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公立病院の新たな改革プラン策定は延期、ただし現行プラン進捗状況を2020年度中に点検・評価せよ―総務省

2020.10.7.(水)

公立病院には来年度(2021年度)以降の「新たな改革プラン」を策定することが求められ、その拠り所となる「改定新公立病院改革ガイドライン」を本年(2020年)夏頃に示す予定であったが、時期も含めてその取り扱いを別途示す―。

新たな改革プランの策定に備え、各公立病院は、現行プランの進捗状況について本年度(2020年度)中に点検・評価をしてほしい―。

総務省は10月5日に「新公立病院改革ガイドラインの取扱いについて(通知)」を発出し、こうした点を明確にしました(総務省のサイトはこちら)。新プランの策定期限について「事実上の延期」が行われたと言えます。

不採算地区の公立病院への財政措置、要件から「改革プランの策定」を除外

公立病院に対しては、来年度(2021年度)以降の「新たな改革プラン」を策定することが求められていました。「公立病院にこそ求められる機能を果たす」ことをより明確化することが主な目的で、総務省は新改革プランの拠り所となる「改定・新公立病院改革ガイドライン」を今年(2020年)夏ころに示すこととしていました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、公立病院を取り巻く環境も大きく変化しています。

例えば、多くの公立病院では新型コロナウイルス感染症を契機に、「新興・再興感染症対策の基幹的役割を担う」ことが改めて確認されました。これを受けて政府は「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)の中で、総合的な医療提供体制改革の実施に関し、「感染症への対応」の視点も含めることを指示。

あわせて厚生労働省は、約440の公立・公的等病院に求めていた「機能分化やダウンサイジングも含めた再編・統合の検討」の期限(当初は▼機能の見直しについては2019年度中に▼再編統合については2020年秋まで)について、「感染症対策の重要性」を踏まえて再整理する考えを明らかにしています。

さらに、地方財政審議会では、今年(2020年)9月に「現行の新公立病院改革ガイドラインの改定等を含む同ガイドラインの取り扱いについて改めて再検討すべき」との考えを示しています。



こうした状況を踏まえて総務省は、「新公立病院改革ガイドラインの改定などを含む同ガイドラインの取り扱いについて、その時期も含めて改めて示す」(事実上の期限延長)とともに、各地方公共団体に対して「新公立病院改革プランの実施状況について点検・評価を行う」ことを求めています。

多くの公立病院においては、改革プランの最終年度が今年度(2020年度)になっています。今後の見直しに備えて、現行プランの進捗状況などを確認し、課題などを明確化しておくことが求められます。



ところで、今年度(2020年度)における「不採算地区公立病院に係る財政措置」(不採算地区の中核的な公立病院等への特別交付税措置の新設、公立病院等に係る周産期医療・小児医療等に対する特別交付税措置の拡充など)を受けるためには、上述した「新たな改革プランの策定」が要件となっています。

しかし、今般の「ガイドライン改定等の事実上の期限延長」に伴って、この要件は「適用されない」ことが明確にされました。

また来年度(2021年度)の財政措置に関しては、本年末(2020年)の予算編成過程において検討されます。

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