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定期の聴力チェック→耳鼻科等受診勧奨→早期の補聴器装着→認知症リスク低下防止—のシステム構築を―都健康長寿医療センター研究所

2023.5.25.(木)

老化による聴力低下(加齢性難聴)が認知機能低下にもつながるが、高齢者の多くは「耳が聞こえにくくなった」点の自覚が少ない—。

定期に高齢者の「耳の聞こえ方」をチェックする→耳鼻科等の受診を勧奨し、早期の補聴器装着を促すことで、認知症リスクを低下させるシステムの構築が急がれる—。

東京都健康長寿医療センター研究所が5月18日に公表した研究成果から、こうした点が明らかになりました(研究所のサイトはこちら)。

高齢者の相当数が「耳が聞こえにくなった」ことを自覚せず

老化により聴力低下が生じる人が少なくありません(加齢性難聴)。この聴力低下は「転倒の発生」や「認知機能の低下」など高齢者の健康に悪影響を及ぼします。

認知症患者は、2018年に500万人を超え、65歳以上高齢者の「7人に1人が認知症」という状況を迎えましたが、2025年には約700万人(同じく5人に1人)、2040年には約800-950万人(同じく約4-5人に1人)に達すると見込まれています。「聞こえにくくなる→会話が成り立ちにくくなる→コミュニケーションが低下し、認知機能が低下する」ことなども指摘されています。



加齢性難聴には、現時点で根本的な治療法がないことから、早期に「耳鼻科などで加齢性難聴の診断を早期に受ける → 補聴器装着など適切な対応をとる」ことが認知機能低下防止などに向けて極めて重要となります。

そうした中で、都健康長寿医療センター研究所・桜井良太研究員をはじめとする研究グループは「高齢者の聴力」「耳の聞こえの不調に関する病院受診意向」について調査(群馬県草津市の75歳以上高齢者385名を対象)。そこから次のような結果が得られました。

▽37.4%(144名)の高齢者で「中等度以上の難聴」(が認められまし

▽上記の中等度以上難聴者のうち、「耳の聞こえの不調に関して診察を希望している、もしくは既に受診したことがある」者は 29.9%(43名)にとどまった

聴力低下の状況などに関する調査結果、難聴を自覚していない高齢者も少なくない



研究グループでは「大多数の加齢性難聴と考えられる高齢者は、難聴の自覚があまりなく、その結果、医療機関受診を希望していない」と推測し、▼難聴の自覚を持ってもらう → ▼早期の医療機関受診を促す → ▼診断結果に基づいて適切な補聴器選定・装着などを行う—ことの重要性を指摘。

これは、上述のとおり「認知症リスクを低下させる」ことにもつながることから、「定期的な耳の聞こえのチェック(耳の聞こえの不具合の顕在化)を通じた耳鼻科等への受診勧奨のシステムを構築する」ことを提案しています。



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