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胃潰瘍治療などに用いるポラプレジンク、銅欠乏症による汎血球減少や貧血の副作用―厚労省

2016.11.22.(火)

 厚生労働省は22日、胃潰瘍治療などに幅広く用いられている「ポラプレジンク」(プロマック顆粒ほか)について、銅欠乏症の副作用があり、栄養状態不良患者では▼汎血球減少▼貧血―などが発症するおそれがあるとして、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うよう、医療機関に注意を呼び掛けています。本剤は、臨床現場において胃潰瘍治療以外にも幅広く使用されているため、特段の留意が必要です。

糖尿病治療薬のネシーナ錠などには、類天疱瘡の副作用も

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは7つの医薬品で、厚労省は製薬メーカーに対して「使用上の注意」を速やかに改訂するよう指示しています。7医薬品と、新たな「重大な副作用」などは次の通りです。臨床現場ではご留意ください。

(1)胃潰瘍治療などに用いる「ポラプレジンク」(販売名:プロマック顆粒15%ほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:銅欠乏症(本剤に含まれる亜鉛により、銅の吸収が阻害され、栄養状態不良の患者で銅欠乏症に伴う汎血球減少や貧血が報告されている)

 

(2)外皮用の殺菌消毒剤である「ホルマリン」(販売名:ホルマリン「ヤマゼン」ほか)

  ▽新たな【禁忌】:(歯科領域の場合)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  ▽新たな【重大な副作用】:(歯科領域の場合)ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、血圧低下などの異常が認められた場合には適切な処置を行う)

 

(3)歯科用鎮痛鎮静剤・歯髄覆とう剤の「ホルマリン・グアヤコール」(販売名:ホルマリン・グアヤコールFG「ネオ」ほか)、「ホルマリン・クレゾール」(販売名:ホルマリン・クレゾールFG「ネオ」ほか)、「クレゾール・ホルマリン・チョウジ油・酸化亜鉛」(販売名:パルパック)

  ▽新たな【禁忌】:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  ▽新たな【重大な副作用】:ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、血圧低下などの異常が認められた場合には適切な処置を行う)

 

(4)痛風や高尿酸症治療に用いる「アロプリノール」(販売名:ザイロリック錠100、リボール細粒20%ほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:薬剤性過敏症症候群(初期症状として発疹、発熱が見られ、さらに▼リンパ節腫脹▼白血球増加▼好酸球増多▼異型リンパ球出現▼肝機能障害―などの臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがある。また、1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)を発症し、ケトアシドーシスに至った例も報告されている。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)などのウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害などの症状が再燃あるいは遷延化したり、脳炎などの中枢神経症状が現れることがある)

 

(5)糖尿病治療に用いる「アログリプチン安息香酸塩」(販売名:ネシーナ錠6.25mgほか)、「アログリプチン安息香酸塩・ピオグリタゾン塩酸塩」(販売名:リオベル配合錠LDほか)、「アログリプチン安息香酸塩・メトホルミン塩酸塩」(販売名:イニシンク配合錠)、「テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物」(販売名:テネリア錠20mg)、「リナグリプチン」(販売名:トラゼンタ錠5mg)

  ▽新たな【重大な副作用】:類天疱瘡(水疱、びらんなどが現れた場合には、皮膚科医と相談し、投与注視などの適切な処置を行う)

 

(6)悪性腫瘍による高カルシウム血症や多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変などに効能効果のある「ゾレドロン水和物」(販売名:ゾメタ点滴静注ほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、血圧低下などの異常が認められた場合には適切な処置を行う)

 

(7)単純疱疹や帯状疱疹の治療に用いる「ファムシクロビル」(販売名:ファムビル錠250mg)

  ▽新たな【慎重投与】:ファンコニー症候群(低リン血症、低カリウム血症、代謝性アシドーシスなどを主症状とする近位腎尿細管障害)

  
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