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GemMed塾 看護モニタリング

造影剤のイオヘキソールとイオメプロールに「急性汎発性発疹性膿疱症」の副作用—厚労省

2018.2.15.(木)

 厚生労働省は2月13日、造影剤のイオヘキソールとイオメプロールに、「急性汎発性発疹性膿疱症」の副作用が分かったとして、医療機関に注意を呼び掛けています。また「サンシシ」を含有する漢方製剤の長期使用により「腸間膜静脈硬化症」が現れ、腸管切除に至った事例があることも報告されています(厚労省のサイトはこちら)。

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の7医薬品です。厚労省は製薬メーカーに対して(1)-(6)については速やかに、(7)についてはできるだけ早く「使用上の注意」を改訂するよう指示しています。造影剤は臨床現場で極めて広範に使用されており、十分な注意が求められます。

(1)漢方薬である「サンシシ」

▼【重要な基本的注意】に、▽漢方処方における患者の証(体質・症状)を考慮して投与する▽長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う「腸間膜静脈硬化症」が現れる恐れがあり、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい▽漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する—旨を追記する

▼新たな【重大な副作用】:腸間膜静脈硬化症(長期投与により現れることがある。▽腹痛▽下痢▽便秘▽腹部膨満―などが繰り返し現れた場合、または便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行う。腸管切除術に至った症例も報告されている)

 
(2)漢方薬である「茵蔯蒿湯」「黄連解毒湯」「加味逍遙散」「辛夷清肺湯」

▼【重要な基本的注意】に、「長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う『腸間膜静脈硬化症』が現れる恐れがあり、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい」旨を追記する

 
(3)漢方薬の「温清飲」「加味帰脾湯」「荊芥連翹湯」「五淋散」「柴胡清肝湯」「梔子柏皮湯」「清上防風湯」「清肺湯」「防風通聖散」「竜胆瀉肝湯」
▼【重要な基本的注意】に、「長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う『腸間膜静脈硬化症』が現れる恐れがあり、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい」旨を追記する

▼新たな【重大な副作用】:腸間膜静脈硬化症(長期投与により現れることがある。▽腹痛▽下痢▽便秘▽腹部膨満―などが繰り返し現れた場合、または便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行う。腸管切除術に至った症例も報告されている)

 
(4)HIV-1感染症治療に用いる「エファビレンツ」(販売名:ストックリン錠200mg、同600mg)

▼新たな【重大な副作用】:QT延長(心臓の活動電位の持続時間(QT時間)が長くなり、脈が乱れ、立ちくらみや失神などを引き起こす)

 
(5)造影剤の「イオヘキソール(尿路用、血管用、CT用)」(オムニパーク140注50mLほか)

▼新たな【重大な副作用】:急性汎発性発疹性膿疱症(観察を十分に行い「小膿疱」等の異常が認められた場合には適切な処置を行う)【従前より、皮膚障害として皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)の重大な副作用が知られている】

 
(6)造影剤の「イオメプロール」(販売名:イオメロン300注20mLほか)

▼新たな【重大な副作用】:急性汎発性発疹性膿疱症(観察を十分に行い「小膿疱」等の異常が認められた場合には適切な処置を行う)【従前より、皮膚障害として皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)の重大な副作用が知られている】

 
(7)一般用医薬品 サンシシ含有製剤(経口剤)

▼【相談すること】に、「腸間膜静脈硬化症(長期服用で腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれる」「長期連用する場合には、医師、薬剤師または登録販売者に相談する」旨を追記する

 
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