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新型コロナ対策 症例Scope

初のリキッドバイオプシー(血液を検体とする遺伝子パネル検査)、保険診療で実施する際の留意点整理―厚労省

2021.8.4.(水)

血液を検体として簡便かつ迅速に、がん患者の複数の遺伝子変異を一括して検出する「遺伝子パネル検査」(いわゆるリキッドバイオプシー)が8月から保険適用されるが、診療報酬点数算定の留意事項を整理する―

厚生労働省は7月30日に通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を発出し、こうした点を明らかにしました。8月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

腫瘍の「包括的なゲノムプロファイル取得」を目的として実施する場合の考え方を整理

今回の通知では、次の3本の通知が改正されており、本稿では(A)に焦点を合わせます。
(A)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(2020年3月5日付、保医発0305第1号)
(B)特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について(2020年3月5日付、保医発0305第9号)
(C)特定診療報酬算定医療機器の定義等について(2020年3月5日付、保医発0305第11号)



Gem Medでもお伝えしたとおり、血液を検体として、鑑別かつ迅速に、がん患者の複数の遺伝子変異を一括して検出する「遺伝子パネル検査」(FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル)の保険適用が7月14日の中央社会保険医療協議会・総会で了承されました。

検査結果をもとに「最適な抗がん剤」を選択できる可能性もあり(現時点では10%程度の患者にとどまる)、極めて有用な検査手法です。

これを受け厚労省では、本検査を保険診療の中で実施する場合の留意事項を整理しています。

まず、本検査を、いわゆる「遺伝子パネル検査」として実施する(腫瘍の包括的なゲノムプロファイルを取得することを目的として実施する)場合には、D006-19【がんゲノムプロファイリング検査】の「1 検体提出時」(8000点)と「2 結果説明時」(4万8000点)を算定します。

新たに「血液を検体とする」ことが認められますが、「固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とする」ことが原則で、血液は次のように例外的に検体とすることが可能です。
(ア)医学的な理由で「固形腫瘍の腫瘍細胞を検体としてがんゲノムプロファイリング検査を行う」ことが困難な場合

この場合、「固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とした検査が実施困難である医学的な理由」を診療録・レセプトの摘要欄に記載する必要がある

(イ)固形腫瘍の腫瘍細胞を検体として実施したがんゲノムプロファイリング検査で、包括的なゲノムプロファイル結果を得られなかった場合

この場合、その旨を診療録・レセプトの摘要欄に記載する必要がある

なお、(イ)の場合には上記点数を2回算定することが可能です(通常は患者1人につき1階に限り算定可)。

特定の抗がん剤の効果を事前に判定する場合の考え方を整理

また本検査は、特定の抗がん剤の効果を事前判定する検査に用いることも可能です。この場合、検査目的に応じて次のように点数算定を行います。

▽非小細胞肺がん患者において「エヌトレクチニブ」(ロズリートレクカプセル)の投与が有効な「ROS1融合遺伝子」があるか否かの検査

D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」の「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」(2500点)を準用して、患者1人につき1回に限り算定する
(ア)本検査は、医学的な理由により、肺がんの組織を検体として、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」のうちの「肺がんにおけるROS1融合遺伝子検査」(解釈通知に規定)を行うことが困難な場合に算定できる
(イ)本検査の実施にあたっては、「肺がんの組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由」を診療録・レセプトの摘要欄に記載する
(ウ)本検査と、肺がんの組織を検体として、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」のうちの「肺がんにおけるROS1融合遺伝子検査」(解釈通知に規定)とを併せて行った場合は、主たるもののみ算定する



▽非小細胞肺がん患者において「アレクチニブ塩酸塩」(アレセンサカプセル)、「クリゾチニブ」(ザーコリカプセル)、セリチニブ(ジカディア錠)の投与が有効な「ALK融合遺伝子」があるか

D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」の「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」(2500点)を準用して、患者1人につき1回に限り算定する
(ア)本検査は、医学的な理由により、肺がんの組織を検体として、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」のうち「肺がんにおけるALK融合遺伝子検査」(解釈通知の規定)を行うことが困難な場合に算定できる
(イ)本検査の実施にあたっては、「肺がんの組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由」を診療録・レセプトの摘要欄に記載する
(ウ)本検査と、肺がんの組織を検体として、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」のうち「肺がんにおけるALK融合遺伝子検査」とを併せて行った場合には、主たるもののみ算定する

また、D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が容易なもの」の「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」について、▼肺癌におけるALK融合遺伝子検査(組織を検体とする)▼本ALK融合遺伝子検査(血液を検体とする次世代シーケンシング検査)▼N002【免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製】の「6 ALK融合タンパク」▼N005-2【ALK融合遺伝子標本作製】―を併せて行った場合には「主たるもののみ算定する」ことになります。



▽固形がん一般において「エヌトレクチニブ」(ロズリートレクカプセル)の投与が有効な「NTRL融合遺伝子」があるか

D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」(5000点)を準用して、患者1人につき1回に限り算定する。
(ア)本検査は、医学的な理由により、固形がんの組織を検体として、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」のうち「NTRK融合遺伝子検査」(解釈通知に規定)を行うことが困難な場合に算定できる
(イ)本検査の実施にあたっては、「固形がんの組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由」を診療録・レセプトの摘要欄に記載する
(ウ)本検査と、固形がんの組織を検体とした「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」のうち「NTRK融合遺伝子検査」とを併せて行った場合には、主たるもののみ算定する

また、卵巣がん、乳がん、膵がん、前立腺がんにおいて▼本NTRK融合遺伝子検査(血液を検体とする次世代シーケンシング検査)▼D006-18【BRCA1/2遺伝子検査】―を併せて行った場合には「主たるもののみ算定する」ことになります。



▽患者から1回に採取した血液を用いて肺がんに対して▼ALK融合遺伝子▼ROS1融合遺伝子▼EGFR遺伝子変異(血漿)―のいずれかを併せて行う

2項目の検査を行った場合には、D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「注1」の「イ 2項目」(4000 点)を、3項目の検査を行った場合には、同じく「ロ 3項目」(6000点)を準用して算定する



▽患者から1回に採取した血液を用いて肺がんに対して▼METex14遺伝子検査▼NTRK融合遺伝子検査―を併せて行う

D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「注2」の「イ 2項目」(8000点)を準用して算定する



▽非小細胞肺がん患者において「アファチニブマレイン酸塩」(ジオトリフ錠)、「エルロチニブ塩酸塩」(タルセバ錠)、「ゲフィチニブ」(イレッサ錠ほか)、「オシメルチニブメシル酸塩」(タグリッソ錠)の投与が有効な「活性型EGFR遺伝子変異」があるか
▽非小細胞肺がん患者において「オシメルチニブメシル酸塩」(タグリッソ錠)の投与が有効な「EGFRエクソン20T790M変異」があるか

D006-12【EGFR遺伝子検査(血漿)】(2100点)を算定する(【EGFR遺伝子検査(血漿)】の算定について、これまでの『リアルタイムPCR法』に加えて、新たに『次世代シーケンシング』により行う場合も可能とする)

【更新履歴】厚労省サイトへのリンクを付記しました。



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