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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

2018年度改定に向け、看護師の夜勤時間の変化や地域包括診療料の算定状況など調査―中医協総会

2016.9.28.(水)

 2018年度の次期診療報酬・介護報酬同時改定に向けた基礎資料を得るために、「チーム医療」や「在宅医療・訪問看護」について今般の2016年度改定の効果・影響を調べる。とくに「チーム医療」については、夜間における看護職と看護補助者の配置人数や夜勤専従者数、さらに夜勤時間の変化などを詳細に調査する―。

 こういった方針の下に設計された、2016年度改定の結果検証特別調査の調査票案が、28日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で概ね了承されました(関連記事はこちら)。

 10-12月に調査を実施し、年明けの1月から3月にかけて順次、調査結果が厚生労働省から報告されます。

9月28日に開催された、「第336回 中央社会保険医療協議会 総会」

9月28日に開催された、「第336回 中央社会保険医療協議会 総会」

2016年度改定の効果・影響、16年度に5項目、17年度に4項目に分けて調査

 診療報酬改定は2年に一度行われますが、それぞれが全く別個というわけではなく、「前回の改定の効果・影響を踏まえて、次の改定内容を検討する」という具合に、一定の関連を持っています。このため、前回改定の効果・影響に関する調査が、改定後に行われます。

 また2016年度の診療報酬改定では、例えば一般病棟用の重症度、医療・看護必要度や在宅医療の報酬体系など、大きな見直しが行われました。そこで中医協総会では、改定内容を了承(答申)すると同時に、例えば「チーム医療が思うように推進されているかなどを調査せよ」といった、いわば次期改定への宿題事項である「附帯意見」を示しています。

 5月18日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響を調べるために9つの調査項目を固め、2016年度には次の5項目について調査を行う5月18日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響を調べるために9つの調査項目を固め、2016年度には次の5項目について調査を行うことになっています。

(1)夜間の看護要員配置における要件などの見直しの影響、および医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況

(2)かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価などの影響、および紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況

(3)重症度や居住形態に応じた評価の影響などを含む在宅医療・訪問看護の実施状況

(4)精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進などを含む精神医療の実施状況

(5)後発医薬品の使用促進策の影響、および実施状況

 

 28日の中医協総会には、この5項目について具体的な調査票案が提示され、概ね了承されました。

 (1)のチーム医療については、2016年度改定で▽医師事務作業補助体制加算の充実▼看護補助者の配置に関する評価▽ICUへの薬剤師配置の評価▽栄養サポートチームにおける歯科医師との連携の評価▽入院基本料の施設基準である看護師の月平均夜勤時間の計算方法見直し―などが行われました(関連記事はこちら【こちらこちら)。

 これらの影響を見るため、厚労省は▼病棟に配置されている看護職員・看護補助者それぞれの人数や夜勤専従者の人数▼夜勤の状況(回数、長さ、受け持ち患者数、シフトの組み方など)の変化▼病棟における夜勤時間数別の看護職員の人数▼医師負担軽減に向けた取り組み▼看護職員の個別業務とその「負担感」―などを詳しく調べることにしています。

夜勤時間数別の看護職員数を詳細に調査する

夜勤時間数別の看護職員数を詳細に調査する

看護職員の平均勤務時間や夜勤の状況(平均、最大、最小)も詳しく調べる

看護職員の平均勤務時間や夜勤の状況(平均、最大、最小)も詳しく調べる

夜勤の状況については、交代勤務制などと絡めて詳細に調査する

夜勤の状況については、交代勤務制などと絡めて詳細に調査する

2016年度改定で夜勤の状況がどう変化したか、また勤務時間全般について調査する

2016年度改定で夜勤の状況がどう変化したか、また勤務時間全般について調査する

 

 また(2)では、2016年度改定において「かかりつけの医師、歯科医師、薬剤師などの評価」(地域包括診療料の施設基準緩和や認知症地域包括診療料・小児かかりつけ診療料の創設など)を行ったほか、大病院(特定機能病院、一般病床500床以上の地域医療支援病院)における紹介状なしの外来患者への特別な定額負担(初診時5000円以上、再診時2500円以上)の導入などを行いました(関連記事はこちらこちら)。

 そこで、今般の特別調査では▼地域包括診療料などの算定状況(算定していない場合にはその理由も含めて)▼地域包括診療料算定患者の状況(疾患、出来高算定となる500点以上の画像診断などの有無、内服薬数など)▼小児かかりつけ診療料への取り組み状況(患者が同意しない場合にはその理由も含めて)▼定額負担の実施状況(導入・金額変更で困ったことなども含めて)▼200床以上の病院で徴収可能な紹介状なし患者の特別負担の状況―などを詳細に調べる考えです。

地域包括診療料などの算定患者について、その状態を詳しく把握する

地域包括診療料などの算定患者について、その状態を詳しく把握する

 

 さらに(3)の在宅医療については、2016年度改定で▽重症患者の評価を充実する▽同一施設の居住する患者への訪問診療について「同一日に複数」という設定方法を見直す▽在宅時総合医学管理料(在総管)などを月1回の訪問でも算定可能とする▽機能強化型訪問看護ステーションなどについて、要件に「小児患者への対応」などを加味する―など、大幅な報酬体系の見直しが行われました(関連記事はこちらこちら)。

 これらを踏まえ、今般の特別調査では▼訪問診療を実施した患者の状況(要介護度、認知症の状況、精神疾患の有無、医師が実施した診療内容、医師以外の職種が実施している医療内容など)▼訪問看護ステーションと他の医療機関などとの連携状況―などが調べられます。

在宅患者(訪問診療を行っている患者など)について、詳しく状況を把握する

在宅患者(訪問診療を行っている患者など)について、詳しく状況を把握する

 

 また(5)の後発品の使用状況は、毎年度調査されているもので、従前の調査に倣って▼後発品の使用量▼使用促進に向けた課題と解決策―などを調べるほか、診療所について「有床・無床の別」「院外処方率が5%以上か否か」でケース分けして、後発品促進に向けた方策を探ります。

 この点について支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会副会長)は、「特別調査は2018年度改定を射程に入れているが、政府は2017年央に後発品割合を数量ベースで70%以上にするとの目標を立てており、目標達成が当面の重要課題となる。すると、2017年4月頃に調査結果が示されたとして、そこから対策を取るのでは遅すぎるのではないか」との旨を指摘。厚労省保険局医療課医療保険医療企画調査室の矢田貝泰之室長は、「報告は2017年1から3月と幅を設けており、後発品使用状況の結果は早めに報告する」と答弁しています。早ければ、年明け早々にも速報値が示される見込みです。

 
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