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がんの治療法などの情報、7割近くの国民が「病院、診療所の医師・看護師」に期待―内閣府・世論調査

2017.1.31.(火)

 がんと診断された場合、7割近くの人が「病院・診療所の医師・看護師、がん診療連携拠点病院以外の相談窓口」から治療法や病院についての情報を入手しており、また40代以下の比較的若い世代では「インターネット(国立がん研究センターのがん情報サービス以外)」による情報入手も活用している―。

 こういった状況が、内閣府が30日に公表した「がん対策に関する世論調査」結果から明らかになりました(内閣府のサイトはこちら)。

 また国民の多くは、「がん医療に関わる医療機関の整備(拠点病院の充実など)」や「がんの早期発見(がん検診)」、「仕事を続けられるための相談・支援体制の整備」、「がんに関する専門的医療従事者の育成」などを政府に期待していることも明らかになっています。

比較的若い世代はネット情報も積極的に活用、正確な情報の入手が重要

 がんは我が国の死因第一位を独走しており、政府は今年(2017年)6月を目途に新たながん対策推進基本計画(第3期計画)を閣議決定する構えです(関連記事はこちらこちら)。そうした中で内閣府は、全国に居住する18歳以上の日本国籍者3000人を対象に、がん対策に関する意見をアンケート調査したものです。有効回答は1815人となりました。

 まず、がんと診断された場合に、どうやって治療法や病院などの情報を入手しているのかを見ると、最も多いのは「病院・診療所の医師・看護師、がん診療連携拠点病院以外の相談窓口」からで、全体の68.6%となりました(複数回答)。この傾向は都市の規模や性、年齢によって大きな違いはなく、多くの国民が、ことがん医療について「餅は餅屋」と考えていることが分かります。

一般国民の7割近くは、がんの治療法や病院に関する情報の入手先として「病院・診療所の医師・看護師」などに最も期待している

一般国民の7割近くは、がんの治療法や病院に関する情報の入手先として「病院・診療所の医師・看護師」などに最も期待している

 このほかに「インターネット(国立がん研究センターのがん情報サービス以外)」(35.5%)、「家族・友人・知人」(33.4%)、「拠点病院の相談窓口(がん相談支援センター)」(26.6%)を挙げる人が多いようです。とくにインターネットについては、▼18-29歳:56.9%(病院・診療所の医師・看護師などは59.7%)▼30-39歳:57.6%(同59.4%)▼40-49歳:58.3%(同66.1%)―という具合に、比較的若い世代で多く活用されている状況が伺えます。もっとも、インターネットには科学的根拠のない医療情報もあふれており、信頼のおけるサイト(例えば国がんの「がん情報サービス」)の利用や、正しい情報を提供できる人材(米国におけるキャンサーナビゲーターなど)の育成などが求められます(関連記事はこちらこちらこちら)。

 次に、がんと診断された場合に、どのような点を重視して病院を選ぶのかを見てみると、「専門的な治療を提供する機器や施設の有無」が60.2%と最も多く(複数回答)、次いで「医師や看護師の技術の優秀さ」(56.7%)、「自宅からの距離」(50.5%)、「受診にかかる経済的負担(交通費や差額ベッド代)」などと続きます。

がん治療を受ける病院の選択に当たり、一般国民は「専門的な治療のための機器・施設の有無」や「医師・看護師の技術」をとくに重視する

がん治療を受ける病院の選択に当たり、一般国民は「専門的な治療のための機器・施設の有無」や「医師・看護師の技術」をとくに重視する

がん検診、3割超が「受けたことがない」

 現在のがん対策推進基本計画(第2期計画)では、「がんと診断されたときからの緩和ケア実施」を重要項目の1つとしています。この点に関連して「緩和ケアはいつから実施すべきものか」を聞いたところ、半数超(56.1%)は「診断時から」と答えたものの、2割強(20.5%)は「治療開始時から」、2割弱(16.2%)は「治る見込みがなくなってから」と考えており、とくに60歳代で緩和ケアにマイナスイメージを持っているようです。

 

 また、がん検診の受診状況については、「2年以内に受診した」とする人が52.6%と半数を超えているものの、「2年以上前に受診したきり」(13.8%)、「受診したことはない」(33.4%)という人も少なくありません。「受診したことがない」人は、性別に見ると男性で多く、年齢階級別に見ると18-29歳、30-39歳の若い世代で多くなっています。

 こうした人に「なぜがん検診を受けないのか」を聞いたところ、「受ける時間がない」(30.6%)、「健康状態に自信があり,必要性を感じない」(29.2%)、「心配なときはいつでも医療機関を受診できる」(23.7%)、「経済的な負担」(15.9%)といった理由が多くなっています。がん治療においては、早期発見・早期治療が予後に大きな影響を与えることが分かっており、国民教育を含めた、さらなる受診勧奨が求められそうです。

 一方、がん治療を受けながら仕事を続けることは困難であるとして、仕事を辞めてしまう人も少なくありません。またがん治療を終えた「サバイバー」が仕事に復帰することには大きな課題があると言います。こうした「治療と仕事の両立」については、「働き続けられる環境にある」と答えた人は27.9%にとどまり、64.5%の人は「働き続けられる環境にはない」と考えています。その理由については、「代わりに仕事をする人がいない。いても頼みにくい」(21.7%)、「「職場が休むことを許してくれるかわからない」(21.3%)、「治療・検査と仕事の両立が体力的に困難」(19.9%)、「休むと収入が減る」(15.9%)、「治療・検査と仕事の両立が精神的に困難」(12.8%)、「休むと職場での評価が下がる」(6.0%)など、多岐にわたっています。第3期のがん対策推進基本計画では、「仕事と治療・検査の両立」も含めた社会参加が重要項目の1つに据えられる見込みとなっており、こうした国民の声にどのような答えを示すのか注目されます(関連記事はこちらこちら)。

拠点病院の充実やがん検診、仕事継続のための支援などを政府に期待

 最後に、政府に対する「がん対策への要望」を見てみると、「がん医療に関わる医療機関の整備(拠点病院の充実など)」を挙げる人が最も多く61.5%(複数回答)。次いで「がんの早期発見(がん検診)」(56.3%)、「仕事を続けられるための相談・支援体制の整備」(49.6%)、「がんに関する専門的医療従事者の育成」(48.3%)などとなっています。

 もっとも、都市規模別に見ると「仕事を続けられるための相談・支援体制の整備」を求める意見は中都市で多く、性別に見ると、女性で「仕事を続けられるための相談・支援体制の整備」を求める声が多くなっています。

 また年齢別に見ると、「医療機関の整備」や「仕事を続けられるための相談・支援体制の整備」を求める人は30-59歳(幅広い現役世代)で、「早期発見(がん検診)」は30歳代の若い世代で、「専門的医療従事者の育成」は60-69歳で、それぞれ高くなっています。若い世代では、比較的自分に身近な基盤の整備を、高齢の世代では、「次代を見据えた対策」を求めていると言えるかもしれません。

  

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