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オンライン服薬指導、実証実験前の段階で「評価基準」は定められない―厚労省

2018.5.16.(水)

 ICT技術を活用したオンライン服薬指導等については、実証実験に向けた調整を進めている段階であり、現時点で「対面と遠隔(オンライン)とで同等か否か」を評価する指標を設定することは不適当である―。

 5月15日に開催された規制改革推進会議の「医療・介護ワーキング・グループ」で、従前、会議側から提言された「一気通貫の在宅医療」に対し、厚生労働省はこのような見解を示しました(関連記事はこちら)。

規制改革推進会議の「実証実験の結果を評価する基準示せ」との要望に、不適当と回答

規制改革推進会議は4月20日に、「オンライン診療や在宅医療を受けながら、医薬品を受け取るために薬局に出向かなければならない現行制度を改める必要があり、『オンライン服薬指導と訪問服薬指導の組み合わせ』、『処方箋の完全電子化』を進めよ」という旨の意見をまとめました(関連記事はこちら)。

前者の「オンライン服薬指導と訪問服薬指導の組み合わせ」については、スマートフォンやタブレット端末でも▼医薬品の副作用などに関する情報提供▼多剤併用の弊害防止▼残薬管理—などを実施でき、地方に多い「薬剤師1人で経営する薬局」が在宅での服薬指導ニーズに的確に応えるために、早急に認めるべきと要望。

さらに、「オンライン服薬指導について、技術上・オペレーション上の懸念があるのであれば、実証実験を行い、具体的な懸念点と、実証を通じて評価する基準等を明らかにするべき」とも求めていました。

 
こうした要望・提言について厚労省は、▼医療用医薬品には、重篤な副作用の恐れがあるため、患者と信頼関係を構築した「かかりつけ薬剤師・薬局」が対面で服薬指導を行うこと重要である▼地域包括ケアシステムの中で、かかりつけ薬剤師・薬局が寝たきり患者等に対し、積極的に居宅を訪問し、副作用や服薬状況を把握することが重要である―と「対面の原則」を再確認。

その上で、▼少子高齢化への対応▼生産性向上—の観点から「ICT技術の活用」も重要で、積極的に活用を検討することも確認。そこでは、「離島や過疎地など、対面での服薬指導が困難な地域に限定し、これらの地域要件を外した全国展開を前提としない」との国家戦略特区法の附帯決議にも言及し、上記の「対面の原則」の中でICT活用を進めていく考えを示しています。

このICT技術活用の検討について厚労省は、▼安全性確保の観点から、特区実証の結果を踏まえる予定で、現在、実証事業開始に向け、複数の地方公共団体と調整中である▼実証の実施基準については規定済(2017年11月)である▼実証の評価については、「遠隔(オンライン)は対面と同視しうる程度に丁寧な服薬指導が実施可能か否か」を確認する予定であるが、実証が始まっていない段階で画一的な評価基準を作成することは、過剰な基準を設定することになりかねず、不適当である―との考えを提示。会議側の「実証実験を行うべき」との提言には、「行う予定である」とし、「実証を通じて評価する基準等を明らかにするべき」との提言には、「現時点では不適当」と答えた格好です。

 
なお、会議側は、厚労省の見解を踏まえて「実証実験」に関連する提言・要望を削除。その上で、さらに強く「必要性に迫られた医療資源の乏しい地域に居住する患者について、安全性を確保した上で、オンライン服薬指導と訪問服薬指導との組合せが可能となるよう、早急に制度を見直すべき」と要望するに至っています。
 
 
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