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診療報酬改定セミナー2022 新型コロナ対策

診療情報提供等ない初診患者、「事前のオンライン相談等で情報把握」しオンライン診療可能とせよ―規制改革実施計画

2021.6.22.(火)

菅義偉内閣は6月18日に、「規制改革実施計画」も閣議決定しています(内閣府のサイトはこちら)。

医療・介護制度を中心に、大きな規制改革項目を眺めてみましょう。オンライン診療について、新たな提言などもなされており、注目を集めそうです。

「オンライン診療の診療報酬」を検討することも提言

医療分野における規制改革と言えば、まず「オンライン診療・オンライン服薬指導」でしょう。この点、次のような提言がなされました。

▽オンライン診療・服薬指導の時限的措置(初診からのオンライン診療など)について、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間、着実に実施する

▽オンライン診療の適正な実施、国民の医療へのアクセスの向上などを図り、地域においてオンライン診療が幅広く適正に実施されるよう「基本方針」を策定し、好事例の展開を進める(本年度(2021年度)から検討をはじめ、2022年度から順次実施する)

▽オンライン初診について、原則「かかりつけ医による実施」とし、ただし、かかりつけ医以外の医師が、あらかじめ▼診療録▼診療情報提供書▼地域医療ネットワーク▼健康診断結果—などの情報により「患者の状態が把握できる場合」も含むこととする。
かかりつけ医がいない患者や、上記情報を有さない患者については、医師が「初回のオンライン診療に先立って、別に設定した患者本人とのオンラインでのやりとりの中でこれまでの患者の医療履歴や基礎疾患、現在の状況等につき、適切な情報が把握でき、医師・患者双方がオンラインでの診療が可能であると判断し、相互に合意した場合にはオンライン診療を認める」方向で一定の要件を含む具体案を検討する。
その上で、対面診療との関係を考慮し、「診療報酬上の取り扱い」も含めて実施に向けた 取り組みを進める(本年度(2021年度)から検討をはじめ、2022年度から順次実施する)

▽オンライン服薬指導については、患者がオンライン診療・訪問診療を受診した場合に限定せず、薬剤師の判断により「初回からオンライン服薬指導」も可能とする。「介護施設等に居住する患者への実施に係る制約」は撤廃する。これらを踏まえ、オンライン服薬指導の診療報酬について検討する

▽「オンライン資格確認等システム」を基盤とした電子処方箋システムの運用を開始する とともに、薬剤の配送における品質保持等に係る考え方を明らかにし、一気通貫のオンラ イン医療の実現に向けて取り組む



「初診からのオンライン診療」の恒久化に関しては、すでに厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で、具体的な要件設定等に向けた議論が相当程度進んでおり、「患者の医学的状況を把握できる」か否かは、「現場医師の判断に委ねる」ことが妥当であるとの方向で共通認識ができつつあります(関連記事はこちらこちら)。

さらに今般、患者の医学的情報等がない場合でも、「事前に医師がオンライン相談等で医学的状況を把握する」仕組みが提言されており、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で詳細な検討が行われることになりそうです。

なお、診療報酬に関しては、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」の結論を待ち、中央社会保険医療協議会で議論することになります。この点、規制改革サイドからは「オンライン診療推進のために対面診療と同程度の点数にすべき」との指摘もなされています。しかし「オンライン診療では、対面診療に比べて得られる患者情報がはるかに少なくなり(触診などが不可)、対面診療と同等の『医療の質』を担保できるか」という課題があります。昨今の診療報酬改定では「効果に関するエビデンス」を重視しており、点数引き上げのためには、まず「こうしたデータの蓄積」を考えるべきでしょう。

また診療報酬引き上げを求める論者の中には、「オンライン診療を提供するためのシステム使用料などのコストがかかる」ことを掲げる人もおられます。しかし、厚労省ではオンライン診療のシステム利用料について、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる」(選定療養)ことは2018年度診療報酬改定の疑義解釈(その1)で明確にしており(厚労省のサイトはこちら)、まず「現行制度の確認」を十分に行う必要がありそうです。

医療・介護分野の生産性向上を目指し、ICT・Aiなどの技術導入を推進せよ

医療・介護分野では、「生産性向上」が重要なキーワードとなります。勤務医については2024年度から、他の医療従事者についてはすでに「働き方改革」を進める必要があり、あわせて質の高い地域医療提供を確保するためには「生産性向上」が必要不可欠なためです。また、介護分野では「人材確保」が難しい状態が「常態化」しており、ここでも1人当たりスタッフの生産性向上が必要不可欠となります。

この点、▼産業医の常駐・兼務条件緩和▼歯科技工業務の見直し(複数の歯科技工士による歯科技工所の共同開設を可能とするなど)▼介護分野の生産性向上(文書提出負担の軽減や、ケアプランの電子化、ICT・ロボット・Ai(人工知能)の活用など)—が提言されています。



また、患者が「最先端の医療技術」にアクセスしやすくなる環境を整備するために、▼プログラム医療機器開発促進のための「一元的な事務相談窓口」設置▼プログラム医療機器開発に向けたシーズの把握に受けた評価指標の作成(本年度(2021年度)中に検討し、結論をhttps://gemmed.ghc-j.com/wp-admin/tools.php得る)▼プログラム医療機器の勝因審査に係る専門組織を設置し、審査を柔軟に行うとともに、「診療報酬上の評価」の考え方を明確化する(同)▼プログラム医療機器を使用した医療技術について、保険外併用療養費の活用を促進する(同)▼Ai(人工知能)を活用した画像診断機器の性能評価における「匿名加工情報」活用の具体例を示す(本年度(2021年度)中に措置)▼診断用プログラム医療機器等の性能評価において「既存の医療画像データ」のみを利用する場合には、当該試験を「治験」として実施する必要ないことを明確化する(同)—といった考えを示しました。

これまでにないICTやAiなどの技術を活用した「革新的な医療技術」を、より迅速に患者に届けることが狙いです。もっとも、新規技術を過信しすぎるあまり、「誤診」などが生じては本末転倒であり、エビデンスに基づく適切なルールづくりに期待が集まります。

関連して、医療分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を促進するものとして、▼電子認証手段の見直し▼治験の仕組みの円滑化▼患者の医療情報アクセスの円滑化—が掲げられています。

このうち「医療情報へのアクセス」に関しては、▼診療情報開示について、オンラインでの請求申し立てが可能であることを明確化し、「診療情報の提供等に関する指針」への記載を検討する(本年度(2021年度)から検討し、結論を得次第、速やかに実施する)▼患者が電磁的記録での診療情報開示を受けられることを明確化し、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」へ記載する(同)▼診療情報開示に一定期間を要する場合には「請求者に一定の応答を行う」ことが望ましい旨を「診療情報の提供等に関する指針」に記載するなど、迅速開示に向けた方策を検討し結論を得る(本年度(2021年度)中に措置する)—ことを求めています。

また電子認証手段に関しては、本年度(2021年度)中に「電子署名の活用促進」に向けたガイドラインを作成し、処方箋などへの電子署名活用方法などを明らかにすることを求めています。



一方、医薬品・医療機器の柔軟かつ低コストな提供を可能にすることを目指し、▼一般用医薬品販売規制の見直し(オンラインによる販売の実現可能性を検討する)▼中古医療機器販売の円滑化▼単回使用医療機器再製造品(RSUD)の普及▼調剤業務の効率化(業務プロセスの在り方見直しを本年度(2021年度)から検討する)—ことも提言しています。安全性を確保したうえで、「低コスト」化を図ることは非常に重要な視点です。

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