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新型コロナ対策 医療崩壊の真実

コロナ禍で、希少がんへの「オンライン・セカンドオピニオン」をスタート—国がん

2021.2.2.(火)

国立がん研究センターは2月1日、中央病院(東京都中央区)において「新型コロナウイルス感染症が終息していない現在、情報が少なく診療が難しい希少がん患者を中心にオンラインによるセカンドオピニオンの提供を行う」ことを明らかにしました(国がんのサイトはこちら(プレスリリース)こちら(オンライン・セカンドオピニオンの詳細))。

コロナ禍で、がんの早期発見・早期治療に支障が出るケースも

現在のがん治療では、患者がセカンドオピニオンを他院で受けることが一般的になってきています。他院の医師にも治療法等についての意見を求め、患者・家族が「安心・納得して治療を受ける」ために、極めて重要なプロセスと言えます。

ところで、がんの中には、比較的患者数の多いがんもあれば、極めて患者数の少ない「希少がん」(人口10万人あたり6症例未満、約200種類)もあります。希少がんでは、症例数が少ないことから、病態解明・ステージの決定・治療法開発などに関する研究が十分に進んでいません。

しかし、1つ1つの「希少がん」の症例数は少ないものの、「希少がん」全体で見ると、がん患者全体の15-22%を占め、その対策が極めて重要であることを確認できます。

2018年度からスタートしている「第3期がん対策推進基本計画」においても、希少がん対策が重点施策の1つに位置付けられ、例えば、▼希少がんに関する情報を集約・発信する体制▼全国のがん相談支援センターとの連携体制▼病理コンサルテーションシステム等を通じた正確・迅速な病理診断を提供する体制―を整備していくこと、▼臨床エビデンス▼診療ガイドライン▼医療従事者の育成―などに関する中核的医療機関を整備する、などの方針が示されています(関連記事はこちら)。

この点、国立がん研究センターでは、2014年6月に「希少がんセンター」を開設。希少がんの情報提供や新たな治療開発に積極的に取り組むとともに、多くの希少がん患者に対し「セカンドオピニオン」を提供してきています。



ところで、我が国においても、新型コロナウイルス感染症が昨年(2020年)初頭から猛威を振るっています。医療従事者の懸命な努力により、感染者・死者ともに比較的少ない水準ですが、第1波→第2波→第3波と影響は拡大を続け、いわゆる変異種による爆発的感染も危惧されています。

そうした中で、新型コロナウイルス感染症が「がん治療に大きな影響を及ぼしている」ことが徐々に明らかになってきています。

例えば、限られた医療資源を新型コロナウイルス感染症の重症者に集約化・重点化するために、昨春(2020年春)には「待てる予定入院・予定手術を延期する」方針が示されました。

この点、「がん」は「待てない手術」ではあるものの、新型コロナウイルス感染を抑えるために検診等が延期され、結果として「がん症例」数が、新型コロナウイルス感染症の蔓延から少し時間をおいて大きく減少したことがGem Medを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの調査研究で明らかになりました(関連記事はこちら(分析第5弾)こちら(分析第4弾)こちら(分析第3弾)こちら(分析第2弾)こちら(分析第1弾))。

また、1月27日に開催された厚生労働省の「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」には、「新型コロナウイルス感染症の影響で、がん患者が自身の判断で「勝手にがん治療を中断してしまう」ケースが少なからずあるとの調査結果も報告されています。

がんについては「早期発見・早期治療」が何よりも重要であるこが各種調査結果から示されていますが(関連記事はこちら)、このように「新型コロナウイルスへの感染を恐れて医療機関受診を控える」患者が少なくなく、「適切な治療を遅らせてしまうためにがんが進行し、予後に問題が生じてしまいはしないか」と危惧されています。これはセカンドオピニオン受診でも同様です。

「希少がん」対象に、国がん医師がオンラインによるセカンドオピニオン提供

こうした状況を踏まえて国がん中央病院では「多くの希少がん診療の経験を有する専門医によるオンライン・セカンドオピニオン」を開始することを決定しました。

対象となる希少がんは、次のように例示されており、希少がんかどうか不明な場合には、事前に「希少がんセンター」に問い合わせするよう求めています。

【多臓器に発生する希少がん】
▽神経内分泌腫瘍、あるいは神経内分泌がん
▽中皮腫
▽胚細胞腫瘍
▽パラガングリオーマ
▽肉腫(悪性骨・軟部腫瘍)
▽デスモイド腫瘍

【1つの臓器に発生する希少がんなど】
●脳:▽悪性脳腫瘍(グリオーマなど)
●呼吸器:▽腺腫・胸腺がん▽胸部のSMARCA4欠損腫瘍
●乳房:▽乳がん(特殊型:乳腺葉状腫瘍など)
●肝臓:▽肝がん(特殊型)
●膵臓:▽膵がん(特殊型、家族性膵がん、遺伝性膵がん症候群)
●小腸:▽小腸がん
●消化器:▽GIST
●卵巣:▽卵巣がん(特殊型:胚細胞腫瘍など、胚細胞腫瘍など)
●子宮:▽子宮頚がん(特殊型:胃型腺がんなど)▽支給体がん(特殊型:がん肉腫など)
●泌尿生殖器:▽精巣腫瘍▽副腎がん▽尿膜管がん▽陰茎がん▽腎がん(特殊型:集合管がんなど)
●骨:▽転移性骨腫瘍
●部位不明:▽原発不明がん、その他の希少がん
●血液:▽悪性リンパ腫▽慢性リンパ性白血病▽原発性マクログロブリン

