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がんと診断されたときから手厚い緩和ケアを提供!ネット情報の中には「不正確で有害ながん情報」も少なくない!—がん対策推進協議会

2022.10.31.(月)

がんと診断された時点から、適切な緩和ケア提供・相談支援が受けられるような体制を整える—。

がん診療連携拠点病院など「以外」の病院でも緩和ケア提供を充実させる—。

がんに関する情報の中には「科学的根拠に基づかない」ものも少なくないことを国民に広く周知するとともに、国立がん研究センターや関係団体の「正しいがん情報」提供を充実していく—。

10月27日に開催されたがん対策推進協議会(以下、協議会)で、こういった議論が行われました。

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我が国のがん対策は、6年を1期とする「がん対策推進基本計画」をベースに進められます。2024年度から、新たな「第4期がん対策基本計画」がスタートするため、協議会は「年内(2022年12月まで)の意見とりまとめ」に向けて、非常にタイトな日程の中で精力的な議論を進めています。

【これまでの協議会論議に関する記事】
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10月27日の協議会では、▼緩和ケア▼相談支援・情報提供▼社会連携▼サバイバーシップ支援▼ライフステージに応じたがん対策—を内容とする「がんとの共生」を議題としました。下部組織である「がんとの共生のあり方に関する検討会」「がん緩和ケアに係る部会」の議論や、これまでに委員から出されている意見を踏まえ、厚生労働省から「検討の視点」が示されました(関連記事はこちら)。

まず「緩和ケア」については、次のような視点が提示されています。がんと診断された時点で、ほとんどの患者が「極めて強い精神的ストレス」に晒されます。「がんと診断された日に、どのように病院を出て、どのように家に帰ってきたか覚えていない」という声には枚挙に暇がありません。このため診断時からの適切な緩和ケア実施が強く求められているのです。診断時から緩和ケアを行うために人材の確保を進め、あわせて、がん診療連携拠点病院以外での緩和ケア推進も大きな課題となっています。

(1) 緩和ケアについて、基本的には「がんとの共生」分野において記載するが、緩和ケア提供体制を一層整備するために「がん医療の充実」分野においても、緩和ケアの提供等に係る記載を加える

(2) すべてのがん患者に対して入院、外来を問わず▼身体的苦痛▼精神心理的苦痛▼社会的な問題—などの把握、および適切な対応を「診断時から」一貫して経時的に行われるよう、拠点病院等を中心に地域の実情に応じた取り組みを進める

(3) 緩和ケア提供体制の実態把握を進めるため、患者体験調査・遺族調査等を継続実施し、「診断時から適切な緩和ケアが提供される提供体制」を検討する

(4) がん医療に携わる全ての医療従事者が基本的な緩和ケアを実施でき、知識や技能を維持・向上できるよう、関係団体等と連携し、▼緩和ケア研修会の学習内容▼フォローアップ研修—などを検討する

(5) 緩和ケアに関する正しい知識やその必要性等を普及させるため、関係学会等と連携し国民に対する普及啓発を引き続き推進する

(6) 拠点病院等「以外」の医療機関における緩和ケアの充実の観点から、実態や課題等について把握を行う

(7) 拠点病院等については入院だけでなく「外来等における充実」に向けた検討を進める

(8) 評価は、引き続き、患者体験調査、遺族調査等を用いつつ、必要に応じて現況報告書等も活用する



こうした方向に異論は出ていませんが、委員からは▼緩和ケア提供についての「地域連携ネットワーク」が極めて重要である(黒瀬厳委員:日本医師会常任理事)▼とりわけ「精神・心理的ケア」の充実を図るため、人材育成を強化すべき(久村和穂委員:金沢医科大学医学部公衆衛生学非常勤講師、石川県がん安心生活サポートハウスソーシャルワーカー、日本サイコオンコロジー学会代議員)▼緩和ケアがすべての患者に、診断時から「自動的に」届くような仕組みを構築していくべき(谷島雄一郎委員:ダカラコソクリエイト発起人・世話人/カラクリLab.代表)▼緩和ケアの状況を各病院にフィードバックすることで、緩和ケアの質向上を図るべき(谷口栄作委員:島根県健康福祉部医療統括監)▼拠点病院「以外」の緩和ケア提供を充実すべき(小原眞知子委員:日本社会事業大学社会福祉学部教授、日本医療ソーシャルワーカー協会副会長)▼一般医療者が「何をすればよいのか」が明確に判断できるよう、シンプルな内容を「がん医療」部分に記載すべき(石岡千加史委員:東北大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野教授、東北大学病院腫瘍内科長、日本臨床腫瘍学会理事長)▼緩和ケア専門医と一般医療者とのギャップを少しでも埋めるような取り組みを進めるべき(土岐祐一郎会長:大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学教授、日本癌治療学会理事長)—などの建設的提案が出ています。



また、相談支援・情報提供に関しては、次のような視点が示されました。

▽効率的・効果的な相談支援体制を構築する観点から、多様化・複雑化する相談支援のニーズに対応できるよう、質の高い相談支援体制の確保とともに、持続可能な相談支援体制のあり方等について検討する

▽がん相談支援センターやピア・サポートに関する認知度を向上させるため、 拠点病院等を中心に、患者・家族等へ適時に周知することに引き続き取り組む

▽がん相談員研修やピア・サポート育成事業等について、引き続き関係団体等と連携し取 り組む

▽必要な患者・家族等へ相談支援体制のアクセス改善の観点から、オンラインなどの活用を検討する

▽「情報の均てん化」に向けて、患者・家族等が必要な時に正しい情報を入手し、適切な医療・生活等に関する選択ができるよう、そのニーズや課題等について把握を進め、適切な情報提供のあり方について検討する

▽インターネット等での情報提供について「科学的根拠に基づいているとは言えない」ものもあることを国民に注意喚起等し、引き続き、国立がん研究センターや関係団体等と連携して正しい情報の普及に取り組む

▽障害等によりコミュニケーションに配慮が必要な者、日本語を母国語としない者の情報や医療へのアクセスを確保するために、現状及び課題等を把握し、提供体制のあり方について検討する

▽評価については、引き続き、患者体験調査等を用いる



こうした方向も異論は出ていません。委員からは「相談支援センターの機能・人員充実」「国民への正しい情報提供」を強力に推進することを強く求める声が多数でています。患者・家族の相談ニーズは極めて多様化しており、相談支援センターに「すべての患者が一度は訪れる」状況が実現した場合、センタースタッフの負担は極めて大きくなります。このため「人員増加」や「ボランティア、ガンナビゲーターなどの活用と役割分担」が非常に重要な視点になってきます(関連記事はこちら)。



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