2016年以降の有床診のベッド数の推移を見ると、次のようになっています。
▼2016年1月末:10万5940床
↓(291床減)
▼2016年2月末:10万5649床
↓(422床減)
▼2016年3月末:10万5229床
↓(253床減)
▼2016年4月末:10万4974床
↓(322床減)
▼2016年5月末:104万652床
↓(254床減)
▼2016年6月末:10万4398床
↓(383床減)
▼2016年7月末:10万4015床
↓(229床減)
▼2016年8月末:10万3786床
↓(335床減)
▼2016年9月末:10万3451床
↓(347床減)
▼2016年10月末:103104床
↓(367床減)
▼2016年11月末:10万2737床
↓(287床減)
▼2016年12月末:10万2450床
↓(305床減)
▼2017年1月末:10万2145床
昨年(2016年)以降、1か月当たり320床弱のペースで減少しています。
有床診療所は、地域包括ケアシステムの中で「かかりつけ医」機能と「後方病床」機能、さらに場合によっては「在宅医療提供」機能を持つ、重要な医療施設です。厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、有床診療所には▼分娩を担当する施設▼単科の専門クリニック▼地域包括ケアシステムの拠点の役割を担う施設―などさまざまな機能があることを踏まえ、2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向け、機能ごとに分析し、減少への対応策を検討していく考えを示しています(関連記事はこちら)。
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