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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

自治体独自のがん拠点病院として、東京新宿メディカルセンターと東海大八王子病院を指定—東京都

2017.4.6.(木)

 「東京新宿メディカルセンター」と「東海大学医学部付属八王子病院」を自治体独自のがん医療提供拠点病院として、「ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院」「東京都保健医療後者多摩北部医療センター」「国立病院機構東京病院」をがん医療提供の協力病院として指定した—。

 東京都は3日、このように、がん医療提供体制をさらに充実したことを発表しました。

都立墨東病院と国立国際医療研究センターを国の拠点病院として指定

 我が国の死因第1位を独走する中、国は「がん診療連携拠点病院」を指定し、どの地域に居住していても高度ながん医療を受けられる体制の整備を進めています(均てん化)。がん診療連携拠点病院として指定されるためには、例えば▼手術療法を行う常勤医師の配置▼放射線治療を行う専従の医師を配置▼放射線診断を行う専任の常勤医師の配置▼病理診断を行う常勤医師の配置▼「院内がん登録500件以上」「悪性腫瘍の手術400件以上」「がん化学療法の患者延べ1000人以上」「放射線治療の患者延べ200人以上」などの治療実績▼緩和ケアチームへの専従看護師(がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師など)の配置▼、診断時からの外来・病棟での系統的な苦痛のスクリーニングの実施—などの要件を満たす必要があります。

「がん診療連携拠点病院」には、新たに診療実績(手術や化学療法などの件数)に関する要件が盛り込まれている

「がん診療連携拠点病院」には、新たに診療実績(手術や化学療法などの件数)に関する要件が盛り込まれている

「がん診療連携拠点病院」の新要件、質の高い治療体制を目指す

「がん診療連携拠点病院」の新要件、質の高い治療体制を目指す

「がん診療連携拠点病院」には、患者ががんと診断されたときから緩和ケアを行う体制を整備することが求められる

「がん診療連携拠点病院」には、患者ががんと診断されたときから緩和ケアを行う体制を整備することが求められる

「がん診療連携拠点病院」では、患者からのさまざまな相談に応じられる体制を構築することが必要となる

「がん診療連携拠点病院」では、患者からのさまざまな相談に応じられる体制を構築することが必要となる

 

 厚生労働省は、今年(2017年)1月に開かれた「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」の意見を踏まえ、▼東京都立墨東病院(墨田区)▼国立国際医療研究センター病院(新宿区)―の2病院をがん診療連携拠点病院(地域がん診療連携拠点病院)に指定しました。東京都は人口も多く、2病院の新規指定により、既指定の拠点病院の負担軽減などが期待されます。

 

 また、国の拠点病院とは別に、都道府県が独自に「がん医療の拠点となる病院」などを指定することも可能です。都はこのほど、▼地域医療機能推進機構東京新宿メディカルセンター(新宿区)▼東海大学医学部付属八王子病院(八王子)―の2病院を【東京都がん診療連携拠点病院】(都拠点病院)に指定しました。都は、「国の指定する拠点病院と同等の高度な診療機能を有する病院」と説明しています。

 さらに、都では▽肺がん▽胃がん▽大腸がん▽肝がん▽乳がん▽前立腺がん—の部位ごとに「専門的ながん医療を提供し、地域の医療機関と連携して治療を行い、地域のがん診療の中核的な役割を担う病院」として【東京都がん診療連携協力病院】(協力病院)を指定しています。今般、▼ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院(台東区)を大腸がんの▼東京都保健医療公社多摩北部医療センター(東村山市)を大腸がんと前立腺がんの▼国立病院機構東京病院(清瀬市)を肺がんの—協力病院に指定しています。

 併せて、既指定の協力病院のがん種について、▼東京都保健医療公社東部地域病院(葛飾区)について「胃がん」の(既に大腸がんの協力病院として指定)▼日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院(江戸川区)について「肺がん」の(同、胃・大腸・乳・前立腺)▼日本赤十字社東京支部大森赤十字病院(大田区)について「肝がん」の(同、大腸)▼東邦大学医療センター大橋病院(目黒区)について「肝がん」の(同、胃・大腸)▼JR東京総合病院(渋谷区)について「大腸がん」の(同、肺・乳)―の指定追加を行いました。

 

 この結果、東京都におけるがん医療提供の拠点となる病院は、今年(2014年)4月1日から▼都道府県がん診療連携拠点病院:2か所(都立駒込病院、がん研究会有明病院)▼地域がん診療連携拠点病院:25か所(慶應義塾大学病院、日本大学医学部附属板橋病院、武蔵野赤十字病院など)▼地域がん診療病院:1か所(東京女子医科大学東医療センター)▼東京都がん診療連携拠点病院:8か所(三井記念病院、済生会中央病院など)▼東京都がん診療連携協力病院:22か所(河北総合病院、東京都保健医療公社豊島病院、東京都健康長寿医療センターなど)―となっています(都の拠点病院一覧はこちら)。

2017年4月1日からの、東京都におけるがん医療提供の拠点となる病院一覧

2017年4月1日からの、東京都におけるがん医療提供の拠点となる病院一覧

  
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