ウプトラビ錠とプラビックス錠等は併用禁忌、サムスカ錠に急性肝不全の副作用―厚労省
2018.3.22.(木)
厚生労働省は3月20日、肺動脈性肺高血圧症治療薬の「セレキシパグ」(販売名:ウプトラビ錠)と血栓・塞栓治療剤の「クロピドグレル含有製剤」(販売名:プラビックス錠ほか)とが「併用禁忌である」こと、また利尿剤の「トルバプタン」(販売名:サムスカ錠ほか)に急性肝不全の副作用があることなどが分かったとして、医療機関に注意を呼び掛けています(厚労省のサイトはこちら)。
今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の6医薬品です。厚労省は製薬メーカーに対して速やかに「使用上の注意」を改訂するよう指示しています。臨床現場で広く使われている医薬品もあり、十分な注意が求められます。
(1)利尿剤の「トルバプタン」(販売名:サムスカ錠7.5mgほか)
▼新たな【重大な副作用】:急性肝不全(従前から「肝機能障害」の副作用は明らかにされており、今般「急性肝不全」が追加された)
(2)肺動脈性肺高血圧症の治療に用いる「セレキシパグ」(販売名:ウプトラビ錠0.2mgほか)
▼【禁忌】の項に、「クロピドグレル含有製剤を投与中の患者」を追記
▼【相互作用】の項に、新たに【併用禁忌】として「クロピドグレル含有製剤」を追記
※「クロピドグレル含有製剤」:▽虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制▽経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患▽末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制—などに用いられる。販売名:プラビックス錠、コンプラビン配合錠など(後発品多数)
(3)血栓・塞栓の抑制や治療等に用いる「クロピドグレル硫酸塩」(販売名:プラビックス錠25mg他、後発品多数)、「クロピドグレル硫酸塩・アスピリン」(販売名:コンプラビン配合錠)
▼【禁忌】の項に、「セレキシパグを投与中の患者」を追記
▼【相互作用】の項に、新たに【併用禁忌】として「セレキシパグ」を追記
※「セレキシパグ」:肺動脈性肺高血圧症の治療に用いる。販売名:ウプトラビ錠0.2mg、同0.4mg
(4)糖尿病治療薬の「アナグリプチン」(販売名:スイニー錠100mg)
▼【重要な基本的注意】の項に、「急性膵炎が現れることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状が現れた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導する」旨を追記
▼新たな【重大な副作用】:▽急性膵炎(継続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う)▽類天疱瘡(水疱、びらん等が現れた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行う)
(5)糖尿病治療薬の「テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物」(販売名:テネリア錠20mg)、「テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物・カナグリフロジン水和物」(販売名:カナリア配合錠)、「リナグリプチン」(トラゼンタ錠5mg)
▼【重要な基本的注意】の項に、「急性膵炎が現れることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状が現れた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導する」旨を追記
▼新たな【重大な副作用】:急性膵炎(継続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う)
(6)悪性胸水の再貯留抑制に用いる「滅菌調整タルク」(販売名:ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g)
▼新たな【重大な副作用】:ショック、アナフィラキシー
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