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画期的な抗がん剤オプジーボとキイトルーダで「結核」の重大な副作用―厚労省

2019.6.6.(木)

 画期的な抗がん剤(免疫チェックポイント阻害剤)であるオプジーボとキイトルーダに、新たに「結核」の、また多くの片頭痛治療薬(レルパックスなど)に、新たに「薬剤の使用過多による頭痛」の、またインフルエンザ治療薬のゾフルーザに「ショック、アナフィラキシー」の重大な副作用が判明した―。

 厚生労働省は6月4日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした情報提供を行いました(厚労省のサイトはこちら)。

 
 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の7医薬品です。画期的な抗がん剤などについて、新たな重大な副作用が判明しており、薬剤部から院内各部門へ、また調剤薬局から処方元医療機関等へ十分な情報提供を行うとともに、処方医への積極的な疑義照会を行うことも重要です。

 厚労省は製薬メーカーに対して速やかに「使用上の注意」を改訂するよう指示しました。

 
(1)片頭痛治療薬の「エレトリプタン臭化水素酸塩」(販売名:レルパックス錠20mg、ほか後発品多数)、「ゾルミトリプタン」(販売名:ゾーミッグ錠2.5mg、同RM錠2.5mg、ほか後発品多数)、「ナラトリプタン塩酸塩」(販売名:アマージ錠2.5mg)、「リザトリプタン安息香酸塩」(販売名:マクサルト錠10mg、同RPD錠10mg、ほか後発品多数)

▽【重要な基本的注意】の項に、「本剤を含むトリプタン系薬剤により頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善が認められない場合には『薬剤の使用過多による頭痛』の可能性を考慮し、投与中止など適切な処置を行う」旨の記載を追加する

▽新たな【重大な副作用】:「薬剤の使用過多による頭痛」

 
(2) 片頭痛治療薬の「スマトリプタン」(販売名:イミグラン点鼻液20)、「スマトリプタンコハク酸塩(経口剤)」(販売名:イミグラン錠50、ほか後発品多数)、「スマトリプタンコハク酸塩(注射剤)(アンプル)」(販売名:イミグラン注3)

▽【重要な基本的注意】の項に、「本剤を含むトリプタン系薬剤により頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善が認められない場合には『薬剤の使用過多による頭痛』の可能性を考慮し、投与中止など適切な処置を行う」旨の記載を追加する

▽新たな【重大な副作用】:「薬剤の使用過多による頭痛」

 
(3)片頭痛治療薬の「スマトリプタンコハク酸塩(注射剤)(キット)」(販売名:イミグランキット皮下注3mg)

▽【重要な基本的注意】の項に、「本剤を含むトリプタン系薬剤により頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善が認められない場合には『薬剤の使用過多による頭痛』の可能性を考慮し、投与中止など適切な処置を行う」旨の記載を追加する

▽新たな【重大な副作用】:「薬剤の使用過多による頭痛」

 
(4)根治切除不能なメルケル細胞がん治療に用いる「アベルマブ(遺伝子組換え)」(販売名:バベンチオ点滴静注200mg)

▽新たな【重大な副作用】:「膵炎」

 
(5)悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、根治切除不能・転移性の腎細胞がん、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発・遠隔転移のある頭頸部がん、化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん、化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫の治療に用いる「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(販売名:オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg)

▽【慎重投与】の対象患者に「結核の感染または既往を有する患者」を追加

▽新たな【重大な副作用】:「結核」(結核を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与中止など、適切な処置を行う)

 
(6)悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫、化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん、化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準治療困難な場合)の治療に用いる「ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg)

▽【慎重投与】の対象患者に「結核の感染または既往を有する患者」を追加

▽新たな【重大な副作用】:「結核」(結核を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与中止など、適切な処置を行う)

 
(7)A型・B型インフルエンザウイルス感染症の治療に用いる「バロキサビル・マルボキシル」(販売名:ゾフルーザ錠10mg、同錠20mg、同顆粒2%分包)

▽新たな【重大な副作用】:「ショック、アナフィラキシー」

 

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