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聴覚障害者に対するオンライン診療、「手話通訳者」などの参画が可能―厚労省

2020.9.10.(木)

聴覚障害者に対するオンライン診療において、「手話通訳者」などのオンライン診療支援者が同席したり、遠隔で参加することに問題はない—。

厚生労働省は8月24日に事務連絡「オンライン診療に手話通訳者等が参加する場合の取扱いについて」を示し、こうした点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。

手話通訳者等が参加する場合、事前に医師にその旨を伝えて了承を得ることなどが必要

スマートフォンなどの情報通信機器を活用したオンライン診療については、2018年度の診療報酬改定で【オンライン診療料】【オンライン医学管理料】等が新設されたこと、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、その有用性が広く国民に認知されたことなどから、今後、普及・拡大が予想されます。

一方で、「患者情報の漏えい等防止策は十分か」「本来、対面でなすべき診療をオンラインで行っていないか」「対面診療と比べて医師側が得られる情報は極めて限られており、誤診や見落としなどの心配はないのか」といった疑問点も出ており、厚労省は2018年3月末に、オンライン診療を安全かつ適切に実施するための指針(オンライン診療の適切な実施に関する指針)を取りまとめました(昨年(2019年)7月に医療現場や患者の声を踏まえた一部修正が行われている)。

そこでは、▼本指針は、保険診療はもとより、自由診療分野でも遵守しなければならない▼診療の原則は「患者と医師が対面して行う」ものであり、原則としてオンライン診療を初診で行うことは認められない(緊急の場合等の例外あり)▼オンライン診療は対面診療と組み合わせ、計画的に実施されなければならない▼患者にオンライン診療の限界を十分に説明し、同意を得なければならない―ことなどが規定されています(関連記事はこちらこちらこちら)。

また指針には、患者のプライバシー等に配慮するために次のような規定も置かれています。

▼第三者に患者の心身の状態に関する情報の伝わることのないよう、医師は物理的に外部から隔離される空間においてオンライン診療を行わなければならない

▼患者の所在が医療提供施設であるか居宅等であるかにかかわらず、第三者に患者に関する個人情報・医療情報が伝わることのないよう、患者のプライバシーに十分配慮された環境でオンライン診療が行われるべきである

▼医師がいる空間に診療に関わっていない者がいるかを示し、また、患者がいる空間に第三者がいないか確認する(ただし、患者がいる空間に家族等やオンライン診療支援者がいることを医師・患者が同意している場合を除く)



ところで、聴覚障害者がオンライン診療を利用しようと考えたとき、こうした規定がネックになります。手話通訳者を「第三者」と考えれば、医療機関側・患者側のいずれにも同席することができなくなってしまうのです。

これでは、聴覚障碍者は事実上「オンライン診療を受けることはできない」となりかねません。そこで厚労省は、8月6日の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」の議論を踏まえ、今般の事務連絡で、▼手話通訳者などのオンライン診療を支援する者は、これらの「第三者」に含まれず、手話通訳者等は、オンライン診療に参加して差し支えない▼この取り扱いは「手話通訳者等が遠隔からオンライン診療に参加する場合」も同様である—ことを明確にしました。

例えば、「医師側の手話通訳者が同席する」「患者側の手話通訳者が同席する」「手話通訳者が遠隔でオンライン診療に参加する」のいずれのケースでも、手話通訳者による支援が行えることになります。



もっとも、患者のプライバシー確保が極めて重要となる点に変わりはないことから、厚労省は次のような点に留意することを求めています。

▼手話通訳者等は「オンライン診療に参加することで知り得た秘密」を漏らしてはならず、事前に患者とその旨を確認しておく

▼手話通訳者がオンライン診療に参加することについて、「診療の前」に電子メールやファクシミリなどで医師の了承を得る

▼手話通訳者の識別を可能とする「顔写真付き身分証明書」の写しを電子メールやファクシミリなどであらかじめ医師に送付する

▼手話通訳者等が遠隔からオンライン診療に参加する場合は、患者が手話通訳者等を同通信に招待する

▼医師は診療開始時に、手話通訳者等の本人確認を行う(送付された身分証明書の写しとの照らし合わせなど)

ぽんすけ2020 MW_GHC_logo

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