看護必要度、2018年度に拙速な改変せず、中長期に在り方論議を―日病・全日病・日看協
2017.9.6.(水)
2018年度診療報酬改定において「重症度、医療・看護必要度」の拙速な改変をせず、中・長期的に根拠に基づいた検討を行うべきである—。
日本病院会、全日本病院協会、日本看護協会の3団体は9月4日、厚生労働省保険局の鈴木俊彦局長にこういった要望を行いました(日看協のサイトはこちら)。
看護必要度、DPCデータなどへの置き換えも含めた見直し論議中
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)は、7対1病棟における入院基本料の施設基準や、10対1病棟における看護必要度加算の施設基準などとして活用されています。
この点、2018年度の次期診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会や下部組織である「入院医療等の調査・評価分科会」で見直すべきか否かも含めた議論が行われています。とくに後者の入院医療分科会では、看護必要度のチェック業務負担を背景に「既存の他のデータ(例えばDPCデータの様式1やEF統合ファイルなど)での置き換えができないか」という視点に立った分析を行う方針が固められています(関連記事はこちら)。
一方、財政制度等審議会は、5月25日に麻生太郎財務大臣に宛てて提出した建議(「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議)の中で、「看護職員配置ではなく、提供している医療の機能(⾼度急性期、急性期、回復期など)により評価される仕組みを⽬指す」べきなどといった提言を行っています(関連記事はこちらとこちら)。中医協や入院医療分科会でも、この提言を踏まえた「入院基本料そのものの在り方」に関する検討も行われています(関連記事はこちらとこちら)。
3団体は、こうした動きに対し「看護必要度の在り方に関する将来的な検討には反対しないが、2018年度の次期改定での拙速な改変は避けてほしい」と鈴木保険局長に要望。さらに、「看護必要度の在り方については、関係団体の意見を十分に反映し、根拠に基づいて中・長期的に検討してほしい」とも求めています。
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