一般病床、1年前と比べて平均在院日数の短縮と病床利用率改善を同時に達成―病院報告、16年8月分
2016.12.14.(水)
今年(2016年)8月において、一般病床の平均在院日数は前年同月に比べて0.5日短縮し、同時に病床利用率は同じく1.8ポイント向上し74.6%になった―。
このような況が、12日に厚生労働省が発表した2016年8月分の病院報告から明らかになりました(関連記事はこちらとこちら)。
メディ・ウォッチでも繰り返しお伝えしていますが、病院経営において「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」を同時に達成することが重要であり、今般の結果からは、この方向に進んでいるように見えます。今後の状況を見守る必要がありそうです。
1年前と比べ、平均在院日数は0.5日短縮、病床利用率は1.8ポイント改善
厚労省は毎月、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―を集計し、「病院報告」として公表しています。
(1)の1日平均患者数は、病院全体では入院125万 433人(前月比2940人・0.2%増)、外来136万5046人(同3万1165人、2.3%増)で、入院・外来とも増加となりました。
病院の一般病床に注目すると、入院患者数は66万8095人で、前月に比べて1557人・0.2%増加しました。また病院の療養病床については、入院患者数は28万9778人で、前月に比べて410人・0.1%の微増となりました。
(2)の平均在院日数については、病院全体では27.7日で、前月から0.8日の短縮となりました。病院の病床種別に見ると、▽一般病床15.7日(前月比0.4日短縮)▽療養病床152.6日(同7.1日短縮)▽介護療養病床313.6日(同29.3日短縮)▽精神病床265.4日(同6.5日短縮)▽結核病床65.9日(同2.8日短縮)―となり、すべての病院および診療所の病床種別で平均在院日数が短縮しました。
「2016年度診療報酬改定の経過措置」(重症度、医療・看護必要度を満たす患者割合について)が9月で切れるため、退院支援などに本腰を入れ始めたとも考えられます。今後の状況に注目する必要があります。
(3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では79.7%で、前月に比べて2.0ポイント向上しました。病院の病床種別に見ると、▽一般病床74.6%(前月から3.4ポイント上昇)▽療養病床87.9%(同0.1ポイント上昇)▽介護療養病床91.4%(同変動なし)▽精神病床86.4%(同変動なし)▽結核病床35.1%(同0.9ポイント上昇)―という状況です。
ところで、一般病床の平均在院日数は1年前の2015年8月には16.2日であり、1年間で0.5日短縮したことになります。一方、病床利用率は1年前の2015年8月には72.8%でしたので、1年間で1.8ポイント上昇した格好です。
メディ・ウォッチで繰り返しお伝えしていますが、病院経営において「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の上昇」を同時に達成することが極めて重要です。この点、2016年8月には、1年前と比べて両者を達成できている状況が伺えます。もちろん、平均在院日数や病床利用率は暦月による変動もあるため、長期的に見ていく必要がありますが、病床の機能分化や連携などが功を奏してきている可能性が伺えます。
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