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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

ピロリ菌感染の治療等に用いるボノピオン等、肝機能障害が現れることがある―厚労省

2018.6.6.(水)

 ピロリ菌の除菌などに用いるボノピオン等で肝機能障害が現れることがあり、死亡に至った患者もいるため、定期的な肝機能検査を行うなど、患者の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与中止等の適切な処置を行う必要がある―。

厚生労働省は6月5日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、このような新たな副作用が判明した医薬品の情報を示し、医療機関等に注意を呼び掛けています(厚労省のサイトはこちら)。

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の5医薬品です。厚労省は製薬メーカーに対して速やかに「使用上の注意」を改訂するよう指示しています。臨床現場で極めて広く使われている医薬品もあり、十分に注意する必要があります。

(1)不整脈治療剤の「アミオダロン塩酸塩」(販売名:アンカロン錠100、アンカロン注150、ほか後発品多数)

▼新たな【重大な副作用】:無顆粒球症、白血球減少

 
(2)がん化学療法による好中球減少症などの治療に用いる「フィルグラスチム(遺伝子組換え)」(販売名:グラン注射液75ほか、後発品あり)、「フィルグラスチム(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続1]」(販売名:フィルグラスチムBS注75μgシリンジ「F」ほか)、「フィルグラスチム(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続2]」(販売名:フィルグラスチムBS注75μgシリンジ「NK」ほか)、「フィルグラスチム(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続3]」(販売名:フィルグラスチムBS注75μgシリンジ「サンド」ほか)、「ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)」(販売名:ジーラスタ皮下注3.6mg)、「レノグラスチム(遺伝子組換え)」(販売名:ノイトロジン注50μgほか)

▼新たな【重大な副作用】:大型血管炎(大動脈、総頸動脈、鎖骨下動脈等の炎症)(発熱、CRP上昇、大動脈壁の肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な
処置を行う)

 
(3)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の治療に用いる「エベロリムス」(販売名:アフィニトール錠2.5mg・同5mg、アフィニトール分散錠2mg・同3mgに限定)

▼新たな【重大な副作用】:創傷治癒不良(創傷治癒不良、これによる創傷感染、瘢痕ヘルニア、創離開等の合併症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う)

 
(4)血液凝固第IX因子欠乏の治療に用いる「エフトレノナコグアルファ」(販売名:オルプロリクス静注用250ほか)

▼新たな【重大な副作用】:ショック、アナフィラキシー

 
(5)嫌気性菌感染症等の治療に用いる「メトロニダゾール(経口剤、注射剤)」(販売名:アネメトロ点滴静注液500mg、フラジール内服錠250mgのみ)、ヘリコバクター・ピロリ感染症などの治療に用いる「ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール」(販売名:ボノピオンパック)、「ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール」(販売名:ラベファインパック)、「ランソプラゾール・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール」(販売名:ランピオンパック)

▼新たな【慎重投与】:コケイン症候群の患者

▼【重要な基本的注意】の項に「肝機能障害が現れることがあり、定期的に肝機能検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察する」旨を追記する

▼新たな【重大な副作用】:肝機能障害(コケイン症候群患者で重度の肝毒性・急性肝不全が発現し死亡に至ったとの報告あり)
 
 
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