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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

輸血には感染症伝播のリスク、患者観察などを徹底せよ―厚労省

2017.12.20.(水)

 輸血用血液製剤は、人の血液を原料としていることに由来する感染症伝播等のリスクを完全に排除できないことから、輸血中に患者の様子の適宜観察などを徹底して行わなければならない―。

 厚生労働省は12月4日に通知「人血小板濃厚液の使用時の安全確保措置の周知徹底について」を発出し、このような輸血用血液製剤の「使用上の注意」を医療機関が遵守するように、注意喚起しています。

 輸血用血液製剤の使用をめぐっては、細菌が混入した人血小板濃厚液の使用後、患者が細菌感染により重篤な症状を呈し、死亡に至った事例が、11月29日に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会に報告されました。

 この事例を踏まえた厚労省の通知では、輸血用血液製剤に関する次の「使用上の注意」を医療機関に徹底させるよう、都道府県などに協力を求めています。

(1)人血小板濃厚液の使用により、細菌等によるエンドトキシンショック、敗血症等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には輸血を中止し、適切な処置を行う
(2)外観上異常を認めた場合は使用しない
(3)輸血中は患者の様子を適宜観察する。少なくとも輸血開始後約5分間は患者の観察を十分に行い、約15分経過した時点で再度観察する
(4)輸血に際しては、あらかじめ副作用発現時に救急処置をとれる準備をしておく
(5)輸血には同種免疫等による副作用やウイルス等に感染する危険性があり得るので、他に代替する治療法等がなく、その有効性が危険性を上回ると判断される場合にのみ実施する
(6)輸血を行う場合は、その必要性とともに感染症・副作用等のリスクについて、患者・家族等に文書で分かりやすく説明し、同意を得る

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