アデムパス投与で有害事象・死亡が多く、ワーファリンに難治性皮膚疾患の副作用―厚労省
2017.8.15.(火)
厚生労働省は4日、肺高血圧症治療薬の「リオシグアト」(販売名:アデムパス錠)を投与された患者では有害事象・死亡が多いことが判明したほか、血栓症治療薬の「ワルファリンカリウム」(販売名:ワーファリン錠ほか)では難治性皮膚疾患カルシフィラキシスの重大な副作用が見つかったことなどから、医療機関に注意を呼び掛けています(厚労省のサイトはこちら)。
今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の医療用医薬品で、厚労省は製薬メーカーに対して「使用上の注意」を速やかに改訂するよう指示しています。臨床現場で広く使われている医薬品もあり、十分な注意が求められます。
(1)慢性血栓塞栓性肺高血圧症や肺動脈性肺高血圧症の治療に用いる「リオシグアト」(販売名:アデムパス錠0.5mg、同1.0mg、同2.5mg)
▼【重要な基本的注意】に、「特発性間質性肺炎に伴う症候性肺高血圧症を対象とした国際共同試験で、本剤投与患者ではプラセボ投与患者に比べて重篤な有害事象・死亡が多く認められた。間質性肺病変を伴う肺動脈性肺高血圧症の患者に本剤を投与する場合は、間質性肺疾患治療に精通した専門医に相談するなど、リスクとベネフィットを考慮し、投与の可否を慎重に検討する」旨を追記する
(2)血栓症治療などに用いる「ワルファリンカリウム」(販売名:ワーファリン錠ほか)
▼新たな【重大な副作用】:カルシフィラキシス(周囲に有痛性紫斑を伴う有痛性皮膚潰瘍、皮下脂肪組織又は真皮の小―中動脈の石灰化を特徴とする難治性の皮膚疾患)が現れ、敗血症に至ることがある
(3)抗菌薬である「アジスロマイシン水和物(錠剤、小児用カプセル剤、小児用細粒剤、注射剤、成人用ドライシロップ剤)」(販売名:ジスロマック錠250mgほか)
▼新たな【重大な副作用】:急性汎発性発疹性膿疱症
(4)インフルエンザの治療・予防に用いる「ラニナミビルオクタン酸エステル水和物」(販売名:イナビル吸入粉末剤20mg)
▼新たな【重大な副作用】:気管支攣縮、呼吸困難
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