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先駆け審査指定制度の対象医療材料、新たな加算で評価すべきか―中医協・材料専門部会

2019.9.12.(木)

 先駆け審査指定制度の対象となった医療材料について、新たな加算で評価を行うべきではないか。ただし、こうした医療材料は他の加算で評価されることが多く、そうした場合の算定ルール(併算定を認めるのか否かなど)をあわせて整理すべきである―。

 9月11日に開催された中央社会保険医療協議会・保険医療材料専門部会(以下、材料専門部会)では、こういった議論が行われました。

9月11日に開催された、「第102回 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」

 

「医療ニーズが高く開発してしい」との要望に、医療機器メーカーも対応してきている

 2020年度の次期材料価格制度改革に向けた、個別具体的なテーマに関する論議(第2ラウンド)が中医協で始まりました(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

 第2ラウンドの主な検討項目として、厚生労働省保険局医療課医療技術評価推進室の岡田就将室長は、▼イノベーションの評価▼内外価格差の是正▼保険適用後に市場が拡大した場合の対応―などを提示。9月11日には、このうち「イノベーション評価」のうち、(1)ニーズ選定されたにもかかわらず開発に至らない品目への対応(2)迅速な保険導入に係る評価(3)機能区分の特例(4)先駆け審査指定制度に指定された製品の評価―の4点を議題としました。

 
まず(1)は、従前より重要検討課題の1つとなっている「『医療ニーズが高い』として開発要請がなされているにも関わらず、一定期間以上開発を行わない医療機器メーカーへどうアプローチしていくべきか」というテーマです。

海外では流通しているが、我が国では開発されていない医療機器を解消(いわゆるデバイス・ラグを解消)するために、厚生労働省は「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」(ニーズ検討会)を設置。学会などからの要望を踏まえて「医療ニーズの高い医療機器」の選定を行っています。

あわせて2016年度の材料価格制度改革において、「医療ニーズの高い医療機器」に選定された品目について、▼機能区分特例の対象への追加▼外国価格調整における比較水準の緩和―などが行われました(関連記事はこちら)。いずれも「高い材料価格を維持できる」仕組みで、開発企業に対する「インセンティブ」を付与するものです。

ただし、こうしたインセンティブがあるにも関わらず「医療ニーズの高い医療機器の開発が進まない」状況がある(医療ニーズが高いと選定されてから5年以上経過してもなお開発されていない医療機器が17品目ある)ことから、「開発を進めない企業にペナルティ(当該企業の新規製品について償還価格を低く抑えるなど)を課すことも検討すべきではないか、という議論が2018年度改定に向けた中医協で行われました。

 
今般、このテーマについて改めて議論を行うことになりましたが、岡田医療技術評価推進室長は、「ニーズ選定品目の開発が徐々に進んできている」状況(2016-18年度には1品目しか保険適用されなかったが、18年度以降6品目が保険適用されている)や、「ニーズ選定品目の開発を下支えする諸制度(▼革新的医療機器条件付き早期承認制度▼希少疾病用医療機器指定制度▼革新的医療機器等相談承認申請支援事業況―)により、今後も開発が進むと期待される」ことなどを踏まえ、「開発を進めない企業が申請する新規医療材料の取扱い(ペナルティ)については、今後の実態を踏まえ、必要に応じて検討する」こととしてはどうか、との考えを示しました。少なくとも「早急にペナルティ制度を設け適用する状況にはない」との判断と言えるでしょう。


 
この考えに中医協委員から異論は出ていませんが、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)と支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は「開発が進まない背景・理由を詳しく精査していく必要がある」と注文を付けています。開発が進まない理由は、▼患者数が限られており、開発しても利益が見込めない▼多忙で開発に時間を割けない―などさまざまあり、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課の中井清人課長は「医薬品医療機器等法上の承認をどう適正化できるかを鋭意検討している」と説明しました。

迅速な保険導入に係る評価、デバイスラグ解消に効果があり2020年度以降も継続

 
 また(2)もデバイス・ラグ解消を目指すもので、2012年度改定で導入された「総審査期間のうち、申請者側の期間が一定の日数以内である場合の評価(加算を上乗せする)」について、今後、どう考えていくかというテーマです。

 
 この点、2016-17年度に本制度の対象となった、つまり迅速な保険導入に尽力した製品は6品目あり、18年度以降も2品目あるなど、制度の効果が現れていることを踏まえ、岡田医療技術評価推進室長は、「現行の運用を継続する」考えを示しました。この考えにも中医協委員から異論は出ていません。

 

機能区分特例も革新性の高い医療材料開発に効果あり、制度を継続

 一方、(3)の「機能区分特例」は、革新性の高い新規の医療機器について「2回の改定を経るまで、同様の機能を持つ他の製品と区別して、価格改定・再算定を行う」仕組みです。通常、同じ機能区分の中に「低価格で販売される後続品」が現れてくるため、改定ごとに償還価格は下がってしまいます(保険医療材料については機能区分ごとに償還価格を設定するため)が、「機能区分特例」の場合には、低価格で販売される後続品は同じ機能区分に入らないため、「償還価格の下落を一定程度免れる」ことが可能となるのです。

 
 これまでに12製品21区分の新規医療材料について機能区分特例が適用され、2018年度改定以降に限れば3製品が対象となっています。また、これらの後続品(もっぱら低価格で販売される)も登場しており、「本制度の趣旨(機能区分別の償還価格を設定する仕組みの中で、革新性の高い製品を高く評価する)が生きている」状況を確認できます。

 
 さらに、特例対象のうち、12品目は画期性加算などの対象となり、2品目は希少疾病用の医療機器であり、さらに1品目は後述する先駆け審査指定制度の対象となるなど、「革新性の高い医療機器の開発」に本制度が一役買っている状況もうかがえます。

 こうした点を踏まえ、岡田医療技術評価推進室長は、「現行の運用を継続する」考えを示しました。

先駆け審査指定制度の対象医療材料、新たな加算での評価を検討

 また(4)の先駆け審査指定制度は、諸外国に先駆けて我が国で開発される医療機器について、優先相談や優先審査などを行うもので、これまでに▼内転型痙攣性発声障害における症状の改善に用いる「チタンブリッジ」▼遺伝子パネル検査システムである「OncoGuideTM NCC オンコパネル システム」―の2製品が対象となっています。


 
 医療機器業界サイドは、本制度の対象品目を「新たな加算の対象にしてほしい」と要望しており、2020年度改定に向けた検討項目に据えられたものです。

この点について城守委員は「新たな加算」そのものに反対はしなかったものの、「先駆け審査指定制度の対象品目は他の加算の対象にもなる可能性が高い」と指摘、「各種加算の整理を行うべきで、併算定は認めるべきではない」との考えを提示。幸野委員も同旨の見解を示しています。

「NCCオンコパネル システム」については、診療報酬本体の中で評価され、特定保険医療材料としての価格設定はなされていませんが、「チタンブリッジ」については、城守委員の指摘どおり「迅速な保険導入に係る評価」が適用され、「営業利益率の65%」に該当する補正加算が付加されています。

今後、新たな加算創設に向けた議論を行うとともに、「他の加算との関係」ルール設定も検討されることになるでしょう。

 
 

 

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