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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

利用者1人ひとりの願う自立を叶える「自己実現介護」を目指す―老施協

2017.2.6.(月)

 要介護度の改善のみを指標とするのでなく、介護サービス利用者1人ひとりが願う将来像・状態像に基づき、それぞれが願う「自立」に伴走する「自己実現介護」(伴走型自立支援介護)を目指す―。

 全国老人福祉施設協議会は先ごろ、こうした宣言を行いました。

自立支援は、利用者の望む将来像・状態像の数だけ存在する

 高齢化が進展し、高齢者が増加するとともに、要介護高齢者が増加し、公的介護費用が増加を続けています(2017年度予算案では、介護費の伸びが社会保障各分野の中でもっとも大きい)。そうした中で、介護保険制度は「重度化予防」「改善」に向けた取り組みを重視した改革が行われています(関連記事はこちらこちら)。

 また政府の「未来投資会議」などでは、一部有識者から「要介護度の判定結果を自立支援における評価尺度とし、介護報酬(インセンティブ・ディスインセンティブ)に紐づける」自立支援介護が提唱されています。

 老施協では、これまでにも「自立支援介護」に対して、▼要介護度改善の見込みが少ない高齢者の施設受け入れが阻害される▼利用者に望まぬ栄養摂取やリハビリを課す▼在宅復帰が困難な利用者に強迫観念を与える―と批判。今般、改めて「自立支援介護」の問題点を指摘するとともに、老施協が目指すべきは「自己実現介護」(伴走型自立支援介護)であると宣言しています。

 この自己実現介護は、▼要介護高齢者の自立は身体機能だけでなく、社会生活、尊厳の保持も含めた状態改善で、支援は全人的でなければならない▼加齢により「できること」が限られていく中でも、「可能な限り、その人が望む生活を送れる環境」づくりが自立支援の本質である▼本人主体の「自己実現」に立った自立支援が、残存機能を活かすために有効である―といった考えに基づくものです。その概念は、「利用者1人ひとりの望む将来像・状態像に基づき、利用者個々人が願う『自立』を叶える」もので、「生活に伴走した支援」を行うことされています。

 また、自立には「要介護度の改善」以外にもさまざまな要素があり、それらは利用者個々人で異なっていることから、「利用者本人の望む将来像・状態像の数だけ自立支援介護が存在しうる」と老施協は強調しています。

   
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