【その他の希少がん等】
▽小児悪性腫瘍一般
▽血液がんに対する同種造血幹細胞移植を受けるべきか悩み、かつ血球減少などで対面のセカンドオピニオンに行けないケース
▽標準的な治療を受けた後に病状が増悪した固形がん
▽治療法が確立されていない、または存在しない固形がん

希少がんオンライン・セカンドオピニオンは「完全予約」制、2月15日午後から予約開始

国がん中央病院のオンライン・セカンドオピニオンを受けるには次のような手順を踏むことになります。

▼必ず事前に「専用の申し込みサイト」から予約を行う(2月15日の13時(午後1時)より予約開始)

▼定められた日程までに、現在の主治医から「検査データ」「診療情報」などを入手し、セカンドオピニオン医師に提示する(提示方法などは、予約の際に示される)

▼「パソコン」「タブレット端末」「スマートフォン」などで、オンラインにより医師から意見が提供される(セカンドオピニオンの実施は2月25日から)

【国がんのサイト】
こちら(プレスリリース)
こちら(オンライン・セカンドオピニオンの詳細)

主治医の了承、患者本人の同意、診療データの送付などが必要

なお、国がんでは「オンライン・セカンドオピニオンは、その特性上、病状によっては勧められない場合がある」ことを指摘。現在の主治医と事前に相談することが重要です。

オンライン・セカンドオピニオンが可能となるのは、治療開始前で▼診断が正しいかどうか不安である▼がん治療が妊娠・出産に与える影響や対応方法等について知りたい▼現在の主治医の治療方針を確認したい▼複数の選択肢があり、国がん中央病院の見解を知りたい▼主治医から「診断や治療方針の決定が難しい」と言われた—患者・家族、または治療中で「ゲノム(遺伝子)検査結果を踏まえた治療方法などの研究的治療を相談したい」患者・家族です。

また、「主治医から提示された治療が希望に合わず、国がん中央病院で他の治療法がないかを知りたい」「国がん中央病院への転院を相談したい」という患者・家族には、「対面でのセカンドオピニオン」が望ましいとされています。

一方、▼国外在住である▼主治医が了承していない▼既に終了している治療に対しての評価を希望する▼本人、家族以外である▼家族であるが「本人の相談同意書」がない▼主治医に対する不満、医療過誤および裁判係争中に関する相談をしたい▼患者がすでになくなっている▼医療費の内容、医療給付に関する相談をしたい▼資料(診療情報提供書・検査データなど)を送付できない—ような場合には、オンライン・セカンドオピニオンを受けることはできません。

通常は4万9940円、病理診断行う場合には5万5440円をクレジットカードで支払い

オンライン・セカンドオピニオンの料金は、次のように設定され(保険外となり、全額自己負担)、クレジットカードでの支払いのみが可能です。

【通常】
4万9940円
(消費税込、相談料(60分以内)4万4000円+システム利用料5940円)

【病理診断を実施する場合】
5万5440円
(消費税込、相談料(60分以内)4万4000円+病理診断料5500円+システム利用料5940円)



国がんでは、▼他の病院での病理診断に疑問がある▼病理診断がなかなかつかない—ような場合には、現在の主治医に問い合わせたうえで、「病理相談外来」に申し込むことを勧めています。



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がん「5年生存率」は全部位・全病期で68.6%、「10年生存率」は同じく58.3%に向上―国がん
がん5年生存率、全部位・全病期は68.4%、ステージI乳がんやステージI-III前立腺がんは100%―国がん
全部位・全病期のがん5年生存率は67.9%、10年生存率は56.3%―国がん

がんの3年生存率、全体72.4%・胃76.3%・大腸78.6%・肝54.2%・肺51.7%・乳95.3%―国がん
がん5年生存率、全体66.4%・胃71.4%・大腸72.6%・乳房92.2%・肝40.4%・肺41.4%―国がん

がんの3年生存率、全体72.1%、胃75.6%、大腸78.7%、肝54.6%、肺50.8%、乳房95.2%―国がん

がんの5年生存率、全体66.1%、胃71.6%、大腸72.9%、乳房92.5%、肝40.0%、肺40.6%―国がん
がんの「3年生存率」を初公表、病期・部位により3年・5年・10年の生存率推移に特徴―国がん
がんの5年生存率、全体で65.8%、乳がんで92.7%、肝臓がんで39.6%―国がん
がん標準治療が浸透しているが、乳房切除後の乳がん患者への放射線照射は7割未満―国がん
10歳代までは白血病、20歳代は胚細胞腫瘍・性腺腫瘍、30歳代では乳がんが多い―国がん
がんの5年生存率・10年生存率は前年調査より若干低下、乳がんでは向上―国がん
2013年のがん罹患率、前年に続き減少し361.9、地域特性を踏まえたがん対策を—国がん
がんの5年生存率、全体で65.2%、乳がんで92.7%、肺がんで39.1%―国がん
がんの5年生存率、前立腺や乳がんでは9割超えるが、膵がんでは9.2%にとどまる―国がん
2014年のがん登録、最多は大腸がんで9万4596件―国立がん研究センター
今年(2016年)のがん罹患者は101万2000例、がんでの死亡は37万4000人―国立がん研究センター
2012年の人口10万人当たりがん患者は365.6、男性では胃がん、女性では乳がんが最多―国立がん研究センター
標準的がん治療の実施率にバラつき、「胃がんへの術後S-1療法98.8%」「リンパ節転移乳がんへの術後放射線照射61.7%」など―国がん研究センター
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