2017年6月の後発品割合70.9%、第1目標クリアするも深刻な伸び悩み―協会けんぽ
2017.10.16.(月)
主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が今年(2017年)6月時点で、前月に比べて0.2ポイント上昇し、70.9%(数量ベース、新指標)となった―。
こうした状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が10月12日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。
2016年1-6月は月当たり0.76ポイント増、17年は0.06ポイント増にとどまる
医療費が我々国民の負担能力を超えて増加することを防止するため、医療費の伸びそのものを抑える医療費適正化対策が進められています。その一環として「効果が同じで価格が安いジェネリック医薬品(後発品)」の使用促進が重視されており、政府は、▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2018年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする(塩崎恭久前厚生労働大臣は2020年9月と明言)(第2目標)―という2段階の目標値を設定しています。
協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、以前から「後発品に切り替えた場合には、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を個別加入者に宛てて発出しているほか、毎月の後発品使用割合を公表などしています。今年(2017年)6月の状況を見ると、数量ベースで70.9%(新指標、調剤分)となりました(関連記事はこちらとこちら)。
しかし、グラフから明らかなように、今年(2017年)に入ってから後発品使用割合の伸び悩みは深刻で(2016年1-6月には平均で1か月当たり0.76ポイント増加しているのに対し、2017年1-6月では平均してわずか0.06ポイントの増加にとどまっている)、第2目標の「80%以上」達成に向けて、これまで以上に効果的な対策の立案・実行が切望されています。
70%以上未クリアは12都府県、徳島では目標まで10ポイント足らず
協会けんぽ全体では第1目標についてクリアできています(調剤分)が、都道府県別に見ると大きなバラつきがあります。
今年(2017年)6月に後発品割合が低い(70%をクリアできていない)のは、▼徳島県:60.1%(前月から0.4ポイント増)▼山梨県:63.3%(同0.5ポイント増)▼高知県:65.1%(同0.1ポイント増)▼和歌山県:67.4%(同0.1ポイント増)▼大阪府:68.1%(同0.3ポイント増)▼香川県:68.2%(同0.5ポイント増)▼広島県:68.5%(同0.2ポイント増)▼京都府:68.6%(同0.3ポイント増)▼東京都:68.9%(同0.2ポイント増)▼大分県:69.1%(同0.2ポイント増)▼神奈川県:69.2%(同0.1ポイント増)▼茨城県:69.9%(同0.3ポイント増)—の12都府県です。いずれの自治体でも前月より後発品割合が増加していますが、徳島県では目標までおよそ10ポイント以上の開きがあり、さらなる取り組み強化が求められます。
なお、これらを除く35道県では70%以上の第1目標をクリアしており、沖縄県では81.8%となりました(同0.1ポイント増)。
また、主な薬効分類別に後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の78.2%(同0.2ポイント増)、去たん剤の74.6%(同増減なし)、消化性潰瘍用剤の66.5%(同増減なし)など、逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の6.2%(同3.2ポイント増)、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の11.2%(同0.3ポイント減)などとなっています。
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